2017年9月12日

9月12日 ファーマーズマーケット「FMふたばプロジェクト」1


先月19日、広野町の二ツ沼総合公園で農産物の直売会、「ファーマーズマーケット」が開催されました。主催したのは「FMふたばプロジェクト」。そしてこのプロジェクトを立ち上げたのは、ふたば未来学園高校の3年生、佐藤勇樹くんです。

佐藤くんは、今年避難指示が解除になったばかりの富岡町出身。どんな思いでこのプロジェクトを立ち上げたのでしょうか?

◆カリフォルニアの「ファーマーズマーケット」で衝撃をうけ
自分が小学5年生の時の東日本大震災で、原発事故があって次の日にはもう避難しなければいけなかった、ただその時自分は何が起こってるのかなんて分からなくて、1週間くらいして、原発の事故があったんだっていうことをようやく理解して、そこから中学3年生まで茨城で避難生活していたんです。高校に入る時に福島に戻りたいというのがあって、ちょうどその時に今通ってるふたば未来学園高校が双葉郡に出来ます、その双葉郡の復興とかに対して何か活動を起こすっていうのがすごく自分としては魅力的で、双葉郡のために何かしたいっていうのを思うようになっていたので入学したんですけど、最初その自分の中であったのが、「人と人のつながり」っていうのを大事にしたいっていうのが自分のベースとしてあって。ただ人と人をつなぐために何をすればいいのか、カフェをやればいいとかいろいろ考えていたんですけどどれもなんかしっくりこなくて、2年生の夏に、3週間の渡米プログラムに参加をして、カリフォルニアのバークレーに行ったんですけど、そこで「ファーマーズマーケット」を見たんです。最初、“日本の朝市だよ”っていう説明があって、でも日本の朝市っていうと、なんかおじいちゃんおばあちゃんがおしゃべりをしてたり野菜を売ってたりっていうあんまり若い人が来づらい雰囲気なんじゃないかなって感じてて、ただ行ってみてびっくりしたのが、もう小っちゃい子からおじいちゃんおばあちゃんまでみんなが集まってて、売ってる人ももちろん若い人もいて、その人と来た人がおしゃべりを楽しそうにしてたりとか、楽器を演奏する人がいたりとか、“え?これがほんとに朝市なのかな?”という、野菜を売る場所っていうふうには感じなくて、すごい感激して、そこに人と人のつながりもあって、しかもあんまりスーパーで野菜を買う時にこれ誰が作ってるのだろうって思わないっていうのが自分も有ったので、作ってる人も知れてそれを買うことができておしゃべりも出来ていろんなこと知れてこんないいものはないじゃないか!って思ったのがきっかけです。じゃこれを開こうって思って、もともと野球部に入ってたんですけど、野球部を退部させてもらって、次の日から自分は農業科じゃなかったので、農業について全く知らないので広野町、自分のいる町の直売所に夏休み中毎日通って、“広野町の農業いまどんな感じなんですか?”とか“どのくらいの年齢なんですか?”っていうところから聞いていって、あといろいろおしゃべりをして、そうしていくうちに、やっぱりここでファーマーズマーケットをここの農家さんたちと一緒に開きたいっていうふうに思うようになって、そこからいまの「FMふたばプロジェクト」っていう団体として、最初は同級生を誘って3人で始まったのが「FMふたばプロジェクト」です。


「FMふたばプロジェクト」Facebook

『LOVE & HOPE』、佐藤くんのお話しは明日に続きます。

2017年9月12日

9月11日 台風10号被害から1年「岩泉乳業」の今

今朝は、去年台風10号による水害を受け、今なお操業が止まっている岩手県岩泉町の「岩泉乳業」の今をお伝えします。

約1年前、岩泉町をはじめ全国各地に甚大な被害をもたらした台風10号。小本川の河畔に工場があった岩泉乳業は、工場の大半が氾濫した川の水に呑まれ、操業停止を余儀なくされました。町の基幹産業で、とくにヨーグルトが美味しい!ということで全国的に知られていた岩泉乳業、操業再開を望むファンの声に支えられ工場の再建に取り掛かりましたが、1年が過ぎた今も再開には至っていません。

完成目前の新しい工場で、工場長の保呂草久人さんにお話しを伺いました。

◆あれから1年・・
このいま大きく建て替えている、ここが平屋の建物が横並びに二つありました。平屋の建物だったんでぜんぶもう水につかった状態でした。こちらの本社工場の方は2階建てなんで、2階は大丈夫。ただ1階は天井近くまで浸水した状態でした。こちらの平屋の方は機械類、水をかぶってしまったんで再起不能というような状態でしたね。ここずうっと山岸からこの広いところを水が来たんで、流木とかああいうのがぜんぶ建物に突き刺さるとかそういう状態でした。なんとも言えませんでしたね。そのときはもうこれほどのものがくるかな・・・というのが第一印象でした。一年・・・でも早いんじゃないかなと思ってます。いろいろご尽力された方がいっぱいいるんで。たとえば自分のお金で建てるんであれば、すぐやれるんでしょうけど、やっぱり国のお金とかそういうところを遣わせてもらってるんで、思ったようには進んでくれないといいますか。


去年8月30日の水害では、3棟の工場のうち、平屋の2棟が水没、2階建ての本社も1階が浸水し、流木や土砂が流れ込んで機械やタンクも破損。工場の再建は不可能に思われましたが山下欽也社長は、被災から1週間たたないうちに、「1年以内に工場を再開する」と宣言して再建に取り組んできました。その決意を支えたのは、町の人たちや全国から寄せられた励ましの声だったといいます。

◆10月から前と同じ味でお届けできる!
もうたくさん頂戴してますね。90過ぎたおばあさんから「早く、私が生きてるうちにもう一度食べたいです」というお手紙を頂いて義捐金が1万円封筒に入ってたというのを聴いて、何とか早く復活して口に入れてもらいたいなと思ってます。10月からはなんとか消費者のお待ち頂いてる方々にお届けできればと思ってます。期待と不安が入り混じったようなちょっと複雑な気持ちです。工場は変わってもライン設備は前と変わってないです。あとは自分たちのレシピといいますか工程もきちんとありますので、間違いなく前と同じ味でお届けが出来ると確信しております。


新しい工場はすでに完成。主力商品である「牛乳」と「ヨーグルト」は試験操業を経て、10月1日からまず県内で販売を開始、11月から全国に販売を拡大する予定。アルミの袋の中で〔低温長時間発酵〕させる独自の方法で、さわやかな風味とモチモチの食感を生み出しているという「岩泉ヨーグルト」。1年ぶりの再会までまもなく。「岩泉乳業」のオンラインショップでも買えます!
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パーソナリティ 鈴村健一

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