2016年10月5日
10月5日 ふくしまキッズフェスタ2016in会津3
福島県の『会津自然の家』で行われた「ふくしまキッズフェスタ」。
会津自然の家のフィールドアスレチックで少年の気持ちに戻った中西哲生と、俳優・杉浦太陽さん。
トークイベントでは、子どもたちが自然の中で遊ぶ大切さを、真剣に語りました。ステージでお話伺ったのは、子どもの体力向上に詳しい
福島大学 教授の小川宏さんです。
◆福島の子どもたちの体力事情
中西「僕も福島県相馬市で震災以降ずっとサッカーを教えているんですが、相馬にはものすごく大きなグラウンドが5面もできたんです。グラウンドができたことでサッカーをする機械、体を動かす機会も増えたんですが実際にデータ上では子どもたちはどういう状況なんですか。」
小川「震災前から、全国平均と比較して福島県は体力的に低いところにあるというのは、ずっとまえから続いている傾向がある。他の東北の地方と同じで、冬は雪でグラウンドを駆け回ることができないので運動量が冬は少なくなってしまう。山間部だと少子化があり小さな学校が統廃合になる。今まで通えていた小学校に通えず遠くの小学校に通うため、徒歩通学ではなくバス通学になり歩かなくなるんです。」
杉浦「山奥の子どもたちって山を二つぐらい超えて通学しているイメージがありますけど、便利になりすぎたんですね」
中西「震災以降に輪をかけて低下するということもあるんですか」
小川「震災以降、さらに低下している部分については、震災後の福島県は放射線被害が影響して、半年間くらい屋外での活動を自粛する措置を取りました。それ以前も悪かったのがさらに輪をかけて低下してしまったというのがあります。実は震災直後の平成24年データより、その翌年、また翌年のほうが更に体力が低下したという事実がある。それはなぜかというと、半年間で屋外での活動制限はなくなったのですが、小さい頃に学校からまっすぐ家に帰って外で遊ばないという生活習慣、運動しない習慣が子どもたちの当たり前の生活になりかけていて、外で遊んでもいいんだよと言われても、お家の中でテレビとゲーム、脇にはポテトチップスがあるということで、肥満状況も悪くなってしまった。」
杉浦「親も、子どもがゲームをしている方が、やることもいっぱいあるし・・・(助かる)ってなっちゃうんですよね。休みの日なんかは山に行けば楽しいこともいくらでもあるのにもったいないですよね。」
小川「そうですね。だからこういう場を活用しながら親子一緒に表に出て、子供同士も遊ぶし、親とも遊ぶというのが求められているのかなと思います。」
中西「県内の学校での対策は」
小川「福島県と大学で共同して、体育の授業の最初の10分間は、全授業で同じように同じプログラムで、犬走りやアザラシ歩きなどいわゆるコーディネーショントレーニングみたいなことを、どんどん太鼓を叩きながら運動させて、ハアハア息が上がる時間を作ろうということで活動しています。」
山間部の学校に通う子どもたちのほうが、運動不足になりがち・・・というのは考えたことがなかったですよね。バス通学、バス下校になると、下校時間もバスの時間を気にしなければいけない。そうなると、下校前に校庭で遊んで帰る…ということも出来ないそうです。震災や原発事故だけでなく、子どもが元気に遊ぶ環境づくりにはいろんな課題があるということや、それに対する福島県の取り組みもわかりました。
明日もふくしまキッズフェスタのトークイベントの模様をお届けします。
会津自然の家のフィールドアスレチックで少年の気持ちに戻った中西哲生と、俳優・杉浦太陽さん。
トークイベントでは、子どもたちが自然の中で遊ぶ大切さを、真剣に語りました。ステージでお話伺ったのは、子どもの体力向上に詳しい
福島大学 教授の小川宏さんです。
◆福島の子どもたちの体力事情
中西「僕も福島県相馬市で震災以降ずっとサッカーを教えているんですが、相馬にはものすごく大きなグラウンドが5面もできたんです。グラウンドができたことでサッカーをする機械、体を動かす機会も増えたんですが実際にデータ上では子どもたちはどういう状況なんですか。」
小川「震災前から、全国平均と比較して福島県は体力的に低いところにあるというのは、ずっとまえから続いている傾向がある。他の東北の地方と同じで、冬は雪でグラウンドを駆け回ることができないので運動量が冬は少なくなってしまう。山間部だと少子化があり小さな学校が統廃合になる。今まで通えていた小学校に通えず遠くの小学校に通うため、徒歩通学ではなくバス通学になり歩かなくなるんです。」
杉浦「山奥の子どもたちって山を二つぐらい超えて通学しているイメージがありますけど、便利になりすぎたんですね」
中西「震災以降に輪をかけて低下するということもあるんですか」
小川「震災以降、さらに低下している部分については、震災後の福島県は放射線被害が影響して、半年間くらい屋外での活動を自粛する措置を取りました。それ以前も悪かったのがさらに輪をかけて低下してしまったというのがあります。実は震災直後の平成24年データより、その翌年、また翌年のほうが更に体力が低下したという事実がある。それはなぜかというと、半年間で屋外での活動制限はなくなったのですが、小さい頃に学校からまっすぐ家に帰って外で遊ばないという生活習慣、運動しない習慣が子どもたちの当たり前の生活になりかけていて、外で遊んでもいいんだよと言われても、お家の中でテレビとゲーム、脇にはポテトチップスがあるということで、肥満状況も悪くなってしまった。」
杉浦「親も、子どもがゲームをしている方が、やることもいっぱいあるし・・・(助かる)ってなっちゃうんですよね。休みの日なんかは山に行けば楽しいこともいくらでもあるのにもったいないですよね。」
小川「そうですね。だからこういう場を活用しながら親子一緒に表に出て、子供同士も遊ぶし、親とも遊ぶというのが求められているのかなと思います。」
中西「県内の学校での対策は」
小川「福島県と大学で共同して、体育の授業の最初の10分間は、全授業で同じように同じプログラムで、犬走りやアザラシ歩きなどいわゆるコーディネーショントレーニングみたいなことを、どんどん太鼓を叩きながら運動させて、ハアハア息が上がる時間を作ろうということで活動しています。」
山間部の学校に通う子どもたちのほうが、運動不足になりがち・・・というのは考えたことがなかったですよね。バス通学、バス下校になると、下校時間もバスの時間を気にしなければいけない。そうなると、下校前に校庭で遊んで帰る…ということも出来ないそうです。震災や原発事故だけでなく、子どもが元気に遊ぶ環境づくりにはいろんな課題があるということや、それに対する福島県の取り組みもわかりました。
明日もふくしまキッズフェスタのトークイベントの模様をお届けします。