2019年12月4日

千葉白浜の老舗旅館「紋屋」?

今朝も、千葉県・南房総市・白浜(しらはま)にある老舗旅館「紋屋」の完全復旧へ向けた動きをお伝えします。

台風15号の甚大な被害から3ヶ月が経過しました。紋屋は復旧が急ピッチで進み、12月中旬には2階の部屋が再開。来年2月にはすべての部屋が宿泊可能になる見込みです。

ただ、復旧がいくら進んでも、被災直後にたくさんのメディアが報じた「印象」は、払しょくできていない・・・紋屋の女将・高尾葉子さんは、そう話します。

◆終わらぬ風評と、温かい支援
とにかく風評被害で、(部屋が)開いてもお客様が金曜か土曜ぐらいしかいらっしゃらないんですけど、とりあえず一部でも開いただけでもありがたいことです。私はそのあいだもほとんど、予約が入っていたお客様に「申し訳なかった」「こういう状態なんですけどぜひ応援してくださいね」というお便りを、おなじみ様に1人ずつに差し上げていました。それを見たお客様や小さいお子様からお便りが来て、500円玉が4個入っていたりとか。実際に宿に来てくださった方もいました。最初は顔を合わせると抱き合っちゃうみたいな感じで「大変でしたね」と。そういうことで何とか元気を取り戻せて、頑張んなくちゃいけないという気持ちにさせられました。。2ヶ月も休業するのは初めての経験なので、本当に初心に帰ってお迎えすることができる喜びを味わっています。ただもうちょっとお客様が来てくださらないと、本当に暇な状態になっています。今回の台風は、私たちの宿だけではなくて地域全体を暗くしている感じですね。本当にこの状況を打破するのは大変だと思います。春には花のシーズンを迎えるんですよね。でも台風が来るとお花が塩害で咲かないんです。そのせいで2月から3月にいつも花を見に来る方が来なくなったりするとやっぱり静かになってしまいますし、おそらく社長の見通しではゴールデンウィークが過ぎるまでは、元に戻らないだろうと。


今回の取材の印象では、南房総全体で観光施設は復旧がかなり進んでいて、みんなお客さんを待っているようでした。ですから気兼ねなく、観光を満喫できます。ちなみに千葉県はこの時期、全国有数の水揚げを誇る伊勢海老が美味。冬の海の幸をめいっぱい満喫できます。房総半島最南端・白浜は、太平洋をパノラマで一望できるロケーション。紋屋の女将・葉子さんは「特に満月の夜は、素晴らしい景色が楽しめます」とおすすめしていました。

ちなみに、紋屋には、東日本大震災で被災した経験のある方々からたくさんの支援があったそうです。災害の経験が支援の輪につながっていることも伝えておきます。

2019年12月3日

千葉白浜の老舗旅館「紋屋」?

今朝も、千葉県・南房総市・白浜にある老舗旅館「紋屋」の完全復旧へ向けた動きをお伝えします。

台風15号の猛烈な風によって、屋根のほとんどを失うという大変な被害を受けた紋屋ですが、県外からの建設業者の協力などもあり、いま、急ピッチで修繕が進んでいます。


ということで紋屋、すでに一部の部屋は宿泊が可能です。そして全面復旧のめどなんですが、4代目ご主人・高尾憲資さんは、こうおっしゃっています。

◆ようやく完全復旧へめど
今も工事中ですけど、ロビー周りと廊下、それから階段はとりあえずきれいになったところです。客室は被災した1階、2階の客室はまだ全然お泊まりいただける状態ではなくて、今ちょうど2階の工事が佳境に入っているところ。12月中旬ぐらいにようやく2階がオープンです。客室が全部リニューアル、再スタートできるのが2月でしょうか。もともと被災していない部屋が13あるんですけど、工事の業者さんが泊まっていたりするので実際にお泊まりいただけるのは、ひとけたですね。業者さんのほうもやっぱり地元の業者さんではなく遠くからいらっしゃるので、いま上の階は神奈川の業者さんがやっています。屋根をやっていただいたのは群馬の業者さんですし、そうせざるを得ないんです。地元では手当てできない。この辺はほとんどのところが被災していたり、いまだにブルーシートがいっぱいかかっているところもあるので、どうしてもそういうところに地元の業者さんは追われてしまうので我々のところはなかなか来てくれないというか。被災したことは何度かありましたけれども、部分部分で営業をしていたのがほとんどなんですね。今回みたいに2ヶ月以上休館しているのは初めてなので、いわゆる設備投資に伴う資金と、給料であるとかそういうものもキャッシュアウトするわけなので、そういう意味でのお金のやりくりは非常に頭が痛い。収入がないことに対して暗たんたる気分になりますね。


また、紋屋は20人以上のパート従業員を雇っていますが、現状は休暇扱いになっているといいます。「地元の雇用を支える宿」としての悩みも続いているようです。ただ、高尾さんのおっしゃっていたように12月中旬には宿泊できる部屋数も大幅に増える見込みということで、興味ある方はぜひ南房総へ足を運び、紋屋のおもてなしを受けてはいかがでしょう。

★紋屋サイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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