2016年9月13日

9月13日 熊本阿蘇 草千里乗馬クラブ(2)


今朝は昨日に続き、熊本・阿蘇の観光名所「草千里乗馬クラブ」からのレポートです。
阿蘇の火口から3キロの場所にある草千里が浜。直径1キロ四方の広々とした草原では馬が草を食み、乗馬も楽しめる阿蘇を代表する観光スポットとして親しまれてきました。4月に起きた地震で、草千里に通じる道路は各所で崩れて通行止めとなり孤立。「草千里乗馬クラブ」も休業を余儀なくされています。

代表の末藤吉一さんは、2日に一度、崩落した場所を避けながら草千里へ行き、繋養されている10頭の馬たちに飼料を与えながら、再開の日を待ち続けています。

◆9月中旬再会に向けて
とにかく復活まではみんなで頑張ろうって話になって、来春頃にはっていう話だったんです。そしたら最近、県の方が、仮設道やけど開放しますっていうプレス発表があったんです。一応ここで乗馬は出来ますよ。ただ難しいのは施設が全く手つかずの状態だから、受け入れ状態がまったくないし水が来てないから、安全の確保とか、営業するにしろ水がなければ営業はちょっと難しい状態。だから前の方に仮設のテントでも張って土産物の販売くらいは出来るかもしれないけど、その状況になってみないと分からないんで、仮にちょっとやってみようかなと。いまグループ補助金とかいろいろ国の補助金が出てるんでその申請とかして来春に向けての復旧工事とか計画を各施設が立ててた状態で、いきなり開くと言ったからちょっとどうなんかなあって、だから出来るところと出来ないところ、はっきりするよね。やっぱり全体が揃わないと復興っちゅうのはちょっと難しいと思うんですけどね。ほんとにできるのは来春からじゃないかなと思うんで。ただここ自体の魅力は無くなった訳じゃないから、どうにかこうにか道さえ確保できれば、なんとかして行ってみようっていうお客さん、だいぶいらっしゃるとは思うんですよね。「どこまで登れるんですか?」とか「営業してるんですか?」って声がたくさん来るから、やっぱここに来たいっていうお客さんはたくさんいると思うんです。知らんで手前まで来た客さんもだいぶいると思うんです。そういった意味でここがちゃんと受け入れ態勢さえできれば、なんとか復活できるんじゃないかとは思ってるんです。期待はしてます(笑)。(馬たちってどうなんですか?)どうかな、今年はキツくないなって思ってるかもしれないね、夏だけ忙しいからね。(営業辞めるってことは一切考えず?)考えないです!ここで営業をするのが我々の使命じゃないけど、ここに遊びに来てくれるうちはどうしても続けていかんなっちゅう使命感はみんな持っています。一つの風物詩じゃないけど草千里の一つの風景ですよね。昔からの。馬に乗ってる姿とね。だけん早くやっぱ元の状態の戻って欲しいなと思います。パッと見た目はきれいに見えるかもしれないですけど、草が伸び放題というかね、人がここにいないでしょ、野生動物がね、イノシシとか鹿とかが掘りたくってね、ぐじゃぐじゃになってるんですよね。人がいるから来なかったんが人が来ないから野生動物の遊び場になってるんです。ちょっと見苦しくないように補修はせんないかんなと思うけどね。


今なお通行止めが続く阿蘇の登山道路のうち、阿蘇市側からの県道「阿蘇吉田線」について、熊本県は今月中旬に片側通行で仮復旧させる方針です。通行止めの解除を前に、先週は周辺の草刈りが行われて、草が伸び放題だった草千里、だいぶきれいになったそうです。

明日も「草千里乗馬クラブ」代表、末藤吉一さんのお話しお届けします。

2016年9月12日

9月12日 熊本阿蘇 草千里乗馬クラブ(1)

今朝は、熊本・阿蘇の観光名所「草千里乗馬クラブ」からのレポートです。
阿蘇の火口から3キロの場所にある草千里が浜。直径1キロ四方の広々とした草原では、馬が草を食み、乗馬も楽しめるということで阿蘇を代表する景勝地、観光スポットとして親しまれてきました。去年9月の阿蘇山噴火で周辺は立ち入り禁止となり、今年春、ようやく観光客が戻り始めた矢先に、熊本地震が発生。周囲の道路が崩れ、ふたたび立ち入ることが出来なくなりました。


いま、ひと足の途絶えた「草千里乗馬クラブ」には10頭の馬が繋養されています。代表の末藤吉一さんに同行して、草千里でお話しを伺いました。

◆住み慣れた草千里に戻しました
今ここに離しているのは10頭ですけど、住み慣れたところがいいなって、無理しててでもここに持ってきたんです。水も確保できるようだったから。(1回下に降ろした?)どうしてもここ通れない状態で、いつ通れるかもわからない状態と、目が届かないから、無理やり引いて下の原野に降ろして管理しました。でも馬自体が神経質になってね。何とかここに返したいと思っとったら、意外とそこの道路がはやく通れるようになったし、連れて帰った方がいいよねってことで、5月の頭頃に連れて帰って現在に至ってます。


直径一キロの広大な草原で、馬は自由に放牧されていて草を食んでいますが、足りない栄養分を補うために2日に1回末藤さんは飼料を車につんで草千里へ。道路が寸断されているため、今なお許可を得ている事業者以外は立ち入りできません。4月の地震から現在に至るまでを、あらためて末藤さんに聞きました。

◆草千里=乗馬の風景を守らにゃいかん
4月14日は大したことないというか「ああ揺れたな〜」ってテレビ見ながら益城町の方は大変だね、このくらいで済んで良かったね〜くらいのところが、本震がボンと来て、阿蘇大橋が落ちたと聞いて、翌朝すぐ馬の様子を見に行こうと思って登って来たら、もう途中で登れないんです。ぜんぜん。道路がぐちゃぐちゃでね。だから途中で車を降りて歩いてここまで来て、馬の状態を確認して。馬自体は普通とかわらず落ち着いた状態でした。草千里の中自体は奇跡的に大丈夫でした。山とかは崩れているところがだいぶありますけど草千里の中は亀裂も入って無いし大丈夫でした。で、どうしてもここは孤立してしまうから、無理してでも馬を下の方に持って帰ってから、目の届くところで管理しようってことになって、ぜんぶ途中まで引いて下の牧野の方に放牧したんですけど。でも1週間とかそれくらいは自分たちの生活の方が一生懸命でした。食べるもんが無い、水がない、電気がない、余震もすごかったんで、家の中で生活できない人もいて、車の中とか体育館の中とか各施設の方で避難生活を今もしている方はいますけど、うちの会社の人間も例外なくそういった状態だったですよ。だからもうこういう状態だったから、営業とかそういうのはちょっと1年2年先の話しになるんじゃいかなという行政からの話しだったんですよ。だから会社を休止の状態にして、各個人各個人がアルバイトとかしながらとにかく頑張って復活までみんなで頑張ろうっていう話になってね。草千里=乗馬クラブってのは風物詩というか、我々もそういう風景を守らにゃいかんという使命感もあって、この仕事が好きやし、馬が好きやし、こういった商売が好きで今まで何年もやってきたメンバーですから、だから早くもとの状態に戻りたいというのが本音だと思うんですよ。


地震による被害で通行止めが続く、阿蘇の登山道路のうち、阿蘇市側からの県道「阿蘇吉田線」について、熊本県は路肩の崩落場所を避けるようにして、片側通行での開通を決め今月中旬に仮復旧させる方針です。地元では歓迎の声が上がる一方、予想以上の早期開通に、草千里の観光業者からは「再開準備が間に合わない」と戸惑いも声もあがっています。

続きは、明日の『LOVE&HOPE』でお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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