2017年6月6日

6月6日 AKIU WINERY(2)

昨日に引き続き、仙台市秋保町に震災後誕生した『AKIU WINERY』のレポートをお届けします。

オーナーの毛利親房さんは、ぶどう栽培に適した気候・風土を求めて谷と川に囲まれた秋保温泉郷をワイナリーの地に選びました。2015年12月にオープン。ぶどう畑にはヨーロッパの品種、シャルドネ、ピノグリ、メルローなど15品種が植えられ、去年はじめてこの畑から採れたぶどうによる、ワインの生産も始まっています。

◆「地元でワインを作って地元の食を応援したい」
(高橋:畑を見せていただいて、毛利さんエキスパートなのかなと思ったのですが、もともとワインを作られていた?)いえ、ワインは始めてから3年目ですね。以前は設計事務所に務めていて建物の設計とかいろんな企画をしていました。(その毛利さんがなぜ今ワインを?)自分が設計を担当した施設に女川の「ゆぽっぽ」という温泉施設があったんです。今は震災後に新しくなったんですけど、震災前のを担当していてよく女川に通っていて、震災があってやっとガソリンが手にはいって女川へ行ったときに、建物どころか女川の街がなくなっていた。僕が行った頃はまだ地元の消防団の方が泣きながら遺体捜索をしていて、それを見ながらなんとかしないと宮城は立ち直れないなと。会社もいろんな組織に属しているので復興会議とかに出ると、今までお会いしたことなかった漁師さんや農家の方にも話を聞くことができて、漁を再開したけど売る先がないとか、風評被害があって農産物が売れないなどの声があって、食を応援したいなと思ったんです。被災自治体も復興計画を作るタイミングで何かアイデアないですか、というのでいろんな復興提案を考えたんですね。その中の1つが「地元でワインを作って地元の食を応援しましょう。ワインというのはものすごく食との結びつきが強いのでワイナリーも増やしてワインツーリズムを始めよう」、と提案してたんですけど。どこもやらなかったので、じゃぁ自分たちでやろうと。でも実は僕はほとんどお酒が飲めなくてワインも知らないんだけど、建物を建てるのはやってたので、小規模のワイナリーなら全然難しくないなと安易に考えてしまったんですけど、実際に始めてみるといろいろ難しいこともたくさんあって。今は経験者も仲間に入ってくれてちゃんとワイン作っていますけど。そのように言い出しっぺが始めたという感じですね。


「提案したけど誰も作らないから、じゃぁ自分たちで作ろう」そのような想いではじまったワインづくり。ですが相手は「自然」そのもの。たくさんの困難があったそうです。一時は諦めかけた時もあったようなのですが・・・続きは明日お伝えします。


AKIU WINERY 公式サイト

2017年6月5日

6月5日 AKIU WINERY(1)

このコーナー宛にメッセージいただきました。
◎東京都 37歳会社員 「こぐっち」さん
「この週末で仙台の秋保にある「秋保ワイナリー」でぶどう畑のお手伝いをしてきました。秋保でワイン産地の形成と地域振興を掲げたワイナリー、魂を込めながら苗を植えました。
オーナーの毛利さんは震災前の女川ゆぽっぽの設計をされていたとか。その女川や南三陸とも連携して、グルメのコラボイベントなどの構想を伺うなど
貴重な時間を過ごすことができました。よかったら沿岸部だけでなく内陸の取り組みも取り上げてはいかがでしょうか。」


秋保といえば秋保温泉が有名ですが、そこにワイナリーがあるのは知りませんでした。そこで仙台から車で30分、オーナーの毛利親房さんを訪ねて「AKIU WINERY」に行ってきました。そこにはたくさんの葉をつけたブドウ畑が広がっていました!

◆ワインに適した風土が地元にあった
この辺が2014年に最初に植えたゲブルツ、シャルドネ、ピノグリ、メルロー、シラー、タナの畑です。(ま:今目の前にある畑がそれですね。)去年初収穫して、少ないながら秋保のブドウで作ったワインが出来てます。あとこの辺が2015年に植えて、この辺が2017年に植えたものですね。今全部で15種類です。畑は2.1haしかないんですけど、ワイン用のヨーロッパ品種に関しては宮城県で栽培事例が全然ないのでいろいろ植えてみて良いのを少しずつ増やしていこうと思ってます。(ま:今高さどれくらいですか?)今80cm位ですね。捕まるものがあれば3m位まで伸びてくるんですけど、手の届く範囲で切っちゃいます。あとうちの特徴はあそこの山の裾に石がたくさんありますよね、あれは「秋保石」という凝灰岩なんですね。昔は建物の基礎として全国に出荷されていて、ここはその秋保石が採れる山になっているんです。ヨーロッパでもこの凝灰岩がある畑はブドウのミネラル感が強く出て良いブドウができる。そういったブドウは長期熟成に向いていると言われているので、これから育っていくブドウにしっかり出るんじゃないかなと思ってます。それからこの辺は土づくりのために緑肥を植えてるんですけど(ま:猫じゃらしを太くしたような)クリムゾンクローバーという真っ赤な花をつけるクローバーで、もうすぐ種を付けるんですけど、チッ素を蓄えるので、化学肥料でチッ素を与えるのではなくてチッ素を貯めこむ性質の植物を植えることで、これが枯れる頃に土に溶け込んで、という有機栽培に近い農法を取ってます。除草剤使ってないですし殺虫剤もほとんど使ってないので、虫だらけですね。(ま:ここで完結しているんですね。)そうですね。


オーナーの毛利さんは震災前、設計の仕事をされていたとのこと。なぜその毛利さんが今、秋保でワインづくりに取り組んでいるのでしょうか・・・続きは明日、お伝えします。

AKIU WINERY 公式サイト
«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 357 | 358 | 359 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN