2017年4月10日

4月10日 ISHINOMAKI2.0 建築家・勝邦義さん1

ここからは、「LOVE&HOPE〜ヒューマンケア・プロジェクト」東日本大震災から6年。継続して東北被災地の「いま」をお伝えしているプログラムです。今週も、宮城県石巻市の町づくり団体「ISHINOMAKI2.0」の〈いま〉を伝えします。

世界一面白い町…を目指して震災直後に立ち上がった、地元の若い世代・ボランティアによる団体、ISHINOMAKI2.0。先日の取材では、メンバーの一人で、建築家の勝邦義さんにお話をうかがいました。


この方は、所属する設計事務所のボランティアとしてISHINOMAKI2.0に参加。横浜から石巻に通い続け、去年ついに、石巻で設計事務所を立ち上げ独立した方。こうやって、石巻に可能性を感じて活動拠点にしちゃう人は本当に多いそう。そんな、勝さんの今の役割について伺いました。

◆チャレンジできる町 石巻を目指して
(※聞き手:中西哲生)
移住者が増えて、今まで地域になかった仕事をたくさん作っている。そういった人たちの住まいや仕事、ローカルベンチャーと言った人たちを増やす窓口をしています。石巻には移住コンシェルジュが2人いて、石巻市と我々ISHINOMAKI2.0、古民家や空き家を再生する「巻組」、そして「イトナブ」というIT技術者集団でハグクミというコンソーシアムを組んでチャレンジできる街・石巻を売り出したいなと思っています。(具体的な勝さんの活動は)僕は元々設計が本業なのでその環境づくりなので、そういった環境づくりに関しては専門的な知見から色々やっています。移住・定住というのはもう古いと思っています。そう言われてもハードルは高いですし、そうじゃなくて通うような関わり方もあるんじゃないかと。週末だけ滞在して石巻で仕事をするということができる環境を整えるところに可能性を感じています。「チャレンジできる町 石巻」を売り出したいなと思っています。(目の前に模型があります)これは巻組が取り組んでいる古民家の改修事業。昭和の初期に建てられた土壁づくりの家がありまして、この場所自体が路地裏にあって、石巻駅から10分くらいの路地の奥、奥まった場所にあって、誰にも邪魔されずに捜索に打ち込める静かな環境だったんですね。だったら、この住宅を何かモノづくり、自分のやりたいこと、作りたいモノ、収集できるような環境づくりをして。陶芸も出来ますしなんでも出来る場所似できないかと考えて。アトリエつき、庭付き住宅として作っています(クリエイターの方々に?)週末に石巻に通ってモノづくりがしたい、こんなもんができるなら狩りてみたいという問い合わせはもらっているところです。



石巻には震災以降、若者の移住者が数百人は入居したと言われており、話にあったように、古民家を改装してクリエイターのためのスペースにする動きもどんどんすすんでいます。中には、築300年の古民家をリノベーションしてして、最新の3Dプリンタなどを設置、最新の技術を学べる施設なんかもすでに完成しているそうです。

ちなみに勝さんはまだ30代後半(1982年生まれ)!!この年令で、これだけ責任ある仕事、町そのものに関わるプロジェクトに関わっています。

明日は、勝邦義さんが石巻に自らの拠点をおいた理由です。

2017年4月7日

4月7日 富岡町復興の集い2017と桜イベント

今朝は福島県富岡町で明日8日に行われる「富岡町復興の集い2017」についてお届けします。

先週4月1日に、福島第一原発の事故によって出されていた避難指示が、帰還困難地域を除いて解除になった富岡町。町の再興はこれからようやく始まりますが、富岡町の名物といえば「夜ノ森の桜」。約2.2キロに渡る桜並木は町の皆さんの誇りでもありました。
避難指示が解除され、そして桜の時期を迎えた富岡町の“新しい出発”を祝う催しが「富岡町復興の集い2017」です。ようやく町へ帰ることが出来る帰町開始を記念する式典のほか、町内の中学校を会場に“桜イベント”も行われます。富岡町産業振興課・課長の、猪狩力さんにお話しを伺いました。

◆「桜は富岡町のシンボル」
今回富岡町、桜イベントということで、富岡第二中学校の校庭を使って桜を愛でながら芸能関係の歌や面白いお話を伺いながら桜のイベントを実施します。なおその桜、今日の時点で桜が咲き始めたというところまで来ましたので、今回8日のイベントの日は咲き始めという状況かと。そこから1週間くらいは桜を楽しめると思います。(震災前から)富岡町といえば桜だよね。という状況でありまして、昔から小さい時は学校に通う時は桜咲いているとこを通りながら通うとか、桜は切っても切れないもの。富岡町には「さくら」という名称のものがいろんな施設についている。富岡のシンボル的なものになっています。国道6号線から富岡第二中学校まで約2.2キロ、両側に桜が咲く、桜のトンネルになりますけど、実際そこを帰還困難区域に阻まれて今現在見ることができるのは約300メートル、100本ぐらいの桜しか見ることができない。その奥は相変わらず帰還困難区域になってまして、1.9キロ、320本の桜があるんですけど、立ち入りができない状態になっています。どうしても故郷に想いを馳せる方は「また富岡の桜が見たいね」といろんなお話の場面場面で出てくる状況です。


避難指示が解除されてから1週間。まだ町へ戻った人の数は300人程度なんだそうですが、明日は町外13カ所の避難所で暮らす町民の方を乗せて、16台のバスがやってきます。再会を喜ぶ方も多いのではないでしょうか。
そして町でも復興へ向けた動きが進んでいます。

◆「さくらモール富岡」がオープン!
いま富岡町は一部解除ということになりましたけど、その要因となったのは診療所ができて病院の役目を果たす、それから買い物をする場所が必要ということで、今回「トムトム」というお店を町が購入して、一般募集したネーミングが「さくらモール富岡」という名称になりました。その中でアンケートをとり、食料品スーパーが必要、ホームセンターがあったらいい、薬局があったらいい、などのアンケート調査の中で出たものを今回配置できた。さらに食事ができる場所ということで、以前やっていた店舗を再開したところ、年齢の上の方が「お袋の味を出したい」ということで「おふくろフード」というお店が出店したり、かなりにぎわっていて、町民の方に喜んでいただいている状況にあります。


富岡町に限らず、先週、避難指示が解除になった浪江町や飯舘村、川俣町の山木屋地区でも帰還者の数をどう増やしていくかがこれからの最重要課題。猪狩さんも“たとえ商業施設が開業しても、町に帰る人がいなくては商売が立ちいかなくなる。施設、雇用などを重層的に考えて、暮らしやすい町づくりをしていって、帰還者の数を増やすことにつなげていきたい”とお話しされていました。

「富岡町復興の集い2017」サイトはコチラから。
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パーソナリティ 鈴村健一

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