2017年6月8日

6月8日 AKIU WINERY(4)


今朝も、仙台市秋保町に2015年に誕生した『AKIU WINERY』オーナーの毛利親房さんのインタビューをお届けします。

谷や川に囲まれた秋保の気候風土を利用した、ぶどう栽培と、ワインづくり。震災をきっかけに「地元にワイナリーを作って地元の食を応援したい。」との想いで秋保温泉郷にオープンさせました。 ワイナリーを基点とした地域の活性は、オープンから1年半がたち少しずつ実を結ぼうとしています。

◆「地域との連携で賑わいを創出したい」
世界のワインの産地でうまく観光地化ができているところは地元の産業と密接に連携とっていて。例えば秋保にはいろんな工芸家がいてガラス作家さんや、仙台箪笥という昔ながらの伊達藩の派手な箪笥も有名なんですけど、ガラス作家さんがワイングラスを作ったりデキャンタを作りはじめたり、仙台箪笥の作家さんがワインスタンドを作りはじめたり、こけしを作っている方も木でワイングラスを作りたいと話されていたり。あとは我々のワインで漬け込んだお肉でベーコンを作ったりソーセージにワインを練りこんだり。あとチーズも発酵が終わって絞ったぶどうの絞りかすにチーズを漬け込んだ試作をしたり、今いろんな方とコラボしながらやってます。そういったことを僕らはやらなきゃいけないと思っているんですね、このプロジェクトも必ず成功させないと次にワイナリーをやりたい人たちが難しくなるんです。僕らが地域の連携とか観光の賑わいを創出できれば、次にやりたい人たちは行政や地域が応援すると思うんですよね。なので責任重大なんです。
(まさにワインをきっかけにいろんな産業との連携をとって、地域おこしや人が増えてきたとか手ごたえはありますか?)お店でお客様とお話ししているときに県外から来られていて、こないだも福岡から「やっと来れました」という方もいて。ワイナリーのためにわざわざ福岡から足を運んでくださったんですね。たぶん今まで来たことがない方が東北に足を運ぶ理由の1つになっているのかなと。今さらにそれを拡大しようと思って東北のワイナリーの方に声をかけながら、仙台市内でワインの大きなイベントをやろうと思ってて、翌日に牡蠣の生産現場見に行きたいねとか、来ていただいた方にもう1日もう1日と東北に滞在して、また東北の魅力を発見してもらえるような仕組みを作っていきたいですね。


地元の産業との連携、ワイナリーの店内にはそういったコラボ商品が並んでいます。ワインと共にお土産にいかがですか?とにかくワクワクする店内です!
AKIU WINERY 公式サイト

2017年6月7日

6月7日 AKIU WINERY(3)

今週は、仙台市秋保町に2015年に誕生した『AKIU WINERY』のレポートをお届けします。

もともと仙台の設計事務所に勤めていたオーナーの毛利親房さん。震災前、女川の温泉施設「ゆぽっぽ」を担当されていたことがきっかけで沿岸地域の支援活動に参加。「地元でワインを作って地元の食を応援したい。」と秋保温泉郷にワイナリーをオープンさせました。全くの畑違いのワインづくりに、失敗も数多くあったそうです。そんな毛利さんの挑戦を後押ししたのは、ある“漁師さんの一声”でした。

◆南三陸の漁師さんからの一言
震災前、実は宮城の沿岸部には一軒だけワイナリーがあったんですけど、津波で畑も建物も当主の方も犠牲になって、宮城のワインづくりが途絶えてしまったというのがあり、まずはワインづくりを再スタートさせようと、2013年に試験的にブドウを植えたんです。その頃は本当に何もわからないままで実際に津波をかぶった場所だったので、除塩もできなかったのでなかなか栽培がうまくいきませんでした。そこでブドウがちゃんと育つ場所を探してこの場所、秋保にたどり着いたんです。ここの畑は開墾からやったんです、木の伐採から。のべ200人以上が畑づくりで来てくれて、その後も継続的に醸造や収穫のお手伝いに来ていただいて、やっとワインがまとまった量収穫できるようになってきたので、これからが僕らの恩返しというか、僕らがやるべき「食の応援」をどんどんやっていきたいなと思っています。
なかなか最初の頃はうまくいかなくて、何回も「もうやめようかな」というのは正直あったんですけど、ある時漁師さんたちとワインが出来たら、牡蠣とワインをセットにして全国にPRしようとか、牡蠣の養殖棚の下にワインを沈めて海中で熟成させてそれをPRしていこうと。実は6月に南三陸町でそれを実際海に沈めるんですけど。南三陸町はASCの国際認証を牡蠣養殖で国内ではじめて取得しているんですね。そこの漁師さんたちが会議が終わってから、ワインを沈めよう、一緒にPRしていこうと話をしたときに、その漁師さんたちが僕のところにきて「今日ワクワクした。震災後いいことが何もなかったけど、俺たち今日は本当にワクワクした。俺たち頑張るから、あんたも頑張ってくれ」って言われたのがずっとあって、ここで諦めたら僕は一生後悔するなと思って、うまくいかないところから場所を移して、またゼロからプロジェクトを見直して、いろんな応援もあってオープンが出来た、となったんですね。


海底に沈める熟成ワイン、場所は南三陸町・戸倉地区の海に沈めるとのこと。戸倉の牡蠣は以前この番組でもお伝えしましたが、ASC国際認証を取得したブランド牡蠣。その牡蠣と戸倉の海で熟成させたワイン、このセット販売は今年の冬、クリスマスの時期に間に合わせたい!とのこと。戸倉と秋保の夢のコラボレーション、ぜひクリスマスプレゼントにいかがでしょうか!

AKIU WINERY 公式サイト


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パーソナリティ 鈴村健一

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