2016年9月23日

9月23日 コバルトーレ女川 創設以来初のリーグ優勝へ2

昨日に引き続き、宮城県女川町のサッカーチーム、「コバルトーレ女川」に
焦点を当ててお届けします。

コバルトーレ女川は、現在 東北社会人リーグ1部で、初の優勝を「ほぼ確実」としています。

今週末、25日(日)のホーム最終戦が、引き分け以上なら優勝が決定。チーム設立10年。震災を乗り越え、町の人々とともに歩んできた「おらほのチーム」。その悲願を前に、女川の人々はすでに祝勝会の準備も万端! なんて情報も来ています。女川、町を挙げて盛り上がっちゃうんでしょうね〜。

しかし、キャプテンでFW・成田星矢選手はじめ、コバルトーレのメンバーたちは、この優勝は「あくまで通過点」だと話します。


◆欲望のままに!
まあ優勝が決まっても昇格はできないので。優勝は絶対条件で、その後の地域決勝リーグに勝たないと。まずは優勝したいですね。何も変わらないです、今までと。優勝は掛かっていますが特に気負うこともなく。僕たちは決して強いチームではないので。全力でやって来たので今回もそのまま自分たちがやれることをやるだけ。それで結果が出ればいいと思います。そこにゴールできれば次のゴールがあるので、結局欲望のままに生きているというか。僕が欲しいものが欲しくて、その結果が町に良い結果をもたらしてくれると僕は思っています。JFLにあるチーム、さらにその上に行くチーム。なんかすごい良い感じですよね(笑)


成田選手、ポジションはFW。18日の試合は「4−0」のうち、2得点が成田選手です。
「欲望のままに」という考え方。まさにFWというポジションにふさわしいのかもしれません。

ただ、本当にここからが厳しい戦いがはじまります。東北はじめ各地域の優勝チームによる「地域大会決勝」が11月に開幕。チームは上のクラスへ昇格するための大変厳しい戦いに臨みます。

コバルトーレ女川はJFLへの昇格、さらに「町の象徴」としての未来を見据えています。選手時代に、社会人チームからJFLに昇格を果たした経験のある、阿部裕二監督に伺いました。


◆100年先の土台を
一番大事なのは、いつもどおりやれるかどうかが問題。奇跡のようなものは一切ない。自然体でいつもどおりやれることをしっかりやれば、結果は出ると思って臨みます。基本的な考え方が、サッカーで町おこしをしたいというところ。結果という意味では大きな意味があるが、まだここもプロセス。理念としてはJリーグにもある「100年続くクラブ」を目指している。僕らはその土台を作っている段階。成し遂げたことがないので町の人も選手もどういう風になるのか・・・というのも分からないところ(笑)自分が選手時代に昇格してやっぱり充実感やうれしさがあった。それを経験させたいし、自分が指導者の立場になって昇格する喜びはどんなものかを感じたい。でも、ただそんなに甘くは無いので・・・。


優勝が決まるコバルトーレ女川のホーム最終戦は、女川総合運動公園で25日(日)午後2時キックオフです。 

2016年9月22日

9月22日 コバルトーレ女川 創設以来初のリーグ優勝へ

今朝は、宮城県女川町のサッカーチーム、「コバルトーレ女川」に焦点を当ててお届けします。

このチームは今年がちょうど設立10年目。東北社会人リーグ1部で戦っております。そして実は、今週末 日曜日の試合で、初のリーグ優勝が「ほぼ確実」となっています。社会人リーグの選手たちの多くは、他の仕事をしながら強い気持ちでプレーを続けています。

今回お話を伺った、キャプテンでFW・成田星矢選手もそんな中の一人。30歳・チーム最年長。女川とともに、東日本大震災を乗り越え、戦ってきた選手です。


◆僕が町に残った理由
仕事をしていた時だったので、ちょうどそこで地震が来て、みんなでとりあえず高台に避難してクルマで一夜を明かして。町を見に行ったのは次の日の朝です。正直なにも思わなかったです、唖然としていたというか。本当に、なにこれというのがその時の感じかな。見たこともない光景だったので何も言えなかったです。その時に選手や関係者はみんななんとか無事だというのは確認できて、じゃあ僕たちは何をするのかと思った時、比較的ぼくたちは若くて体力もあるので(笑) 最初に始めたのは道路の掃除だったと思うんですよね。まだ道路はぐちゃぐちゃだったので避難していた学校から竹ぼうきを持って行って履いたりしているうちに色んなところから「手伝ってくれ」と言われるようになって、じゃあみんなでやろうと。給水活動だったり、僕が働いていた会社でかまぼこを作って避難所に配ったりということを始めましたね。そんな中でチームが活動休止となって、別のチームでサッカーがしたいという人もいたし、僕は青森の家族からは帰って来いと言われたんですけど、ここの人たちともう一回一緒に町を作って、みんなで盛り上げていけたらいいかなと僕は思っていたので。この町はすごくこの町はいいとこだな〜と。みんなはよく「好きだから」っていうけど、僕はそういう表現は違うのかなと。好きなんだろうけど、本当にただ居心地がよかったとかそういう感じなので。なので僕は残りました。


成田選手は青森出身。仕事の出張で女川にやってきて、チームの存在を知り、もう一度真剣にサッカーをやりたい・・・という気持ちが止められず、
セレクションを受け、仕事を辞め、入団したそう。そして気づいたら、大好きなサッカーをさせてくれるこの町が、自分の「生きる場所」になっちゃったんです。

ただ、「震災をきっかけに、町とのきずなが強まったんですか」という質問をしたところ、成田選手の答えは、大変印象的なものでした。

◆震災がきっかけで絆ができたわけじゃない。
うーん、そうですね。それも良く言われるんですよね。震災が大きな分岐点になったのかと。僕はそんなことは無いと思う。元々僕たちもそうだし、その前からいた人たちが作り上げた繋がりは元々あるものであって、積み上げてきたものが続いているだけだと思います。リーグ戦再開というか、復興祈念試合というので震災の都市の12月に女川の陸上競技場が使えるようになって試合をやったんですね。その時に試合に勝って、「ありがとう」と言ってくれる人もいましたね。泣いている人も。それは本当に素直にやってよかったなって思うのと、逆にこっちはサッカーを続けさせてもらってありがとうという感じでした。



コバルトーレ女川のトップチームの選手たちはみな地元企業で働いています。町の行事や清掃活動にも、ずっと協力してきました。そして設立からの10年を経た「おらほのチーム」はいよいよ、25日のホーム最終戦で悲願の初優勝を手にします。

明日は、コバルトーレ女川・成田選手と、阿部監督のインタビューをお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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