2017年8月3日

8月3日 気仙沼・大島のいま(3)

陸中海岸国立公園の気仙沼湾に浮かぶ、大島。この時季は海水浴場、マリーンスポーツやBBQ、美味しい海産物と魅力にあふれています。3日目の今日は、そんな大島の観光情報を改めてお伝えします!

アクセスは、気仙沼の港からフェリーでおよそ20分。海鳥たちと一緒に船旅を楽しみながら到着。
そこから向かうのは、標高235mの「亀山展望台」から眺める、リアス式海岸のパノラマ!?それとも、「快水浴場百選」にも選ばれている「小田の浜(こだのはま)」へ。または、国の天然記念物に指定されている、鳴き砂の浜「十八鳴浜(くぐなりはま)」へ行くのも良いですね!
さぁあなたなら、どこから向かいますか?



◆小田の浜〜十八鳴り浜
ここは波が静か。あそこに無人島があって荒い波が来づらいのが特徴。海水浴場第2位だった。ちなみに1位は沖縄なので、本州では1位がここ小田の浜海水浴場です。夏いっぱいおいでいただいて海で泳いだり、カヌーで遊んでいただきたいですね。 
大島には国の天然記念物の「鳴り砂」があります。「十八鳴り浜(くぐなりはま)」という浜で、湿っていると鳴らないのですが、乾いていて摺るように歩きますと「クックッ」という音がなります。九たす九が十八なので、十八鳴り浜と呼んでいます。砂がきれい、海がきれい。昔は日本にも綺麗な砂浜が多かったのですが、次第に汚染されてきて音がならなくなったのです。でもこの浜はまだ鳴りますので貴重な浜ということで、国の天然記念物に指定されています。



お話しは、島の観光ガイドもしている大島の旅館「黒潮」を営む堺健さんです。堺さんによると震災後、ここ2〜3年は観光客の数が減っているとのこと。本当に素敵な場所ですので ぜひ県内外から足を運んでいただきたい!ということで大島の魅力、さらに伺いました!

◆亀山展望台からの眺めも最高です!
東北の中では珍しい島で気候も温暖ですし、景色も年中「緑」、とくに亀山展望台から見るとあぁこんなに緑が美しい島だったんだ、とよくわかって、なかなかこのような環境は日本でも少ないのかなと思います。冬も温暖なのでゆずやビワなども実る。東北らしくない島というのが1つこの島の魅力。あと磯釣りやる方もいらっしゃいますしカヌーやSAPとかそういったマリンスポーツも段々できるようになってきました。私宿をやってますけど夕食にBBQを希望する方が4割ぐらいらっしゃる。だからこういう島らしい良い雰囲気の中で食事や遊びをこれからもっと皆さんに提供したいなと思っています。船で来れるうちに来ていただくと本当に島らしい旅情が味わえると思う。いらっしゃった方には島めぐりを無料でしていますので、楽しく島の中で過ごしていただきたと思いますね。


大島 旅館「黒潮」のサイト

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LOVE&HOPE、明日は、8月5日に女川駅前にリニューアルオープンする宮城県女川町のトレーラーハウス「ホテル・エルファロ」の女将に電話をつなぎます!
 

2017年8月2日

8月2日 気仙沼・大島のいま(2)

昨日に引き続き、宮城県、気仙沼「大島」からのレポートです。

気仙沼の港からフェリーでおよそ20分。
周囲はおよそ22キロ。海と山の自然に恵まれ「緑の真珠」とも呼ばれる美しい大島。東日本大震災では、津波と気仙沼湾で発生した火災で甚大な被害をうけました。そんな大島の方たちには、50年前からの長年の悲願がありました。気仙沼本土と大島の間に「橋を架ける」という構想です。その『気仙沼大島大橋』がこの春ようやくつながり、2019年3月の完成を待ちわびています。

この大橋が復興の後押しとなるのでしょうか。大島で旅館「黒潮」を営む、堺健さんに伺いました。


◆橋を待たずして島を出てしまう
あと2年足らずで橋がかかりますがそれが順調なんだろうかというと、橋を活かす為の受け入れ態勢、準備態勢は極めて遅れています。送れた原因の1つは、宮城県知事が強引に推し進めたスーパー防潮堤の問題があります。何がなんでもスーパー防潮堤を作るとゴリ押しなんですよね。かなり住民とも対決したりして、大島では小田の浜や田中浜やそういった東側のきれいな砂浜は防潮堤を作らせないことで反対運動をしましたし、浦の浜港もやっと地域の方ががんばって盛り土の防潮堤という形になりました。こういうことでものすごく時間が取られたんです。防潮堤があるからかさ上げも遅れる、そこの地域の再生も遅れると玉突きで遅れてしまった。やはり地域の方と話し合って地域の将来を行政も地域住民も真剣に考えて復興の作業をしてほしかったんですけど、現実にはそうは進んでいなかった。わかめを揚げるための堤防、船着き場にしても、勝手に作っちゃうんですね。そうするとどうなるかというと、高すぎてわかめを揚げるのが大変だったり岸壁にあげる時に誤って落っこちてしまったり、もう笑えないような話がでてきまして。なんで岸壁を作るにしても船着き場を作るにしても高さはどうしたらいいのか、作業する方々からお話しを聞いて設計すべきなんですけど、それもスーパー防潮堤と一緒で勝手にやってしまうんです。だから現実問題として、橋が架かる架からないに関わらず、家が流された方々が島にまた家を建てるかというとそうでもなくて、気仙沼の高台に家を建ててもう移っちゃってるんですよね。橋が架かる前に見切りを付けちゃったと。それと、漁業施設や船がやられちゃって高齢化で漁業を再開するのがなかなか難しい、息子たちが気仙沼に住んでいるならそっちに家を建てようってことで、何軒かが気仙沼の方に移って新しく家を建てて再スタートしていますね。橋が架かるから大島に住もうか、という人はほとんどいないと言っていい。大島へ移住者希望の方が若干いるのが救いかなと思いますけどね。


気仙沼市内ではいろんな海岸線に巨大防潮堤が建設されていますが、大島のいくつかの浜では住民の反対運動により巨大防潮堤は作らないことが決まっています。橋がつながる、つながらない以前に、大島の何を守ることが大事なのか、住民の方の想いに触れることができたインタビューでした。

気仙沼市の本土と、離島・大島を結ぶ「気仙沼大島大橋」は再来年、2019年3月完成予定です。

明日も大島の魅力をお伝えします。
大島 旅館「黒潮」のサイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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