2019年11月21日

長野市長沼地区のいま?若い農業の担い手

今週は、台風19号で大きな被害を受けた、長野県長野市長沼地区からのレポートです。

千曲川の堤防決壊から、1ヶ月以上が経過。長沼地区では、住宅の泥出しや片付けなどの作業が本格化しています。一方、全国有数のリンゴ産地ということで、浸水被害を受けたリンゴ農園の再生も大きな課題ですが、こちらも、明るい話題が出てきているようです。

長沼地区 自治協議会・会長の柳見澤宏さんに伺いました。

◆若い農業の担い手
(聞き手:JFN7局ネット『Hand in Hand』MC・高橋万里恵)
ここはもともと「アップルライン」と呼ばれるほどリンゴが地域の特産なんです。非常い美味しいリンゴができるんですよね。これから一番美味しさを感じてもらえる「ふじ」という種類が最盛期の時期だったんですが、非常に残念な時期にこういう被害に遭ってしまった。ですがありがたいことに若者たちがリンゴ作りを絶やしてはいけない、自らの力で園地を復活させようという動きをしていることが非常に頼もしく感じています。(被害があった地域でも若い方の力が動いてるんですか)そうですね。若い子たちが高齢者の畑へ行って、「とにかく園地は俺たちが守るから、あとは俺たちに貸してくれ」と、そんなメッセージもあって非常に心強く感じているんですね。(それだけ若い方にとって、今まできっと当たり前にあった美味しいリンゴたちが本当にかけがえのない大事なものだったということですよね) りんご園はいろいろな作業工程があって、できるまでに大変な苦労があるんですけれども、できた喜びや消費者の皆さんにお届けして美味しかったよと言われることは本当に何よりですね。私はかつて教員をやっていたんですけど、退職してから親父がやっていたリンゴ作りをやっているんですが、多くの深い難しさや魅力を感じている中での、今回の出来事でした。


若い人材がリンゴ農園再生に立ち上がった!というのは、とても希望のある話です。ただ、リンゴ農園の再生には、堆積した泥を出すだけでなく水をかぶってしまった農業機械をどうするかなど、様々なことをひとつひとつ、クリアしていかなければいけない。これには行政の支援、民間の支援、そして我々が「消費者」として
できる支援それぞれが必要となります。

2019年11月20日

長野市長沼地区のいま?ボランティアの力

台風19号で大きな被害を受けた、長野県長野市、長沼地区からのレポートです。

千曲川の堤防決壊によって、広い範囲が浸水被害を受けた長沼地区。実はこのあたりは、過去にも幾度となく水害を経験していて、その教訓から、住民の方々の避難行動はとても早かったといいます。ただそれでも、「悔しさが残る」と、長沼地区 自治協議会・会長の柳見澤宏さんはそうおっしゃっています。「悔しさ」とはどういうことなのでしょうか。

◆それでも防げなかった災害
(聞き手 JFN7局ネット「Hand in Hand」MC高橋万里恵)
非常にここは水に対する恐れがずっとありましたね。地区名が長沼で「沼」がついて、私なんかはその中の「赤沼」という所(に住んでいる)ですから。赤沼の地域は特に水の災害が多いんです。千曲川だけではなく浅川というのがあるんですが、この朝川の水と千曲川の水があふれた時に、大体浸水しているんですね。新幹線が水に浸かった映像がよく出ていますが、あそこが一番やっぱり土地が低いところなんですよ。朝川の水が内流して千曲川が氾濫して、あそこに水が溜まっちゃって4メートル近い水が堆積したと(報道に)出ていますね。だからあの横には長沼の歴史と言ったら変ですけれども、「ここまで水が来ました」という表札があるんですよ。(それは前からあるんですか)あります。7メートルくらい水が上がったという標石がありますね。だからかつては、水害の時に移動する手段を家に備えていたところがいっぱいいましたよね。私も小さいときには家の軒下に船を用意していたと言うところもあって、それほどやっぱり水に対する恐れもあり、備えもあったと思うんですよね。私たちは毎年6月29日に大規模な防災訓練をやってきているんです。そういう流れの中で決壊したということも逆に非常に悔しさがある。危ない危ないと言われていたところが決壊したんですから。これはやっぱり何らかの原因があって、その原因に対してどういう対策をこれから作るかということを、きちっと示してもらうことが大事なことかなと思っていますね。




長沼地区は、台風19号が接近する前に、多くの方が早い段階で避難を済ませていたといいます。これは毎年の大規模な避難訓練の賜物といえます。ただそれでも、長沼地区では2名の方が亡くなっています。実は長沼地区の堤防は、3年前に拡張工事を終えたばかりだった。実際、堤防の決壊は「想定していなかった」と言う声もあったそうで、堤防完成後も「治水は十分ではない」という意見もあったといいます。だからこそ柳見澤さんは、悔しさをにじませています。

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パーソナリティ 鈴村健一

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