2017年8月14日

8月14日 STAND UP SUMMIT2017(1)

今日と明日の二日間は、先週東京ビッグサイトで行われました「若者が、復興を考えるイベント」の模様をお送りします。
毎年、夏休みに開催されていて、今年で4年目を迎えたイベント『STAND UP SUMMIT』です。これからの時代を担っていく若者たちが、等身大で復興を考えていくイベント。「未来は、自分たちで創っていく!」という想いのもと東北、熊本、そして東京から、中学生・高校生・大学生が350人集まりました。
それぞれの地域を代表する7人の生徒がステージにあがり、為末大さんと共に「復興ディスカッション」がおこなわれました。

今日お送りするのは、「震災のあと、いま、わたしの街が抱える課題!」というテーマです。


◆「風化ではなく、記憶が変わっていく」
「STAND UP SUMMIT2017」。
この時間は、東北、熊本、東京から集まってくれたみなさんによる「復興ディスカッション」お送りしています。「あなたの街の課題はなにか」という質問です。これに対して最もたくさんの方が「震災の記憶が薄れているということ」、こう答えています!

為末
震災を体験したという人はどれぐらいいるかな?
そのなかで、自分の中で、少しずつ、話している内容って変わってきたなっていう人いますか?
たとえば、「震災があって1か月後に話していたこと」と、「数年経って喋ること」、こんな風に自分の中で変わって来たような気がするなってことが、もしある人は、教えていただきたいんですが?

福島県 福島工業専門高等学校 櫻井友香 高専4年
福島県の福島工業高等専門学校に通っています、櫻井由佳です。震災当時は、こういう被害があったよ、自分はこういう状況にいるよっていうことのほうがメインだったんですが、いまは、逆にそれがあったから、それを活かしてっていうプラスな面に捉えている面はあるのかなと思います。

高橋
櫻井さんは自分で自ら復興ツアーというか被災地を知ってもらうような活動をされているんですよね?

福島県 福島工業専門高等学校 櫻井友香 高専4年
はい。熊本地震で被災した熊本の学生を東北に招いて、学生の立場で若い世代がどう復興と関わっていくかを一緒に考えるプログラムを作っています。

為末
それをなんでやろうと思った?思いついたのは、なんでなんですか?

福島県 福島工業専門高等学校 櫻井友香 高専4年
熊本地震が発生した時に、自分と重なる部分があって、私は震災当時にすごいもどかしい気持ちを抱えていて、なにか力になりたいと思っているのにそれが行動に移せなかったりっていう部分を持っていたので、もしかしたら熊本地震で被災した学生もそういう気持ちを抱えているんじゃないかなって思ったときに経験をした私たちだからこそ出来ることがあるんじゃないのかなと思って、そこから始まりました。

高橋
その櫻井さんのプログラムに、今日いらっしゃる熊本の阿蘇にいらっしゃる吉岡さん、参加されたんですよね?

熊本県 阿蘇中央高等学校 吉岡杏優 高校2年
去年参加して、気持ちも変わったんですけど、たぶん前の自分だったらいまたぶんこのステージに立って話してないと思うし、わたしは熊本に帰ってからも結構いろんなプロジェクトやボランティアに参加させてもらったんですけど、たぶん、ゆかちゃんとかが呼んでくれていなかったら、今の自分はいないかなって思っています。

高橋
為末さん、同世代で、年の近い子同士で話して風化を防いでいくというアクションは大切ですね。

為末
そうですね。競技の話でいくと、選手が本当の意味で困難を乗り越えるときに必ず現れる変化があって、それはなにかというと、記憶が変わるんだよね。つまり、ぼくはオリンピックで転倒しているんだけど「オリンピックで転倒しました」っていうことが変わっていって、「あれからなにを学んだか」っていうことがくっついてくるんだよね、この記憶に。そうなったときにはじめて次に向かっていろんな夢を持ったりするんだけども。ちょっとずつみんな自分の中でたぶん記憶が変化していって、これは風化じゃないと思うんだよね。みんなの記憶が変わっていってよくて次に進んでいっていいと思うんだけど、そこから学んだことをなにかのアクションにつながっていくっていうことが起きれば、それは記憶っていうのは形を変えて続いていくんじゃないかなって思って、そんなことをすでにアクションが起きているっていうのは、今日聞いていてすごいなあって思って聞いていました。


***

LOVE&HOPE。明日も『STAND UP SUMMIT2017』、復興ディスカッションの模様をお伝えします。

2017年8月11日

8月11日 岩手県大船渡市「キャッセン大船渡」(2)

今朝は昨日に続いて、この春にグランドオープンした岩手県大船渡市の商業エリア「キャッセン大船渡」に出店している「湾岸食堂」店主、及川雄右さんのお話しです。

BRT大船渡駅前の商業エリア「キャッセン大船渡」はこの春に完成したばかりの大船渡のにぎわい拠点です。ここに「湾岸食堂」を開いた及川さんは、震災後にいち早く「大船渡屋台村」を立ち上げ、大船渡湾に東北で初めての屋形船を浮かべるなど街の賑わい再生に尽力してこられた方。震災当時にたまたま飲食店組合のリーダーだったことから、いろんなことを手掛けるようになったということでしたが、あらためて震災当時のことも伺ってみました。

◆飲食店を復活させよう
もともとは高台でホテルをやっていて、そこは被災をしなかったので、被災した人たちを受け入れて数か月生活はしていて、自宅は被災してしまったんですけど、なのでいちばんその当時「動けた」というか皆はもう被災してしまって何も手をつけられない状況だったんだけども私自身は被災してないので、何かしてやらないとなという思いがあったしね。そういう思いで、たまたま飲食店の組合長でもあったし、なんとか救済する方法はないかってことを考えて。いろんな人に相談をした結果、じゃ飲食店を復活させよう!という話から屋台村をやってましたね。6年前は。


何も無くなってしまった大船渡の市街地にポツンと灯りを点していた「大船渡屋台村」は、この春「キャッセン大船渡」の開業に合わせて幕を閉じ、及川さんはその「キャッセン大船渡」の中に「湾岸食堂」を開きました。

◆湾岸食堂
やっぱり「大船渡屋台村」というものがあって、そこに年間10万人くらいのお客さんが来て、それも本当は残したいという気持ちはあったんですね。でもそれはなかなか叶わなかったので、それだったらもう自分の思い描いてる店舗を作ろうということで、屋形船で牡蠣とかいろんな海産物だしてるので、そういうものを中心にしたお店を出したいということと、それからたまたま私趣味でバンドやったり楽器やったりしてるので、じゃライブも出来るお店にしようと。で屋台村でもワインを出したりしたっていうことで、だったらワインバーの要素もありつつライブハウスの要素もありつつ牡蠣小屋の要素もありつつ、ぜんぶいいとこどりの店を作ろうということで、今回こういう形で出させて頂いてます。屋台村でいろんな出会いがあったり、いろんな支援があったりして、その名残を残したいということで、屋台村を撤去するまえに看板だったりいろんなものをこの店舗にも残してやろうってことで、ここに飾っておきました。やっぱ「懐かしいな」ってみんな言ってくれるので・・・。6年半くらい経ってますけど、ある意味あっという間というか、もう6年も経ったんだみたいな感じでいますけどね。その当時は大変だったりつらかった時期もあったんですけど、早いなって感じですね。復興自体はもう進んで、道半ばではあるけども仕事をする場所や生活をする場所という面では、ほとんどもう出来上がった状態です。あとは街をどう生かすか。作りました!お客さんが来ませんでした!ではダメなので、新しい仕掛けをしていかないと。そんな思いでいますね、今は。


「キャッセン大船渡」の「モール&パティオ」に出店している、及川さんの「湾岸食堂」。ワインバーで牡蠣小屋でライブハウスという、いいとこどりのお店。ライブスペースのバックには、「大船渡屋台村」の看板が飾られています。

「キャッセン大船渡」
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パーソナリティ 鈴村健一

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