2019年12月19日

ソフトバンク内川聖一選手の活動

きょうは、プロ野球・福岡ソフトバンクホークス 内川聖一選手が続けている東北・福島での活動をお伝えします。

内川選手は東日本大震災以降、東北に様々な支援を続けていて、2014年からは、福島各地で子どもたちのための野球教室を実施。6年目の今年は会津若松、いわきの2箇所で子どもたちと野球で触れ合いました。そして実は内川選手、野球教室のたびに、地元のかたの案内で、福島の復興へ進む姿を “学ぶ”活動も続けています。今年は田村郡三春町を視察した内川選手のお話です。

◆福島を「知る」ために
言葉を知っていても、実際なにが起こっているのかを説明してもらって初めて分かることっていっぱいあるんですよ。いかに自分の中であいまいな理解だったかを感じさせられましたし、その場に行って見て話を聞いて、そういうことが起こっていたんだと本当のことを知ることができるので。野球教室をやるだけじゃなくて本当に福島のことを想うきっかけも作ってもらっていますので、ありがたいと思います。


内川選手はこの活動、長く続けていきたいと考えています。来シーズンはプロとして20年目。福島で触れ合った子どもたちが「プロになる日」を待ち望んでいるといいます。

◆いつか同じ球場で・・・
いつかそうやって触れ合った子は、プロ野球選手という形で再開できると嬉しいなという想いもこれだけ長く続けさせてもらうと出てきますし、夢みたいな話なので、僕も現役を長く続けたいと思う理由の一つでもあります。僕にとって仲間が増えたような気がして、この野球教室に関わってくれている方々が毎年この日を楽しみにしてくれているというのはお聞きしますので、僕もそういう方々と顔を合わせるのは、一年頑張ったなという気持ちにもさせてもらえますし。立場的にもう1回レギュラーを取らないといけない立場になると思いますので、まわりが判断することに対して心を惑わされないように、自分がやれることをしっかりやりたいなと思いますし、きついときやしんどいときは福島の子どもたちが力を送ってくれるはずなので、前向きに野球をがんばりたいと思います。


こどもたちも、内川選手に教わった「キャッチボールはこころと心を通わせる」という教えをしっかり胸に刻んだようです。ただ残念ながら・・・子どもたちの多くは楽天ファン(笑)でした。ちなみにこの野球教室で内川選手は、子どもたちのリクエストに答えトスバッティングでは、なんと「予告・場外ホームラン」を放ち大歓声を浴びていました。やはり超一流選手!

2019年12月19日

大川小訴訟二審判決確定 遺族の思い

東日本大震災の津波で、児童74人、教職員10人が犠牲になった、宮城県石巻市、大川小学校。児童23人の遺族が、市と県に損害賠償を求めた訴訟で、去る10月、最高裁は上告を退け、市と県に約14億3600万円の支払いを命じた二審判決が確定しました。

学校の防災体制の不備がようやく認められたことになりますが、当時6年生だった娘のみずほさんを亡くした遺族の一人で、現在「大川伝承の会」の共同代表として、この場所での出来事を伝え続けている佐藤敏郎さんに、お話を伺いました。

◆「これがスタートライン」

「私は原告団ではないですけども、方向性は同じだと思っていて、いろいろ相談しながら、伝承についても検証についても進めてきました。私は教員でもあるので、あの判決を読めば読むほど、教員の誇りに向き合ってくれた判決だと思っています。よくあの判決で「学校の責任が重くなる」だとか「負担が増える」っていう人がいますけど、じつは逆ですよね。シンプルに“学校の先生がやるべきことをやりましょう”っていうことだと思うんです。分厚いマニュアルとか長時間の会議とか研修とか教育委員会の長々とした通達とか、それやめましょうってことじゃないかと思うんですよね。むしろ全国の先生たちは、あれで自覚を新たにしたと思います。スタートラインですよね。感謝しています。」




二審判決では、“校長らには児童の安全確保のため地域住民よりもはるかに高いレベルの防災知識や経験が求められる”とも指摘。まさに佐藤さんの言うように、“学校の先生がやるべきことをやりましょう”ということが示されました。

いまも被害に遭ったままの姿を遺す大川小学校へは、全国から多くの方が訪れ、佐藤さんはじめ「大川伝承の会」の皆さんは、語り部として、
ここで起きたことを伝え続けています。傷みがひどくなる一方の校舎。二審判決確定によって、保全が進むことにも、佐藤さんは期待を寄せています。

◆「大事なのは津波だけじゃない」

「1月に整備計画っていうのが公表されたんですけど、すごく表面的な計画だったような気がするんです。なんといっても「学校防災」「防災教育」っていう言葉が入っていないんです。津波の恐ろしさを伝える施設だっていうのがすごく強調されていて、でもここで案内をしたり考えたりするたびに思うんですけど、本当に恐ろしいのは津波だけじゃないような気がして、簡単に登れる山があったのに時間もあったのに情報もあったのに、動けなかった油断であるとか、あるいは組織とか立場とか、その場の空気とか、恐ろしいのは多分そっちの方ですよね。で、それに向き合って、命を守る、本当に大事なのは何なのかっていうのを考える伝える場所だと思っているんですけど、そういうことが入っていない。それはもしかしたら、裁判中っていうことももしかしたらあったのかもしれない。裁判が終わるまで何もできませんっていうことがすごく多くて、話し合いも出来なかったです。」


保全計画の全貌はこれから明らかになっていきますが、今回の二審判決確定によってそれが加速していくのかもしれません。それが悲劇を繰り返さないための学びの場としての保全であることを願ってやみません。
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パーソナリティ 鈴村健一

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