2017年7月20日

7月20日 Reborn Art Festival 2017 小林武史さん(1)

宮城県石巻市の中心市街地と牡鹿半島を舞台に、なんと51日間にわたって行われる『Reborn-Art Festival 2017』がいよいよ、この週末スタートします!
イベントの全容を確かめるべく、イベントの総合プロデューサー 小林武史さんにお話し伺ってきました!


◆一期一会に出会えるフェス
高橋)小林さん、おはようございます。よろしくお願いします。聞きたいことがたくさんあるのですが、まずこのフェス、“アート”“音楽” “食”を楽しむことができる上に、開催期間が“51日間”という、どんなお祭りなんだろう?という感じがしますが、一体なにが行われるんですか?
小林)基本的には51日間と長期間なお祭りというのは、ベースにはアートフェス=芸術祭というものをひいているんですね。まずは長期間にわたっていろんな人に来ていただける土台を作ったということ。ただ51日間となると当然食のことも多様な形で必要になってくるし、とくにこの「Reborn Art」って「生きる技」とぼらく解釈しているので、生きていくこと、これから未来にどうつながっていくかって考えた時に、例えば生産者の方もいれば、その生産者と向き合っているトップシェフがいるんですけど、そういう人たちが入れ替わり立ち替わりやってきて、食を通して生きる技を問う、未来につながることを問うことが出てくる。そういう意味では音楽が一番、51日間なんて聞いたことがない話なんだよね。ぼくら「×ap bank fes」というのが7月28,29,30 3日間で5万〜6万の動員目指してやってるんですけど、そういう東京で仕込んでいる音楽は、プログラムされたものだし、でも音楽って実は「一期一会」みたいなところもあって良いんだと思うんですよ。キューバのブエナビスタソシアルクラブみたいな、街になんとなく音楽が流れているみたいな。そういうことをやって欲しいという声が石巻市内の方々からかけられたのもヒントになっているんだけれども、現代アートの作品を観てまわっている時に、不意に出くわす一期一会の音楽の在り方で。音楽って即興とかフリーな音楽の表し方ってあるんですよね。僕みたいにずっとポピュラーミュージックをやってきているとなかなかそういうところを出す場ってなかった気がするですけど、楽しみなところでもあるんですよね、音楽の部分が。
高橋)音楽もそうですけど人生って一期一会がすごい多い気がして、計画してない時に実は楽しい瞬間っ ていっぱいあって、このアートフェスに参加することで計らずして得られる楽しみとかハッピーな時間がすごく得られるような気がします。
小林)ほんと、今おっしゃってくれたようなことを目指してると言ってもいいんです。やっぱり震災があった場所ですからすごく多くのものを失っているとも言えるんですね。つまり、生きる術をこれだけ一回シャッフルされ、もう一回問うてみたいと思ったときに「出会う」ということが必要なんだなということ。だからリボーンアートを構想して何度も何度も石巻の方に行っているうちに、ここは「出会う」ということが起こりやすい場なのではないかと思ったんです。それがわりと本質的な部分をちゃんと捉えているような出会い方というか、、そんな気がするんですよ。


「Reborn Art Festival2017」は、7月22日〜9月10日まで。アート、音楽、食をテーマに51日間開催されます。

オフィシャルサイト

2017年7月19日

7月19日 災害時のSNS・法政大学 藤代裕之准教授3

引き続き「災害時のSNSの役割」です。

被災地や被災した方から、SNSを通じた 救援要請は、「本当に本人なのか」「古い情報ではないのか」などを、しっかり確認したうえでリツイートしないと、結果として 古い情報やデマ情報を拡散してしまう可能性がある…ということを昨日はお伝えしました。

では、逆の場合はどうでしょう。もし自分が当事者として、災害で孤立した時、どこかに閉じ込められた時。誰かの助けが必要な時。さらには緊急で支援物資が欲しい時。混乱を招くリスクがあってもSNSを頼ってよいのでしょうか。法政大学准教授 藤代裕之さんは、こう解説します。

◆命を守るためには
災害時に、自分が当事者として被災した場合。まずはSNSで発信するよりも119番や110番が先ですね。でもどうしても電話がつながらない、一方でインターネットはつながっていて家族と連絡ができるなら、SNSを使うことはあってもいいと思います。「助けてください」を見た人が119番をするのは非常に混乱を招く原因になるんですね。SNSの「助けてください」を見ても実際の現場がどんな形で、閉じ込められているのか、怪我をしているだけなのか、命が危ないのか、優先順位が消防の側には伝わらないんですね。私は、熊本地震でも現地の消防の方にヒアリングをしているんですが、いろんな電話がかかってくるらしいんですね。「SNSで見た、助けなくていいのか」と。でも消防の方からするとどんな状態か分からないし、どうしたらいいのかわからないということなわけですね。それを確認する電話をしている間に、もしかしたらふさがっている電話にもっと大変な人から電話がかかってきて繋がらないということが起こるかもしれないんです。なので不確実な情報を見て消防に電話すると消防の機能が麻痺しちゃうんです。消防の電話も無限にあるわけでは無いですから。SNS上で救助情報を見た方が電話をすると言うのは現場の状況が分からなけれれば慎んだほうが良いというのが基本的な考え方だと思うんです。状況がわかる、つまり閉じ込められてしまっていて息をしていて命に別状は無いが、足が挟まっていて痛い、どんな形で閉じ込められているのが分かる状態の人がしっかり電話して状況を伝えるということが基本だと思うんです。では、SNS上で発信するのやめたほうがいいんじゃないか、命が危ないのに助けてって言っていいのか、混乱するのでやめたほうがいいんじゃないかなと言うとそうではない。命は大事なので、出来る限り「助けてください」「支援物資が欲しい」「支援物資が欲しい」というものは自由に拡散できる方が良いと思うんですね。情報トリアージ(選別)みたいなことをして、社会的な負荷を減らしていく。みんながあまり無理せずに、やっぱりおじいちゃんから子供までいろんな人が使っていく中でリテラシーをあげてくださいというのは難しい。焦っていて友達が怪我しているような状況ではついついやってしまうわけです。やっても良い状態と、実際の救助支援の現場をどうマッチングさせるかというのがこれからの社会の大きなテーマになってくるのかなと思います。
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パーソナリティ 鈴村健一

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