2017年4月6日

4月6日 ISHINOMAKI2.0 松村豪太4

震災直後に立ち上がった、地元の若い世代・ボランティアによる町づくり団体「ISHINOMAKI2.0」。“世界一面白い町”を目指す彼らの活動で、町には、「ローカルベンチャー」…つまり、地方ならではのニッチな市場に、斬新なアイデアで立ち上げた様々な事業が 成果を上げつつあります。

また一方で、“観光”という面でも、前代未聞の新たなチャレンジがこの夏、石巻で行われます。7月からスタートする、「アートフェスティバル」です。
今朝も「ISHINOMAKI2.0」代表・松村豪太さんに伺いました。

◆街全体がモザイク模様の石巻を楽しんでほしい
ガチのチャレンジャーに心から来てほしい。石巻は本当に単純に面白い状態に、6年目にきてなっている。街自体が良い意味でモザイク模様になっているというか、当たり前の土地の使い方とは違う使い方、空き家の使い方が実験的にできていると思います。移住してきた人の暮らしぶり、作っているスペースも単純に面白くておしゃれで。1階は石巻の若手の料理人がすごく素敵な飲食店を構えて、2階は移住者のシェアハウスになっているような建物になっていて、それが良い町の景色を作っているんじゃないかと思う。そしてそういう人に会いに来てほしい。松川横丁 COMICHI石巻という施設でして、僕らの仲間の東工大の真野先生という石巻2.0を一緒に立ち上げた先生が、地元の地権者と2011年からワークショップをやって、こういう施設があったらいいねというデザインゲームをやって、それが5年目にして実現して松川横丁となったり。その管理を「巻組」の渡邊享子さん・・・うちの奥さんがやっていたり。入居者の暮らし方、共有スペースでやるイベントしたらどうだ、こういうお料理を一緒に作ったらどうだと、アイデアを出し合っているのが素敵な空間になっている理由かなと思います。

◆芸術×音楽×食で彩る新しいお祭りを東北に
あとはこういうオープンな雰囲気からいろんなつながりができていて、音楽プロデューサーの小林武史さんともこの石巻で縁を持たせて頂いて、小林さんのapbankと石巻2.0で、今年の夏にはリボーンアートフェスティバルという大規模な芸術祭を行う。7月22日から9月10日で。そういうアートフェスもこの町を訪れるきっかけとしてもらって単純に楽しんで、単純に美味しいものを食べて飲んでほしい。ちょっと東京では見たことがないな、なんだこの変な具合はという面白さに触れてほしい。


お話に出てきた、小林武史さんのapbankとコラボしたイベント、7月22日からの「リボーンアートフェスティバル」。
こちらは現在、パートナーとして協力してくれる飲食店や、ボランティアスタッフ「こじか隊」を募集中です。
詳しくは公式サイトをご覧ください。

LOVE&HOPE。来週はIshinomaki2.0の活動をきっかけに、石巻で実際にローカルベンチャーを立ち上げたメンバーのインタビューをお届けします。

2017年4月5日

4月5日 ISHINOMAKI2.0 松村豪太3

引き続き中西哲生が取材した、宮城県石巻市の町づくり団体「ISHINOMAKI2.0」の「いま」お伝えします。

震災直後に立ち上がった、地元の若い世代・ボランティアによるISHINOMAKI2.0。“世界一面白い町”を目指し、次々と新しいプロジェクトを生み出しています。きのうは、石巻の家具メーカー、ITの研究開発、カッコイイ漁師を生み出す企画・・・など震災後に立ち上がった「ローカルベンチャー」の動きをご紹介しましたが、具体的にIshinomaki2.0では、このローカルベンチャーの誘致を、どのようにサポートしているのでしょうか。
代表・松村豪太さんに伺いました。

◆行政・商工会との連携へ
(※聞き手:中西哲生)
いま石巻市と連携して、コンソーシアムを組んで若者の移住やローカルベンチャーを石巻が応援するという事業が始まっている。「ハグクミ」というコンソーシアムなんですが、構成メンバーはまず僕らISHINOMAKI2.0、建築のバックグラウンドを持った人間。あとは移住コンシェルジュというのを設置して、地元の人間やUターンで戻って来た人間が、石巻をおせっかいにいろいろ連れまわす仕事が生まれています。さらにISHINOMAKI2.0から独立した出る杭の若者3人が立ち上げた「巻組」という建築・デザインで勝負しているチームがあり、空き家の回収や不動産の新しい使い方を考えていたり。その巻組のフィールドで新しいチャレンジャーが集っていたりとか。そういう広がりが心強く思っていますね。(そういうことを子どもたちにいしのまき学校で伝えることも、新しいアイデアを生み出す子どもが生まれることになるのでは) 既存の職業カタログでどこを選ぶかということだけじゃなく、自分で職業を作っていかなきゃいけない時代だと思うんです。いしのまき学校はそういう町の面白い人、変な人、カッコいい人を先生として学びのプログラムを作っているんですね。ですから新しいチャレンジャー・・・介護の分野や漁業、農業で、メラメラ燃えるような人に来てもらって話を聞かせてもらったり、あるいはその現場に高校生が行って一緒に活動するといったことをプログラムとしてやっています。こないだもいしのまき学校も参加して、教育シンポジウムというのをやったんですが、そこに来たゲストの先生が言っていたのが「いまある職業のリストは30年後には8割が無くなっている。だったら自分で今こそ考える力や表現する力、あるいは新しいものを生み出す力が必要だよね」ということを話していて、本当にその通りだと思いましたし、いしのまき学校はそういう場でありたいなと思っています。(行政、学校、教育というところまで来ていますが将来的には) このフェーズで、行政や商工会議所など大きな組織とのタッグというのが本格的に組みだせているんですね。いしのまき学校も最初は勝手にやっていたんですけど、ついに地元の市立高校の理解ある先生が繋いでくれて、地元高校で総合学習の授業を持たせてもらったりという連携ができてきていますね。




元々、ISHINOMAKI2.0は、震災直後、機能不全に陥った行政や、既存の町の有力者に頼らず、若者たちだけでアイデアを実現してきた団体です。しかし震災から6年。そうした若い世代が、行政と連携をするようになった。ある意味大きなターニングポイントになっているのかも知れません。
«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 378 | 379 | 380 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN