2016年12月31日

12月30日 南三陸町「さんさん商店街」最終日

今朝は、12月31日で営業を終える、宮城県南三陸町の「さんさん商店街」についてお届けします。
東日本大震災の翌年に立ち上がった、南三陸町の復興のシンボル「さんさん商店街」。当時、まだ瓦礫が残っていた荒れ地に、30軒のお店が軒をつらねる仮設商店街として開業しました。なかでも美味しい南三陸の海の幸を提供する飲食店は人気になって、季節ごと年4種類が提供される「南三陸きらきら丼」は、これを目当てに南三陸を訪ねる人が増えたほど、注目を集めました。

そんな「さんさん商店街」を、ここまで中心になって引っ張ってこられたのが、地主で季節料理のお店「志のや」を営む、高橋修さん。津波にのまれながらも、奇跡的に命を拾った体験をお持ちの方で“助かったのは、この町の復興のために力を尽くせということなのだろう”と自分に言い聞かせて“やれることは何でもやる”とお話しされていたのが印象的でした。

いよいよかさ上げ工事が進んで、来年3月3日に本設商店街が開業するのに伴い、明日営業終了を迎えます。先週、南三陸町の高橋さんを訪ね、お話しを伺いました。

◆「涙が出てきます」
ホッとしているというのが本音の部分で、なんでかというと、ウチの仮設商店街は、30軒でスタートして、30軒で終われるんですよ。だから1軒も頓挫することが無くて、あんだけのお客さんが来てもらってお昼のにぎわいを見ると、涙が出てきますよね。そうですね、やっぱり先頭に立った人間としてはやっぱり責任がありますからね。仮設ということはいつか本設を迎える。オープンの時は大雪が降って、まわりは瓦礫だらけで、“こんなところに本当にお客さん来るのかよ”っていう、皆も不安を抱えたところでスタートしてますから、終わりにもこんなにお客さん来て、あんだけのにぎわいがあるっていうのは、結果とすればすごい成功ではないかと思ってますよね。(今日私も志のやさんでランチをさせて頂いて、たくさんお客さんいらしてましたし、高橋さんに会いに来てるというか、名残惜しくて皆さんめしあがってるんだなって感じがしました)残り一カ月ってなった時に、秋田・山形・東京・大阪だったり、お土産もって、「あと一か月だね、ところで次の店いつオープンする?」っていう話のためにわざわざご飯を食べに来てもらって、なんとも得難いものだなと。あの和歌山からウニ丼を食べに来て頂いた30代くらいの人が「今日どこか泊まられるんですが?」って聞いたら「いや帰ります」って。和歌山から日帰りだったんですよ。「3年続けてここに来てます」って。感動しますよね。あとは神奈川の人がイクラ丼を食べて溜息をつかれたんですよ。なんか不手際があったのかと思って心配して「どうかしましたか?お口に合いませんでしたか?」って聞いたら、いや違うんです。これできらきら丼を完全制覇だと。4種類9店舗ぜんぶ食べた。3年かかったと。津波でいっぱい失ったものもあるんですけど、人のつながり的には財産がいっぱい増えたっていうか、数え切れないくらい増えました。(で、いよいよ2017年3月に本設がオープン。高橋さんそちらへは?)いまの「さんさん商店街」の仮設の店舗の中に自分の昔の店舗があって土地が残ってるので前の形でやりたいというのも有りますし、この5年間でいろんなものを伝えたつもりですし、そこから色を付ける、膨らますのは次の世代の子たちがどんだけ頑張るかということだと思うんです。だから自分たちで発信していかなきゃダメだぞと。(ということは高橋さんの志のやは新しい商店街には行かないと。次はいつオープン?)だいたい7月くらい。(看板メニューは?)そうですね、きらきら丼の中でもイチバンのうに丼からスタートするってことで、また違った提供の仕方が出来ないかと。ネタは小出しにしていきますが・・・(きらきらうに丼の違った出し方すか!あれ以上があるんですね?・・・ちょっと)いやこれはオープンまで・・・


「さんさん商店街」は明日で終了。本設の商店街は、来年3月3日(さんさん)にオープン。
志津川のグランドデザインを手掛ける建築家・隈研吾さんが商店街も手掛けます。
そして「志のや」は、今の仮設の商店街がある場所に、7月ごろに再建される予定です。

2016年12月29日

12月29日 南三陸町・三浦さん一家(住吉美紀レポート)2

引き続き、宮城県南三陸町からのレポート。

中西哲生とともにお聴きの放送局の年末年始特番を担当するフリーアナウンサーの住吉美紀さんが取材した、南三陸町・三浦さん一家の「いま」です。

南三陸町・志津川の高台に建てられた、仮設住宅での暮らしが続く三浦さんご家族。すでに長男・次男はそれぞれ、就職や進学で地元を離れ、一人暮らしをしています。

お子さんが家を出て独り立ちしていく中、高台移転して、新居をこのまま建てて良いのか。お母さんの夕さんはまだ決めかねていると言います。そして、三浦家の末っ子、紡さんも、あと数年後には進学、就職の時期を迎えます。

◆ここを離れたくない、という気持ちもある。
住吉:いま紡ちゃんは高校1年生。学校はどお?
紡:まあ充実しているんじゃないですか(笑)楽しいは楽しいですね。
住吉:年が明けると高校2年生に。そろそろ将来を考え始めていますか。
紡:一応考えているんですけど、よぐわがんなくなってきて。絵を描く仕事やりたいなと思っているんですけど今じゃちょっと厳しいなと思っているので、ちょっと考え中ですね。技術がないので。
住吉:ん?お母さんのスマホの中に紡ちゃんの描いた絵の写真があるの?(※紡さんの絵を見て)ええ、上手〜!! プロみたいじゃない!! 上手いよ。鉛筆と水彩かな。
紡:それは水彩、色鉛筆で練習みたいな感じで描いたんですけどあんまり上手くいかなくて・・・。
住吉:上手いよ、上手上手。諦めなくていいんじゃない?簡単に。
紡:周りと比べたらダメですよ。
住吉:人と比べなくていいんだよ、大丈夫大丈夫。
紡:そこは比べないとダメです。
住吉:でも将来は分からないから、諦めないで頑張って。さっき、新聞配達のバイトをしていると聞きましたけど、どこに配達しているんですか。
紡:中学校と仮設住宅内ですね。
住吉:自分が住んでいる仮設に配達を。いま寒いでしょう。
紡:大丈夫は大丈夫。ダッシュして配っています。

住吉:お話していると、親子仲良しですね。
夕:狭い分密着度が高いんですね、お部屋が狭くなっちゃったので。それだよね。離れるスペースが無いというか、各仕事が無いというか・・・。
紡:はぁ?(笑)
夕: 上の2人もこんな感じだったので狭くてもね。いま部屋が本当にないんです。2番目の受験の時も集会所を借りて勉強スペースにしていたり。
住吉:みんなで受験を応援する、サポートするということですか。
夕:そうですね。だから仮設でも会長さんが「いいから使え使え」と言ってくれて借りて使ったり。そういう意味では色んな人に支えられたかなって思っていますね。だから昨日も寂しいねって言っていたんです。別れるのが寂しいね、新しいところに行っちゃうと。
住吉:そういうのがあるんですね、ここでまた思い出が積み重なっているので。
夕:そうなんです。このまんまでもいいよね、と言っていたり。ね、ここでいいよねって。



仮設住宅で、寄り添って暮らす中で生まれたコミュニティを離れたくない…こういう声も、各地の仮設住宅であったと言います。仮設を出た後に、孤立する方が出ないようにすること、これも今後の生活再建の大きな課題です。
そして三浦さんは、仮設住宅の入居を、平成30年3月まで延長申請しており、再来年の春には仮設を出ることに。その頃には、紡さんは高校2年生から3年生にあがることになります。

そして、今回レポートしてくれた住吉美紀さんと、中西さんは、大みそかのJFN年末年始特別番組で、パーソナリティをつとめます。「JFN年末年始特別番組 Next Future 〜こどもたちの未来へ〜」。
リオオリンピック銀メダリスト・陸上銀メダリスト・山縣亮太選手はじめアスリートのインタビュー、東北や熊本の取材の様子も交えながら、行く年を振り返り新年を迎えます。放送は大みそか、夜11時スタートです。番組ではメッセージも募集しています。2016年のマイベストニュース・子どもたちへ伝えたいメッセージを送ってください。抽選で10名の方に、5000円分のクオカードをプレゼントします。詳しくは「NEXT FUTURE こどもたちの未来へ」番組特設サイトをご覧ください。
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パーソナリティ 鈴村健一

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