2017年5月10日
5月10日 3.11後の霊体験を聞く(3)
今週はノンフィクション作家、奥野修司さんのインタビューです。
奥野さんの著書「魂でもいいから、そばにいて 3.11後霊体験を聞く」 この本は、奥野さんが東北の被災地で聴きとった、いわゆる「霊体験」をまとめた一冊。
「津波で亡くなった兄からメールが届いた・・」
「亡くなったはずの息子のおもちゃが突然動き出した・・」
こういった、まさに不思議としか言いようのない霊体験が16エピソード綴られています。奥野さんが聞き取りをして感じたのは、亡くなった家族の霊体験を通じて語り手の皆さんが「生きる希望を得ている」ということでした。
◆「側にいてくれるあの子の魂のために」
最初はインタビューは1時間ということでお約束するが、1時間で終わることはまずありませんでした。いやいや語るのかなと思っていたら、そうではなくて、実は会ってみたら語りたくてしょうがないというか、霊体験だけじゃなく、霊体験にまつわる話を聞いてもらいたい、という感じでした。例えば亡くなったお子さんの話だったら、子どもとどんなことがあったかとか、生きているときはどんなだったかなど永遠と話をして、そして「その子が出てきてくれたのよ」とう感じ。また、ほとんどが一番落ち込んでいるときじゃなくて、一番どん底に行ってからちょっと頑張ろうかなという気持ちになったときに出てきてくれる、というケースが多かった。どん底のときに出てきたらたぶんお母さんは死んじゃうんじゃないか、ちょっと頑張ろうという気持ちになったときに出てきたのは、子どもが子どもなりにお母さんを励まそうとしているんだと、とかいろいろな意味づけも語ってくれる。語り始めると止まらないですね。
決してつらいというのではなく、霊体験をすることで「亡くなった家族がそばにいる」という気持ちになる。皆さん、津波に対しては不可抗力だが、特にお子さんを失くした方がそうなんだけど、後悔がずっと続いているんです。それが2年経ったから、3年経ったから時間で癒されるというものではなく、永遠に続いていくものだと思います。後悔は続いていく。それが亡くなった方がそばにいてくれるのなら、自分が頑張らないとどうするんだ、と。自分が頑張る姿を見れば、あの子も喜んでいてくれるはずだ、という感覚になる。もうどうなってもいいやと思っていた人が、側にいてくれるあの子の魂のために、自分が頑張る姿を見せてあげよう、という気持ちになる。そういった霊体験を通して生きる力を得たという感じをお話を聞いた人のほとんどの人に感じました。
奥野さんの著書「魂でもいいから、そばにて 3.11後の霊体験を聞く」のお話。
霊体験というと「怖い」と思ってしまいがちですが、そうではなく「側にいてくれる」「がんばらなくちゃ」と霊体験が生きる希望や生きる力につながっているお話が印象的でした。また奥野さんは「大切な家族との別れや悲しみは忘れられるものでないが、語ることで少しずつ癒されていく部分もある」とも話してくださいました。
『LOVE&HOPE』明日も奥野さんのインタビューをお届けします。
![](/cms/thumbnails/98/987ac242fa73c4dd0b4876993430ad92.jpg)
奥野さんの著書「魂でもいいから、そばにいて 3.11後霊体験を聞く」 この本は、奥野さんが東北の被災地で聴きとった、いわゆる「霊体験」をまとめた一冊。
「津波で亡くなった兄からメールが届いた・・」
「亡くなったはずの息子のおもちゃが突然動き出した・・」
こういった、まさに不思議としか言いようのない霊体験が16エピソード綴られています。奥野さんが聞き取りをして感じたのは、亡くなった家族の霊体験を通じて語り手の皆さんが「生きる希望を得ている」ということでした。
◆「側にいてくれるあの子の魂のために」
最初はインタビューは1時間ということでお約束するが、1時間で終わることはまずありませんでした。いやいや語るのかなと思っていたら、そうではなくて、実は会ってみたら語りたくてしょうがないというか、霊体験だけじゃなく、霊体験にまつわる話を聞いてもらいたい、という感じでした。例えば亡くなったお子さんの話だったら、子どもとどんなことがあったかとか、生きているときはどんなだったかなど永遠と話をして、そして「その子が出てきてくれたのよ」とう感じ。また、ほとんどが一番落ち込んでいるときじゃなくて、一番どん底に行ってからちょっと頑張ろうかなという気持ちになったときに出てきてくれる、というケースが多かった。どん底のときに出てきたらたぶんお母さんは死んじゃうんじゃないか、ちょっと頑張ろうという気持ちになったときに出てきたのは、子どもが子どもなりにお母さんを励まそうとしているんだと、とかいろいろな意味づけも語ってくれる。語り始めると止まらないですね。
決してつらいというのではなく、霊体験をすることで「亡くなった家族がそばにいる」という気持ちになる。皆さん、津波に対しては不可抗力だが、特にお子さんを失くした方がそうなんだけど、後悔がずっと続いているんです。それが2年経ったから、3年経ったから時間で癒されるというものではなく、永遠に続いていくものだと思います。後悔は続いていく。それが亡くなった方がそばにいてくれるのなら、自分が頑張らないとどうするんだ、と。自分が頑張る姿を見れば、あの子も喜んでいてくれるはずだ、という感覚になる。もうどうなってもいいやと思っていた人が、側にいてくれるあの子の魂のために、自分が頑張る姿を見せてあげよう、という気持ちになる。そういった霊体験を通して生きる力を得たという感じをお話を聞いた人のほとんどの人に感じました。
奥野さんの著書「魂でもいいから、そばにて 3.11後の霊体験を聞く」のお話。
霊体験というと「怖い」と思ってしまいがちですが、そうではなく「側にいてくれる」「がんばらなくちゃ」と霊体験が生きる希望や生きる力につながっているお話が印象的でした。また奥野さんは「大切な家族との別れや悲しみは忘れられるものでないが、語ることで少しずつ癒されていく部分もある」とも話してくださいました。
『LOVE&HOPE』明日も奥野さんのインタビューをお届けします。
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