2017年8月10日

8月10日 岩手県大船渡市「キャッセン大船渡」(1)

今朝は、この春にグランドオープンした岩手県大船渡市の商業エリア
「キャッセン大船渡」についてお届けします。


◆賑わいを取り戻した大船渡の中心街
えっとここは物販を中心とした店舗ですね、ここの通りは。それから後ろの「湾岸食堂」の入っているところは「モール&パティオ」っていって海産物を中心としたエリアです。でそれから川を挟んで向こう側は、「フードヴィレッジ」っていって飲食を中心にしたその3つのエリアに分かれた街づくりになってます。もともと震災前の中心の場所がここだったので、まあ新しい店舗に代わっても場所としてはね、街の中心になってると思います。グランドオープンが連休だったので、それはそれはすごいにぎわいがあって、もうひっちゃかめっちゃかの状態でしたけども、いまは落ち着いてきてると思います。震災から5〜6年くらいはずっと、自分のことというよりも街のことをいちばん最初に考えて動いていたので、ここまできて、これからは自分んとこも考えようかななんて(笑)


BRT大船渡駅前の商業エリア「キャッセン大船渡」。今回開業したのは、メインエリアとなる「モール&パティオ」、「フードヴィレッジ」と仮設商店街として営業していた「おおふなと夢商店街」運営の「ドリームプラザ」の3施設で、地元のお店を中心に約50のテナントが出店しています。
ようやく完成した大船渡のにぎわい拠点を案内してくれたのは、震災後にいち早く「大船渡屋台村」を立ち上げ、大船渡湾では初めてとなる屋形船を浮かべるなど街の賑わい再生に尽力してこられた、及川雄右さん。「キャッセン大船渡」では、「モール&パティオ」に「湾岸食堂」を開いています。震災から6年余り。ここまでの及川さんの道のりについて、伺いました。

◆この6年の道のり
いちばん最初のきっかけというのが、震災後に飲食店の復活ということで、ちょうどその当時、飲食店の組合長という立場もあったので、なんとか飲食で街を盛り上げたいっていうことで、屋台村をやったらどうかということで屋台村をはじめて6年くらいやりましたかね。その当時はまわりに何にも無かったので、そこにポツンと屋台村が出来ることによって、全国から復興のために来てくれる業者さんだとかボランティアさんとかにも利用して頂いて、癒しの場だったりコミュニティの場だったりそうとう親しまれたということでやってよかったと思っています。その後、震災後3年くらい経って、だいたいこう生活も落ち着いてきたし、生業の方も落ち着いてきたので、これからはもっと人を呼ぶには何をしたらいいかということで、大船渡は海の町なので、しかもほかの湾とは違って穏やかな海なので、ここに屋形船を浮ばせて観光の目玉にしたら面白いなってことで、しかもその船の中で大船渡で採れた海産物を食べさして、大船渡をもっとPRしましょう発信しましょうということで屋形船を思い切って持ってきた経緯があって。全国各地からお客さんも来て頂いてるし、船からは新しく震災後に出来た魚市場とか、大船渡湾の中央にある珊瑚島も間近で見えたり、大船渡の湾口防波堤も今年の3月に完成したんですけど巨大な防波堤も間近で見たり、復興状況が分かり易いですね。大船渡ってこんなにいいところなんだって喜んで頂いてますね。で今回はこのキャッセンというところにテナント業者の一人として出店を決めたという経緯ですね。



震災当時、たまたま飲食店組合のリーダーだったこともあって、「屋台村」を作ったり「屋形船」を導入したり、街のにぎわいの再生のために尽力してきた及川さん。「屋台村」は「キャッセン」の完成に合わせて幕を閉じましたが、いま及川さんの「湾岸食堂」の店内にはその「大船渡屋台村」の看板が飾られています。

「キャッセン大船渡」

2017年8月10日

8月9日 岩手県陸前高田市「アバッセたかた」(2)

今朝は昨日に続き、この春に開業した岩手県陸前高田市の複合商業施設「アバッセたかた」についてお届けします。

「アバッセたかた」の「あばっせ」は陸前高田の言葉で、「一緒に行きましょう」という意味。以前中心街だった場所を10メートルから12メートルかさ上げした新しい中心市街地に、震災から6年余りを経た今年4月27日に開業しました。オープンモール4棟で構成、スーパーやドラッグストア、衣料品店などのほか7月には「陸前高田市立図書館」も開館しました。

ただし昨日もお伝えした通り、まだこの場所には「アバッセたかた」以外の建物は少なく、街づくりはこれからという段階。現状とこれからの見通しについて、「アバッセタカタ専門店街」理事長の伊東孝さんにお話しを伺いました。

◆まだ迷っている方も
このかさ上げ地には、自分の元々あった土地を換地する人、それから市が土地を確保して借地でお貸しする人という形があるんですけど、最終的には120くらいの事業者がアバッセを中心とした周りに店舗を構えたり事業所を構えたりする予定です。ただまだその120の事業者の中でも、一旦は希望を出したけど実際にこれから建物を建てるというところにはいっていない、まだ迷ってる方も中には居らっしゃいます。これが増えてくるのか減ってくるのかというのは、これから動きが出てくると思います。みんな住んでるところはバラバラになってますので、以前の面影はまったく無い、新しい街を創っていくということで一緒にやっているわけですけど、やはりでも新しい街になっても、街の面影は無くなっても、陸前高田の空気、匂いは変わらないと思うんです。ですから帰省される方、新しい街に帰ってきてもまったく違うところに帰ってきてるな〜じゃなく、“あ、やっぱり陸前高田だなあ”という思いはあるんだと思います。そういうものを大事にしながらこれから少しずつでも前に進んでいきたいなとは思っています。


工事が長くかかった分、違う土地でお店や事業を再開していた方の中には「換地」=(もともと持っていた土地の面積に応じて土地を無償で取得する)で土地を手に入れても、これから大きな投資をしてお店を出すことに迷っている、という方も多いということ。
新しい中心街の前途には、まだまだ課題がたくさんある段階ではありますが、伊東さんには、信じている揺るぎないものがあるといいます。

◆震災で深まった地域の絆
得たものというのか、津波で自分の財産だったり今まで築いてきたものだったり、また人ですよね、大事な親族家族、友人を亡くして、本当にどうなんだろうという思いはありましたけど、そこからいろんな方の支援を受けたり、ここまで来てるわけですけど、やはり残った者みんなでですね、なんとか陸前高田をまた再建していこう、新しい高田を創っていこうという、そういう「絆」みたいなものは強くなったのかなという思いはしております。

なかなかまだ6年過ぎてですね、来て見てもらえれば分かるんですけど、復興した!再建した!というところまではまだいってないです。やっと今年6年目に街づくりがスタートしたというのが本当の現状です。ですのでこれから徐々に徐々に街が出来上がっていくというところを是非皆さんにも来て頂いて見て頂ければなと。本当に美味しいものもたくさんありますし景色もいいです。風光明媚なところでございますので一度足を運んで頂ければまた来たくなるところですので、ぜひお出で頂きたいなというふうに思います。


「アバッセ高田」
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パーソナリティ 鈴村健一

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