2017年4月12日

4月12日 ISHINOMAKI2.0 巻組代表・渡邊享子さん

今朝も、宮城県石巻市の町づくり団体「ISHINOMAKI2.0」の〈いま〉を伝えします。

地元の若い世代・ボランティアによる団体、ISHINOMAKI2.0。メンバーの中には、ボランティアをきっかけに石巻に移住した若い方が数多くいます。そんな一人が、合同会社巻組(まきぐみ)代表・渡邊享子さん29才。

巻組はISHINOMAKI2.0から生まれた、建築やデザインを専門とする集団。石巻の空き家のリノベーション、移住者のための新たな使い方の提案などを手がけています。ということでまずは、渡邊さんと石巻が「ツナガった」経緯から。

◆「居場所がある」ということ
(まず石巻にこられた経緯は)2011年の震災の時で、私は3月11日当初は学生で東京で就職活動をしていたんですけど、これからどうしようと悩んでいた時に震災があって就職活動が全部ストップしたんですよね。そんな5月に研究室のメンバーと石巻に来たのが一番最初ですね。心変わりをしたつもりは全然ないんですけど、もちろん最初の年は学生だったので学業をやりながら毎週石巻に通っていて、そのうちに、自分がいないあいだにも町が動いていて、一つ一つが楽しそうで、自分が石巻にいない時間がすごくもったいないなと感じるようになって、できるだけ長く滞在したいなと。(それを埋めるために最終的に移住を)そうですね。移住もそうなんですけど商店街でお手伝いしたお店が居候させてくれて。呉服店さんのテンポの裏側の着付けスペースに泊めて頂いていたんです。その居候生活もそれなりに楽しいし(笑)このまま滞在しちゃおうかなと結構軽いノリでした。(でもやっぱりそういう都会ではありえないかかわり合いとか、全然知らない方が居候させてくれたりということをどう想いましたか)まずお気持ちが温かかったですし、毎晩毎晩一緒にするお話が楽しかったですし。東京でもシェアハウスや寮に入っていたんですが物音を立てると怒られたりとか。近所の人の顔さえ知らないのが当然の中で、その距離感が暖かくて面白くて、居心地が良かったというのもあります。なんでしょう、若者自体がいることがその頃の町の人達にとってすごく特別なことだったようで。実際商店街は平均年齢が60才くらいの方々が運営されていて、そこに若い人がいるだけで雰囲気が明るくなるんだなという気持ちもありましたし。本当に就活の時の思い出とオーバーラップするんですけど、居場所ができるということ、ただそれだけで人の可能性って広がっていくんだとわかったのは、都会の環境と比べて田舎にいると、いるだけで必要とされているという実感があって、それはすごく応えたいなという気持ちにさせてくれました。

巻組の活動は、今月のこの時間になんどか取り上げていますが、例えば。番組ブログにもアップされているこの、「ハグロBASE」。

石巻の坂道の途中の路地にある、大変ふるい空き家を「住めるアトリエ」というコンセプトでリノベーション。
クリエイターが創作活動しながら暮らせる。元々の土間を活かしていて、でもイマ風のおシャレ空間ぽくて素敵。

そしてここにまた渡邉さんみたいな若者が移住するわけです。

明日も、渡邊享子さんのインタビューです。

2017年4月11日

4月11日 ISHINOMAKI2.0 建築家・勝邦義さん2

今週も、宮城県石巻市の町づくり団体「ISHINOMAKI2.0」のいまを伝えします。
ISHINOMAKI2.0のメンバーのお一人、建築家の勝邦義さんは、ご出身は名古屋で、2012年からISHINOMAKI2.0に参加。現在は独立して石巻にご自身の設計事務所を構えています。勝さんが石巻という町を活動拠点に選んだ理由はどんなものか。伺いました。


◆最初は建てないし何も作らなかった。
2012年にISHINOMAKI2.0というチームを僕が所属していた横浜の設計事務所ぐるみで立ち上げたんですね。その時に人がいないので、「ちょっと手伝って」というのが始まりだったんですね。そこから頻繁に石巻と横浜を行き来していて、二拠点居住みたいな感じになって、石巻に事務所を構えて独立しようと思ったのが去年の春先ですね。(事務所を石巻に構えようと思った具体的な理由は)チャンスが多いと思いました。新しくて誰も思ったことがないことをチャレンジしている人がいるので、僕自身が建築をやっていて、見たことがない、誰も考えたことがない建物の使い方や空間の作り方に興味があって、そういった人たちと一緒に場所や建物を考えたほうがなにか面白いものが生まれるんじゃないかと思ったから、石巻でやってみようと思ったわけです。でも実際には設計って大変な仕事で、労力もかかります。でもこういった町だと、自分が関わって暮らしている町がちょっとでも良くなると、そのまま自分に返ってくるので(笑)結局町づくりって人のためにやるとそんなによくないなと思って。少なくとも町を面白くする、町を変えることは自分の生活に直結することで、例えば町に新しくパン屋さんが出来たら嬉しいし、美味しいコーヒーやさんができたら嬉しいし。そうやってちょっとずつ自分に帰って来る所が良いなと思っています。(このあとはどういう風に)石巻だけでなく東北全部に関わりたいという思いがあって。いまその石巻でやったことを他の地域に行かせたらいいなと思っています。それこそはじめのうち、日本全国からそういう建設関係の人達がたくさん来たんですが、僕らが始めたことは、はじめの2〜3年は建てないし何も作らなった。復旧や復興、復旧という元あるものを戻すということに関わらないように決めながら2.0もやっていた部分もあって。でも今は復旧じゃなくて復興になってきて、これまで無かったもの、これから町に必要な物を建てようというフェーズになってきたので、ようやく改めて自分の職種を意識するよう担って、作るということを始めたという感じですね。


LOVE&HOPE。明日も、ISHINOMAKI2.0のメンバーと、石巻の「いま」お伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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