2020年1月7日

宮城県丸森町 ボランティア活動の今

今週は、昨年10月の台風19号で大きな被害にあった宮城県丸森町から、観光情報、そしてボランティア活動の「今」をお送りします。

台風19号による豪雨で1200軒余りの住宅が被害を受けた丸森町では、12月29日にすべての避難所が閉鎖され、仮設住宅や見なし仮設での新たな暮らしがはじまっています。そんな中、被害をうけた家の、床下の土砂を取り除く作業などボランティア活動はまだ続いています。

現在の活動について、重機を使った土砂の撤去から、地域のコミュニティ再生まで支援しているボランティア団体、「OPEN JAPAN」の副代表 
肥田浩さんに伺いました。

◆仮設住宅や見なし仮設に移った方、2階で暮らしている方
現場は僕らは、土砂が1m以上ある家の土砂の撤去、床を上げたり、床下の泥だし、消毒という作業と、壁と床を取って消毒してそのまま2階に住んでいる人がたくさんいるんですよ、大工さんが春まで来ない、それまで床も壁もない方は例えば、お年寄りが仏壇に行くのにも落ちちゃうので、床や壁を貼る作業もしています。
避難所が12月29日正午に全て閉鎖になるんですけど、見なし仮設住宅でどちらかのお宅をお借りしたとしても、洗濯機がない、冷蔵庫がない、食器がない、でも生活は始まっていくわけだし、昨日話したおじいちゃんは、避難所にいると誰かが自分のこと見てくれているし話し相手もいるけど、仮設に行くと一人になっちゃうし、これからが不安だとか寂しいという気持ちの不安を抱えている人も多い。まだ窓がないようなところで2階で生活している人は、家にいるけどキッチンがない、お風呂に入れないという方もたくさんいらっしゃいます。その状況が丸森かなと感じています。
来ていただくのが一番ですけど、丸森に限らず今回の台風被害にあった、長野・栃木・群馬、そして去年の西日本豪雨でもそうだが、やっぱり「忘れないでいただきたい」。忘れなければその時ご自分で出来ることだったり感じることがあるけど、忘れられちゃうとそのままになっちゃうので、ぜひ忘れないでほしいなという気持ちです。


丸森町の「災害ボランティアセンター」では、【1月9日(木)】から災害ボランティアの受入・活動を再開。年末の時点で、100軒近いニーズがまだあるそうで、床下の泥出しや、被災した家財道具の運び出し、家の裏の土砂の撤去などまだしばらくボランティアの手が必要とのこと。また仮設住宅に移って終わりではなく、肥田さんが話されていたように被災された方の「心のケア」という部分もこれからは必要になってきます。

丸森町災害ボランティアセンターについて、詳しくはこちらをご覧ください。
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ボランティア団体、OPEN JAPANの活動支援についてはコチラから。


明日からは丸森町を観光することで応援!
阿武隈川 舟下りをお伝えします。

2019年12月31日

「巨大台風の教訓を活かすために」片田敏孝さん-7-

「巨大台風の教訓を活かすために」。東京大学特任教授、片田敏孝先生のインタビューをお届けしています。

台風だけでなく、地震や津波、火山の噴火など自然災害は思いもよらない被害をもたらします。災害が起きたときに、わたしたちはどのように避難するべきか。今日は「避難三原則」のお話です。

◆避難三原則
わたしは岩手県釜石市を中心に津波避難の指導を行ってきました。そして東日本大震災以降全国で同じような指導を行っています。その中で「避難の三原則」ということをお伝えしているんです。

1) 想定に捕らわれるな
もう少し直接的に言うと、ハザードマップを信じるな。ハザードマップは災害のシナリオが書かれていますが、そこに書かれていうのはたった一つのシナリオ。自然災害は毎回手を替え品を替えやってくるので、ハザードマップ通りのことが起こるわけではない。だからより安全な行動を積極的にとっていかなければいけない。

2) 最善を尽くせ
自分にできる最善の行動をとること。最善というのはこれ以上の行動をとれないほどの行動をとること。その上での結果は仕方がない。問題なのは、あなたにとって最善の行動をとったかどうか。

3) 率先避難者たれ
まわりの人たちが逃げていないのに、自分だけ逃げるというのはなかなかできないもの。もしあなたが一番最初に行動をとるならば、まわりの人たちもあなたの行動につられて自分も行動をとるだろうから、自分一人逃げることは決して卑怯だなどと思わないでほしい。「率先避難」はまわりの人を救うことにもつながる。

これらは津波避難の三原則として釜石などでも伝えてきたことでしたが、あらゆる災害に共通だと思います。自分に向かい合うこと、積極的な主体性を発揮すること。これが避難三原則に示したことです。


片田先生は今回のインタビューで、仏教の考え方「主客未分(しゅきゃくみぶん)」 という言葉を教えてくださいました。行政と自分を「助ける側」「助けられる側」に分けるのではなく、わたしたち一人一人が「積極的な避難行動」をとることが大事、ということです。
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パーソナリティ 鈴村健一

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