2016年9月21日

9月21日 ツール・ド・東北2016 その3 女川〜雄勝

石巻から女川、雄勝、河北という順番で巡る、東北沿岸部・60キロのコース。女川では2年ぶりにお母さんたちが振る舞う女川汁を頂き、再び自転車にまたがり、今度は海沿いに北上したわれらが中西キャプテン。



しかし・・・女川から雄勝へ北上する海沿いの道が、このコース最大の難所。

繰り返しやってくる登り坂。越えても越えてもまたやってくる・・・。ただしその間、右側にはずーっと三陸の海が広がっている。その絶景が救いになるんです。

ということで山を越え谷を越え、ツールド東北アンバサダーの中西と、パラリンピアン・谷真海選手は、次の目的地、雄勝のエイドステーションに到着!


◆雄勝のホタテでまたパワーチャージ!
中西:じゃあ真海ちゃんと雄勝のホタテを・・・もう食べてるし(笑)ホタテうまそう〜。焼いている香りがもうたまらんですね。まじ肉厚! 超美味!
雄勝総合支所の牧野さん:今年はすごく出来がいいので。この肉厚さはほかの産地にも負けません。震災前は宮城県一位の水揚げを誇っていましたから。離れていった方が多いので生産者が減っちゃって、全体の量は減っている。でも一軒当たりががんばって作っているので、なんとかみなさんに提供できるようになっているとは思います。
中西:じゃあこのあとも?
牧野さん:冬一杯は大丈夫。
中西:じゃあこれからの時期も自転車で?
牧野さん:いや、クルマで来て頂いて大丈夫ですよ(笑)
中西:確かに。クルマがいいですね。股間が痛い・・・(笑)。


雄勝でもこんな風に、町ぐるみで参加者をおもてなしをしてくれていました。もちろん沿道でも、雨の中、本当にたくさんの方が応援してくれていて、中には、第1回から毎年同じ場所で応援している親子の姿もありました。

このお2人は佐藤さん親子。第1回からずっと、実家のあったこの場所で参加者に声援を送っています。

◆ありがとうを言うために
私は仙台に嫁いでいて、父親と姉夫婦が住んでいたんですけど、(だから毎年?)町民としてここでね。せっかく来てくださる方にありがとうって言っていました。(最初は何年生だった)2年生からか。4年目だから。今は5年生。走っている方々も「いつもきてますよね」「毎年ありがとう」って言って下さったり。私たちが来てもらってありがとうなんだけどね。この状態を見て頂くだけでもありがたいな、ありがとうって言っていたんだけど、あとは娘を連れてここに毎年立つっていうのはとても大事なことかなと思って。(お名前は)佐藤おりざです。(どんな気持ちで応援している?)最初はお母さんについてきただけだけど、ありがとうありがとうって言われると嬉しいし、ちゃんと町が変わっていく姿を見てもらえるからいいなと思って、楽しみだなって。


雄勝で応援してくれていた佐藤さん親子。毎年、実家のあった場所で、ツールド東北参加者たちを応援しています。第1回のとき2年生だったオリザちゃんは、現在5年生。こういう出会いも、ツールド東北ならではの魅力ではないでしょうか。

※第1回当時、まだ小学校2年生だったオリザさん


このあとは雄勝を離れ、谷選手とともに84人の小学生が犠牲になった旧大川小学校へ立ち寄り、保存が決定した校舎に手を合わせてきました。被災地の今をこの目で見て感じること。これもこのイベントの大きな目的です。

最後に参加した方からの声です。
「おばあちゃん、子連れのお母さんが手を振ってくれてすごい元気が出ました。」
「目に見えてだいぶ復興は進んできているんですけど、沿道の中で一部まだまだの部分も見れたので復興が早く進めばいいなと思います」
「寒かったので温かいつみれ汁が美味しかったしありがたかったです。復興の進んでいる部分とか拝見しながら走らせて頂いて良い機会でした。」
「3回目の参加です。朝も一緒にここに向かってきた方が、東京と神奈川から来たということだったので、全国から集まっているのは嬉しく思うし、自分たちが復興に役立っているかなんて感じることは無いんですけど、こうやって一緒に走ることが繋がるきっかけになるんだなというのを感じることができたなと思います。」

また谷真海選手も「応援してたら、応援されてた・・・まさにそのとおりでした」と話していました。被災した東北沿岸部を応援するために足を運び、自転車で大変なコースを走っているうちに、地元の人たちの温かい声援で逆に力をもらう。地元のグルメと風光明媚な自然を楽しむ。去年と同じ人と再会して成長を喜んだり。魅力は本当に語りつくせません。ぜひあなたも来年、ツールド東北2017年へ!
http://tourdetohoku.yahoo.co.jp/2016/

明日は、いよいよ今週末、大事な試合を控える女川のサッカーチーム「コバルトーレ女川」についてお伝えします。

2016年9月20日

9月20日 ツール・ド・東北2016 その2 女川エイドステーション

今日も引き続き、先週末に行われたツールド東北2016のレポートです。



東北沿岸部を自転車でめぐりながら、被災した地域が復興していく姿を、自分の目で確認する。ツールド東北の大きな目的の一つです。
スタートから19キロ。市街地を抜け、最初の急坂をのぼり、下り、万石浦という静かな湾を超えた先に見えたのが2年ぶりの女川駅。中西哲生を迎えたのは、去年3月に開業した新しい駅舎とそこから伸びるプロムナードの賑わいでした。

そしてこの女川駅前には、参加者が地元のグルメで栄養を補給するための「エイドステーション」が設置されています。そして女川のエイドステーションには中西が心から楽しみにしている、このグルメが待っていました!


※そうです。女川名物さんまのつみれ汁です。フワフワしみウマなつみれが、絶妙のお出汁で煮込まれ、染み渡る旨さ! 中西&谷真海も夢中で食べてました。

参加者を迎える地元の方の中には、全国が注目する女川の町づくりの旗振り役、須田善明町長の姿も。お話伺いました。



◆復興はこれから加速します!
中西:僕は2年ぶりにここにこさせていただいたんですが、復興はかなり進んだように見えます。実際はどうですか。
須田:住宅が女川の場合、どうしても高台造成で時間がかかるという前提条件があります。宮城県全体だと7割が公営住宅や土地を貰っての生活再建をしているが、女川はまだ5割弱というところ。ただ今までやってきたものがこれから仕上がっていくので、ここからどんどん一気に加速するという状況です。

中西:女川駅の前にいるが、この駅の前のプロムナードは本当に素晴らしい雰囲気になりましたね。
須田:おかげさまで外からのお客様も大勢来ていただいている。以前はイベントをやれば人を集まるという感じだったが、今はイベントが無くても新しい街を見に行こうとお客様が来てくれるので本当にありがたい限りですね。

中西:僕も女川汁を頂いて、女川の方々の暖かさに触れて、人が素晴らしくて町が復興していくのを嬉しく思っています。
須田:ありがとうございます。今日もあさ3時ー4時からみなさん準備していてね。温かすぎるほどの思いをぶちこんでね(笑)皆さんにお召し上がりいただいています。そういう私たちの気質というか思いをね、絶望しか無いような状況からここまで来たわけですけど、下を向くよりもとにかく前を向いていこうよというみなさんの思いが、それぞれを支え合ってここまで来たと思います。またそういうところに全国の皆さんからご支援を頂いてきた。ここが本当の剣ヶ峰みたいなところだと思いますのでね、ここを超えて新しい世界を切り開いていきたいなと思います。

中西:そしてサッカーでは、コバルトーレ女川が優勝にあと一歩というところに来ています。
須田:いよいよですね。地域にとってコバルトーレ女川は勇気を与えてくれましたし、てっぺんを取って地域決勝を勝って、Jのつく舞台へというのが、私たち応援するものと、なによりチームの選手のみなさんの願いでもありますので、ぜひまずは地域大会決勝の切符をとってほしいなって。

中西:このあと地域大会決勝も非常に難しいものがありますけども、それを勝ってなんとかJ3に行けると新しいフェーズに移れますもんね。
須田:いま東北1部でずっと、3シーズンですか。震災後に2部から上がって戦い続けてきて、後半のあとちょっとで涙をのんだりということがありましたけど、今年はまず1部優勝、そして地域決勝、そして上がってJのステージへぜひ行ってもらいたいですね。


中西がチャレンジした、60キロのコースは「女川→雄勝→河北」の3つの地域に、エイドステーションが設置されており、それぞれ地元の美味しいもので参加者の疲れを癒やしてくれます。女川汁のあとは雄勝のホタテ焼き、そして河北では平椀が待っています。

というわけで、女川汁を補給?した中西哲生は再びバイクに跨り沿岸部を北上、ホタテ焼きの待つ雄勝へ向かいます。
高低差が最大90m、けして楽ではないコースですが、次はホタテ、次は平椀・・・と思えば頑張れるんです。何より、それぞれの地域でごちそうを振る舞ってくれる地元の方々の声援と笑顔が力になる・・・それが「応援してたら応援されてた」というコンセプトで続く、ツールド東北の魅力です。

この続きは、明日のこの時間にお伝えします。

※おまけ。哲生が喰らう!
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パーソナリティ 鈴村健一

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