2016年8月15日
8月15日 『STAND UP SUMMIT2016』1
今日と明日の二日間は、先週、東京ビッグサイトで行われました『STAND UP SUMMIT 2016』の模様をお送りします。
これは、これからの時代を担っていく若者たちが、等身大で復興を考えていくイベント。「未来は、自分たちで創っていく!」という想いのもと、東北、東京、熊本から350名の中学生・高校生・大学生が集まりました。そして、それぞれの地域を代表する7名の生徒が壇上にあがり、震災当時のことから故郷の今、これから、なにをするべきか”を話し合う「復興ディスカッション」がおこなわれ、ゲストの為末大さんとともに高橋万里恵も参加してきました。
今日お送りするのは、「震災を経験した若者は、なにを、どのように、未来へと受け継いでいくか」というテーマです。
●熊本県 阿蘇中央高校 中嶋翔太 高校2年
まず私は、今回熊本地震を経験して、イチバン自分の中で大変なことがあって、今までは学校に行くまで30分程度で行くことができたのですが、阿蘇大橋が地震の影響で土砂崩れで落ちてしまって、今は、回り道をして1時間40分かけて学校まで行っているという状況があって、こういう自分の体験した記憶を伝えていきたいなと思います。
●宮城県 東北福祉大学 三浦貴裕 大学2年
私は、記憶が一番ですかね。震災時、私は中学二年生で中学校が高台にあったんですがそこまで津波が来て、津波でおぼれて心肺停止になった方に実際に心臓マッサージをしました。残念ながら助けることはできなかったんですね。ただ、そのことをいろんな人に伝えることで、防災だったり、次またどこで起こるかわからない津波や地震に備えることが出来ると思うので、友達や知り合いから聞いた方が印象に残るなって、私も語り部をやっていて思いますね。
●高橋万里恵
こうやってお話を聞いていると中嶋くんは阿蘇大橋が崩れてこれから道路の復興が大切だという話もあるし、三浦君から言うと記憶の風化を防ぎたいというお話もある中で、為末さん、一方でこんな回答もありました。
「理想の復興は、人々の心の中にある震災の記憶を消して、心の復興を最優先にすることが大切だと思います。そこから笑顔が生まれて活発になっていくと思います」、こういった意見もあるんですね、これを書いたのは誰かな?
●岩手県 宮古市立第一中学校 織笠倖亘 中学3年
はい、岩手県から来ました宮古市立第一中学校3年の織笠倖亘です。その、受け継ぐっていうところはすごく大切だと思うんですが、自分が実際に被害を受けて、家が流されたり、おじいちゃんが亡くなったり、自分もどす黒い波が押し寄せてくるのを見ている中で、やっぱりそういうのを思い出したくないなっていう気持ちと、受け継ぐっていうよりはそういうところを沈めていたいっていう気持ちのほうが大きいんじゃないかなって思って書きました。
●為末大さん
震災の話と復興の話って、たぶん分けた方がいいなって今聞きながら思っていて、震災の最中の、たとえば避難所でこういう風にした方がよかったなとか、ぼくはけっこう活かされているんじゃないかと思っている。やはり我々の住んでいるところって、結局地震から逃げられない国に住んでいるんですよ。だけど学ぶことはできて、その学んだことを伝えていくっていうことは大事かなと思うんですね。ただ一方でそれは表面の話で、個人個人の人生では、その人がその人の人生の中で自分のペースで受け止めていくことで、この二つを話し合っていく時間が必要かもしれない。
●高橋万里江
それに、まわりの私たちが一個の意見に断定しちゃうのもダメですよね?
●為末大さん
その通りですね。
8月9日、東京ビッグサイトで行われた『STAND UP SUMMIT2016』復興ディスカッションの模様。こちら、東北と熊本に加えて、東京の生徒も参加していたんですが、「これまで、震災は、ただ、受け継ぐべきものとだけ考えていたけど、そこには受け継ぐべき教訓と、一方で、忘れたい個人の記憶もある。両方があることを初めて知った」という声も。そして、「だからこそ、たくさんの人の声を聞く大切さに気付いた」という感想が印象的でした。
明日も引き続き、『STAND UP SUMMIT2016』復興ディスカッションの模様をお伝えします。
これは、これからの時代を担っていく若者たちが、等身大で復興を考えていくイベント。「未来は、自分たちで創っていく!」という想いのもと、東北、東京、熊本から350名の中学生・高校生・大学生が集まりました。そして、それぞれの地域を代表する7名の生徒が壇上にあがり、震災当時のことから故郷の今、これから、なにをするべきか”を話し合う「復興ディスカッション」がおこなわれ、ゲストの為末大さんとともに高橋万里恵も参加してきました。
今日お送りするのは、「震災を経験した若者は、なにを、どのように、未来へと受け継いでいくか」というテーマです。
●熊本県 阿蘇中央高校 中嶋翔太 高校2年
まず私は、今回熊本地震を経験して、イチバン自分の中で大変なことがあって、今までは学校に行くまで30分程度で行くことができたのですが、阿蘇大橋が地震の影響で土砂崩れで落ちてしまって、今は、回り道をして1時間40分かけて学校まで行っているという状況があって、こういう自分の体験した記憶を伝えていきたいなと思います。
●宮城県 東北福祉大学 三浦貴裕 大学2年
私は、記憶が一番ですかね。震災時、私は中学二年生で中学校が高台にあったんですがそこまで津波が来て、津波でおぼれて心肺停止になった方に実際に心臓マッサージをしました。残念ながら助けることはできなかったんですね。ただ、そのことをいろんな人に伝えることで、防災だったり、次またどこで起こるかわからない津波や地震に備えることが出来ると思うので、友達や知り合いから聞いた方が印象に残るなって、私も語り部をやっていて思いますね。
●高橋万里恵
こうやってお話を聞いていると中嶋くんは阿蘇大橋が崩れてこれから道路の復興が大切だという話もあるし、三浦君から言うと記憶の風化を防ぎたいというお話もある中で、為末さん、一方でこんな回答もありました。
「理想の復興は、人々の心の中にある震災の記憶を消して、心の復興を最優先にすることが大切だと思います。そこから笑顔が生まれて活発になっていくと思います」、こういった意見もあるんですね、これを書いたのは誰かな?
●岩手県 宮古市立第一中学校 織笠倖亘 中学3年
はい、岩手県から来ました宮古市立第一中学校3年の織笠倖亘です。その、受け継ぐっていうところはすごく大切だと思うんですが、自分が実際に被害を受けて、家が流されたり、おじいちゃんが亡くなったり、自分もどす黒い波が押し寄せてくるのを見ている中で、やっぱりそういうのを思い出したくないなっていう気持ちと、受け継ぐっていうよりはそういうところを沈めていたいっていう気持ちのほうが大きいんじゃないかなって思って書きました。
●為末大さん
震災の話と復興の話って、たぶん分けた方がいいなって今聞きながら思っていて、震災の最中の、たとえば避難所でこういう風にした方がよかったなとか、ぼくはけっこう活かされているんじゃないかと思っている。やはり我々の住んでいるところって、結局地震から逃げられない国に住んでいるんですよ。だけど学ぶことはできて、その学んだことを伝えていくっていうことは大事かなと思うんですね。ただ一方でそれは表面の話で、個人個人の人生では、その人がその人の人生の中で自分のペースで受け止めていくことで、この二つを話し合っていく時間が必要かもしれない。
●高橋万里江
それに、まわりの私たちが一個の意見に断定しちゃうのもダメですよね?
●為末大さん
その通りですね。
8月9日、東京ビッグサイトで行われた『STAND UP SUMMIT2016』復興ディスカッションの模様。こちら、東北と熊本に加えて、東京の生徒も参加していたんですが、「これまで、震災は、ただ、受け継ぐべきものとだけ考えていたけど、そこには受け継ぐべき教訓と、一方で、忘れたい個人の記憶もある。両方があることを初めて知った」という声も。そして、「だからこそ、たくさんの人の声を聞く大切さに気付いた」という感想が印象的でした。
明日も引き続き、『STAND UP SUMMIT2016』復興ディスカッションの模様をお伝えします。