2017年7月4日

7月4日 若い移住者を広田町へ?

引き続き、岩手県・陸前高田市 広田町で、移住者を増やそうと取り組む若者、NPO法人SET代表、三井俊介さんのお話です。

大学卒業後に広田町に移住した三井さんが代表を勤めるNPO法人 SETでは、Change Maker Study Programという企画を継続的に行っています。これは東京の大学生参加者が、1週間かけて町の暮らしを体験。町の魅力を広める方法を考えるという滞在型の企画です。この企画などを通じて、本当に広田には若い移住者が増え始めています。

そしてSETでは、この企画をさらに発展させた取り組みもスタートします。

◆あなたの次の一歩がこの町で正解になる
チェンジメーカースタディープログラムを4年間やったノウハウを生かして、今度は4か月滞在型のチェンジメーカーカレッジという授業を開始しようと思っている。いわゆるビジネススクールみたいなものではなくて、まちづくりを徹底的に実践するというもの。4ヶ月住み込みで僕たちと一緒にまちづくりを学んだり実行するということで一緒に過ごす参加者の仲間を募集している。ターゲットは、起業したいと思っている人、自分で何かやりたいと思っているが就職をしている人、就活をしなければいけないと思っている人を対象にしたい。僕自身も大学卒業してそのまま陸前高田市広田町に引っ越したし、生き方や働き方はもっと自由で良いし、自分のやりたいように進んでいけばいいと思っている。そういう1歩を踏み出すための場所を提供したい。キャッチコピーは、「あなたの次の1歩がこの町で正解になる」。6月あたまごろから募集開始していて、定員になり次第締め切り。8月の半ばごろまでは募集したいと思っている。


東京で就職…という選択が「違うんじゃないか」と思っている若い世代の方、興味あればこちらをぜひチェック。
http://cmc.set-change-maker-program.com/

この新たなプログラムで目指すものはなにか、三井さんに伺いました。

◆人口が1%ずつ増えれば
人口1%戦略ということが今、地方創生の文脈の中で言われている。これは人口の1%を毎年移住者として呼び込む。町の外に出ているお金も1%町内で循環させる。例えばパンを外に買いに行っていたものを、町の中にパン屋を作れば町でパンが買えるようになる。そういうことで人を呼び込み、町に1%ずつお金が循環するようにすること。これを人口1%戦略と呼ぶ。これを達成すれば町が持続可能になると言われている。
チェンジメーカーカレッジの第1期生募集をしているが今後は2期生、3期生・・・続けていき目指すのは年間で30人の生徒を募集。30人が移住するという形を取れると、広田町は3,200人の人口がいるので1%にあたる30人がカレッジを通して移住することになる。カレッジでいろんな商品を作るが、町内のものを使って1%ずつお金が循環できるようにしていきたいと思っている。


三井さんは人口減少社会の町づくりについて本当によく勉強されていて、他にもこんな言葉を教えてくれました。
「人口シェアリング」。例えば週末だけ広田で過ごす。月一だけ広田で過ごす。こういうケースも人口が「1人増えた」とみなす考え方です。町と町、地域と地域で人口をシェアしあうというこれからの時代に町の人口を増やすための新たな捉え方。最近の「二地域居住」もこれに当てはまります。
三井さんは「人口がキープされる前提の町づくりではなく、人口が減る中での街づくりをしなければいけない」と語っています。

あしたも三井俊介さんのインタビューです。
★NPO法人SET

2017年7月3日

7月3日 若い移住者を広田町へ?

きょうは、岩手県・陸前高田市 広田町という半島の漁村で、町の未来を担う一人の若者のインタビューです。

三井俊介さん(28)。東日本大震災をきっかけに、大学3年生でNPO法人・SETを立ち上げ広田町で復興支援活動をスタート。東京の大学を卒業した後に広田町へ移住。SETの代表として、三井さんと同じように陸前高田に移住する若者を増やそうと、様々なプログラムを立ち上げ、日々活動しています。

まずは、このSETが現在 実施しているプログラムから。三井さんのお話です。

◆中高生、大学生に広田を知ってもらう
SETでは、移住者増やす取り組みとして、3つの事業をやっている。ひとつが民泊の修学旅行を誘致する事業。関東の中高生の修学旅行は京都や沖縄ですが、それを陸前高田広田に来てもらい、民泊に泊まってもらう修学旅行を呼び込もうとしている。高校生が広田にタッチする機会を作るプログラム。

2つめが、地元の高校生のキャリア教育。東北の広田という町では「自分のやりたいことができない」というネガティブな発想から町を出て行く人が多く、そして帰ってこない。それが、「町が好きで、でも力がない。だから勉強するために外に出ていく」というポジティブな理由で外に出るのであれば素晴らしい。なので郷土愛、地元愛を育てて自分のやりたいことを明確にするということを高校生のうちにプロジェクトをやりながらやろう、ということで行っています。それが面白くなってきていて、そのプロジェクトに参加した子で去年4月に大学に進学した子が、SETのメンバーになって、週に1度は地元広田のために東京で会議をして、月1回は広田に戻ってきて活動するようになった。合計3人の広田出身の子が、地元のために大学生になっても地元のために活動している。将来的なUターンというか人口増を目指す取り組みだが、兆しが見えてきたなと感じている。

もうひとつがChange Maker Study Program。大学生向けの1週間滞在型のプログラム。チェンジをメイクする人=変化を起こす人と言う意味。社会、街もそうだが自分に変化を起こし続けられる人という意味合いもある。そういう人を増やそうというプログラム。1週間広田町に滞在してもらって町の体験をしてもらう。参加者の大学生メンバースタッフ20名位が1つのチームになって町のためになることを考えて準備をして、1週間後の6日目には実行してしまうというプログラム。
私たちの事業はすべて、中高生の頃から広田を意識してもらって、大学生になったら実際に町のために活動してもらって、そのあとはSETのメンバーになったり移住したいという子を生み出すという、長く移住したい子を育てるような事業設計をしています。


以前も紹介しましたが、三井さんは広田町に移住後、ご結婚され2人のお子さんにも恵まれています。また地元の方に後押しされ、「行政を知ることも町づくりには必要」と、市議会議員にも立候補。現職の市議でもあります。

現在、SETのメンバーは140名。すべて大学生です。チェンジメーカースタディプログラムの実施はすでに20回を重ねています。

こうして開かれ始めた「広田への移住という選択肢」。実際にSETの社員となり移住した人は9人(8世帯)。広田は少しずつ若者が増えています。

あしたも三井俊介さんのインタビュー。移住を考えている若い方はぜひお聴きください。
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パーソナリティ 鈴村健一

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