2016年11月24日

11月24日 東松島「福幸まつり」レポート(3)

宮城県東松島市で先週末に行われた「ひがしまつしま 福幸まつり」からのレポートです。


仮設住宅から集団移転する野蒜住民のために造成された土地の、引き渡しがすべて完了。新たな町のスタートを記念したこのイベント。野蒜駅前の会場には、地元産品の物販ブースもたくさん立ち並び、賑わっていました。その中には、この地域の生活にずっと寄り添ってきた、野菜直売のブースもありました。

◆仮設住宅に地元野菜を
野蒜野菜直売部会の小山ともうします。野蒜地区の野蒜駅前にNマップという直売所があったのですが被災して野菜を売る場所がなくなったもんで、週に2回クルマに野菜を積んで仮設住宅などを回っているんです。買って頂いている人はお年寄りが多いので、家まで訪問して売るという形でやっています。このとおりここも土地が引き渡されて、次々に家が建つけどまだまだ時間がかかる。そのあいだはやっぱり私たちが売りに行くという形でやっています。(仮設住宅がなくなるまで?)仮設が無くなって住民が移転しても、ここにスーパーができる予定は今のところない。薬局・ドラッグストアが町内で1軒できるので、この辺にはお店もないことからドラッグストアに野菜や調剤薬局、日用品も扱うという。そこに野菜の直売も入るということなのだがまだ話は進んでおらず、これから。(ここらへんに住宅は建ちますがどこに買い物に行くのでしょう?)野蒜には店が一軒も、コンビニもないので、隣町の矢本か松島町、石巻でしか買い物できない。やっぱり待ってくれる人がいると思うと辞めるにやめられないだろうな。できるだけ続けていきたいです。(この時期の野菜のおススメは)白菜も大根もネギも葉物のほうれん草も100円〜150円の値段しかついていないのでお買い得。今日はずいぶん売れました。



イベント会場となった高台の野蒜駅周辺はいま、区画分けされた真っさらな土地が広がっています。これからここに、家が建ち、新しい「町ができる」ことになります。ただ、いまのお話に合ったように、“町”はそれだけでは、成り立たないんですね。東松島市復興政策部 都市計画課 五野井盛夫さんの話です。

◆「生活ができる町」へ
高台移転で戸数が278戸、災害公営住宅が170戸という数字で500戸に至っていない。500戸以下では商店の営業は非常に難しい。それで福祉系の病院診療所が歯医者さんを入れて4軒。調剤薬局は1つでよいという話となり、それを核としたドラッグストアに物品販売を行い、地場産の野菜販売する商店を1つ立ち上げるということになる。それも早く住宅や災害公営住宅が建って利用されないと運営は厳しい。そこは一斉に完成すればいいなと思っている。高齢者の方は公共交通機関を使ったり、災害公営住宅も絡めて無料バスの運転もしているが、その継続の問題が多々ある。まだまだ町ができて敷地ができればよいという問題ではなく、それぞれの人たちが生活していけるカタチができていない。それを早く進めるように下地を用意するのが私の仕事。そのようになっていけばなと思います。


人口が少ないと、採算が合わずお店を建てるのも大変というのは、あまり考えたことのなかった事実です。
一方、お話に出てきたが野蒜地区で、野菜作りをしていた農家さんたちは、今は仮設住宅を売り歩いているという。地域の生活の大事な役割を担うこの方々が、ご商売できる環境づくりも急務です。

明日も、東松島市の福幸まつりのレポートです。

2016年11月23日

11月23日 東松島「福幸まつり」レポート(2)

(※22日あさに発生した福島沖を震源とする地震、津波の情報をお伝えしたため、この放送は1日延期して23日OAとなりました)

引き続き、宮城県東松島市で週末に行われた「ひがしまつしま 福幸祭」のレポートです!
     
このイベント、東松島はもちろん、東北各地から、美味しいグルメのブースもたくさん出店。その中には、この番組で何度も紹介している、東松島市・大曲浜でおじいさんの代から続く、海苔漁師 相澤太さんの海苔を使った「海苔うどん」もありました。


この海苔うどん、お土産の乾麺などもあるのですが、東松島市・矢本にある「ちゃんこ 萩乃井」の人気メニューになっています。ということで、萩乃井ご主人が自ら、海苔うどんをお客さんに振る舞っていました!

◆復活した海苔うどんで町を元気に!
(こんにちは〜)はいこんにちは!(元気がいい!)はい、元気がとりえです。うちはちゃんこ萩乃井です。ちゃんこ鍋やなんですけど、東松島で作り上げた海苔うどんを今日はみなさんに提供しようと来ました。(どこの海苔を使っているんですか)大曲浜の、皇室献上品をうどんに練り込んで作ったやつ。相澤太の海苔ですよ〜。(震災後に生まれた)震災前なんです。震災前にできたけど、震災で何百キロと抱えていた海苔を全部流しちゃったんです。その2年後にようやく海苔が獲れましたので、また復活しました。まだまだ震災前には戻っていないですけど、海苔種が少ないので。これからもっともっと獲れるようになるんじゃないですか。大曲浜というのは6年連続で皇室に献上されている海苔なので。ですから私は、それに押されたような気がしますね。それでもって観光客がにぎわう町づくりができれば、全体が活性化するんじゃないかという想いでやっています。



焼きたてのホタテいかがですか〜(いい色に焼けてますね)とっても美味しいですよ、プリプリのホタテ。醤油焼きですね。となりで殻付きの牡蠣を販売しているんですけど、東名の生産者がみんな集めて、1袋1000円(12個) (お安い〜♪買っていく〜♪)結構お得な。(今年は台風の被害があって)その台風で全体の半分以上がやられてしまって。うちも半分くらいはやられちゃって。でもそこから生産者が自分のだけじゃなくて、みんなで全体を、余っているもので今シーズンも頑張らなきゃっていう気持ちがすごくあったので、なんとか今シーズンに間に合ったという感じです。(じゃあ育ちとしては遅くなっちゃった分いつもより小さい感じですか)いやそんなことはないです。海の栄養も例年並みで、台風の影響があっても海の栄養ってすごいんだなと。野蒜海岸の沖合なんですけど。

海苔うどんブースのすぐそばで、焼ホタテの網焼きをやっていたのが、東松島市・東名地区の牡蠣漁師、木村幸喜さん。こちら東名の牡蠣は、成長途中の牡蠣を一度選別する手法で、身がぷっくり。最高のブランド牡蠣として人気です。

さらに、東松島のお隣。石巻の生産者の方も、美味しいモノとともに応援に駆けつけていました〜!

◆農家の努力の成果を味わって!
JA石巻 成瀬営農の横山ともうします。やっと本来の復興に近づいているなと。嬉しい気持ちもあるし、友人、会社の同僚、先輩が亡くなっているので・・・そうですね、長かったなという気持ちも両方ありますね。でも嬉しい方が強いかな。うちの方で今回出させていただいているのが、JA石巻のなっちゃ市場ということで、地元のとのさまネギ(下仁田ネギ)なんですけど、生産者の数も少なくなっちゃったんですけど、殿様ネギって茎が太くて甘くて、焼いてもトロッとして美味しいし、お鍋でも煮崩れしないで美味しいおネギができましたので、みなさんに食べて頂きたいなと思って。今まではやっぱり除塩で大変だったんですけど味わって欲しいと持ってまいりました。(畑も大変だったんですね)田んぼばかりに目が行くかもしれないですけど、畑も塩分があってもいけないものもあるので、そちらの農家の皆さんの方が苦労なさったんじゃないかと思いますけど、でもここまでこぎつけられたのは皆さんの努力のたまものですので、ぜひ味わってください。


そのほか、野蒜のやさい直売、女川のサンマ昆布巻き、イカ焼き、たこ焼き、東松島の地ビール、ご当地グルメ「だまこ汁」・・・たくさんのグルメブースで会場は賑わっていました。本当に、東北の食べ物の美味しさ、豊富さ、そして底力を感じるイベントでしたよ!みなさんも、現地へ行って自分の舌で確認して下さい!

明日も、東松島市の福幸まつりのレポートです。

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パーソナリティ 鈴村健一

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