2017年8月1日

8月1日 気仙沼・大島のいま(1)

夏休み真っ只中!今週は、宮城県気仙沼の沖合に浮かぶ「大島」の観光情報を中心にお届けします。

今私は、気仙沼の港から大島へ渡るフェリーに乗っています。大島は気仙沼の港から見えるほど近い距離。20分ほどで着きます。すごく緑のきれいな大島、今からどんなところなのか、楽しみです!(2013年夏の様子)

東日本大震災では、津波と、気仙沼湾で発生した火災で甚大な被害をうけた大島。取材当日は海水浴場「100選」にも選ばれている浜辺が復活し、きれいな砂浜とエメラルドグリーンの透き通った海を見ることができました。

あれから4年。番組では再び、気仙沼大島を訪ねました。大島で旅館「黒潮」を営む、堺健さんのお話です。

◆ここ2〜3年観光客は減少
残念ながら観光のお客様は震災前も長期的に減っていたんですけど、震災後はボランティアさんとかが多く泊まられましたけど本当の観光のお客様が増えていたかというと、残念ながらどんどん減っていたというのが現状で。とくにこの2〜3年の観光のお客様の減りが激しいという傾向はあります。(震災後)移住してきた人は2〜3人いるし、私の知っている範囲では東京からIターンで来られる方もいらっしゃいます。以外と若者がIターンしているというのが多いんですよね。


たったフェリーで20分で、島の空気は本土とは全く違い、時間もゆったり流れ「船で行く」 というのが“旅情”を誘う観光にぴったりの島です。一方、島の方たちにとっては島のアクセスに関する、半世紀前からの「長年の夢」がありました。気仙沼本土と、大島の間に「橋を架ける」という構想です。

◆橋への期待
50年「橋をかけてください」という運動をして、やっと半世紀かけてあと2年弱で橋がかかるわけで、橋の姿が見えてうれしいね、という声はあると思いますね。例えば脳卒中、あれは時間の勝負ですからとにかく早く治療しなきゃいけないんですけど、夜中だった為に時間がかかちゃうと重い障害を負ったりするわけで、あるいは心臓病でもそうなんですけど緊急を要する医療というのは島だと不利ですよね。これから橋がかかれば本土並みの医療が実現できますからいいと思いますね。無料の橋ですのでね。我々も出ていきやすいですし、外からも入ってきやすい。そういう意味では画期的なことなので、外から来られる方も「橋がかかってよかったね。大島に来られてよかった」となるように我々もっと島の良さを引き出していかなきゃいけないと考えているんですけど。


気仙沼市の本土と、離島・大島を結ぶ「気仙沼大島大橋」は今年3月につながり、今後、水道管など設置する工事が進められ、2019年3月に完成予定です。ただ観光面では、橋が架かることによってアクセスしやすくなると「旅館や民宿の宿泊客が減るのではないか」という不安の声もあるようです。この橋に関する堺さんの想い、明日も引き続きお伝えします。

大島 旅館「黒潮」のサイト

2017年7月31日

7月31日 相馬野馬追と相馬市のいま

今朝は、まさに今日まで、夏の伝統行事「相馬野馬追」が行われています、福島県相馬市から、レポートです。

国の重要無形民俗文化財、「相馬野馬追」。元々は、この地を長く治めてきた武将「相馬氏」による、馬を使った軍事訓練で、鎌倉時代から、この地で1000年以上続く伝統行事です。


中西哲生は毎年この時期、相馬で子どもサッカー教室をして、野馬追を観るのが恒例。


地元の男たちが本物の甲冑をまとい、馬にまたがり、町を練り歩き、駆け抜ける。その姿の勇壮さ、そしてまるでタイムスリップしたような戦国絵巻の素晴らしさについては何度もお伝えしてきました。各所で避難指示が解除になり、一方で帰還するか苦悩する人もいる中、毎年継続している野馬追は復興の象徴としての役割も果たしています。

そして実際、町の状況も確実に変わってきています。例えば漁業。そして町の施設。相馬市 企画政策部長、宇佐見清さんに伺いました。

◆相馬市の変化
中西:この1年の変化として、どういったことがありましたかね。
宇佐美:一番(の変化)は課題になっていた漁業。だんだん試験操業の対象業種が増えてきて主力だった貝類、ホッキ貝やアサリが試験操業の対象になってきた。加えてヒラメ、カレイが対象となり我々にとってもなじみのある魚種が増えてきて。漁業の皆さんにとって主力の魚種ですから、これがやっぱり動いてこないと漁業の復活にはつながっていかない。我々市民も相馬産の、そうまさんのホッキが売っていると、アサリが売っていることと言うのはとても大きいですね。
中西:実際にホッキ貝をそうまに来て食べた時もまだこれは相馬のものじゃないんだなと去年話をしましたよね。それがいよいよ次のものが上がってくると。見通しは明るいですか。
宇佐美:ただ、まだ試験操業なんですね。これが本操業に行くにはまだ課題はあります。何よりも風評かと思います。
中西:実際僕も足を運んで目で見て話を聞いたものをどう伝えるかメディアとしての役割もあります。同時に(各魚種の線量の)数値化に関してもすごく積極的に取り組んでこられたじゃないですか。
宇佐美:これだけ検査をして対象魚種自体がこれだけの魚種の中から全部サンプリングでとって、数値を調べて発表して、それで出している。これで受け入れていただけないと言うのは我々とすれば後は「どうしよう」ということになりますよね。ただもう一つは、「おいしいんだよ」と言うのも発信していかないと、ただ単に安全だと言うだけではやっぱりダメなのかなと思ってます。
中西:そして市役所の建物も新しくなりまして今日初めて足を踏み入れさせていただいたんですが、すごく相馬の景観を壊さないように工夫した素晴らしい建物ですね。

宇佐美:隣が城跡ですから(笑)相馬野馬追の出陣の地ですから。そういうものは景観として観光につなげていければと思っています。ただ前提として、前にあった建物が地震で壊れましたので、見た目は綺麗ですがバリバリにヒビがはいっていますよね。どうせ建てるんだったら、その後につながるようなと言うことでこの建物になっていますね。

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パーソナリティ 鈴村健一

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