2017年10月5日

10月5日 岩手県大船渡市「Three Peaks Winery」(2)

今朝は昨日に続いて、岩手県大船渡市に「スリーピークスワイナリー」を立ち上げた及川武宏さんのインタビューです。

及川さんは、大学を卒業した後ワーキングホリデーで訪れたニュージーランドで、ワインツーリズムの素晴らしさに触れ、“いつかはふるさとの大船渡でワインを作りたい”と思うようになります。

以前より岩手県や宮城県の沿岸部にワイナリーは幾つかあって、この地域をワイナリー地帯として観光地化していきたいという想いはあったものの、東京で働いて結婚され、埼玉県に新築の家も購入、ワインづくりとは縁のない生活を送っていましたが2011年の東日本大震災を機に、思いは一気に具体化していきます。2013年に「スリーピークスワイナリー」を立ち上げ、購入したばかりの家も手放して帰郷。大船渡と陸前高田でブドウとリンゴを育て、県内のワイナリーで学びながらまさにゼロからワインづくりを始めました。収穫するまで3年はかかるというブドウも今年がその3年目。今年、開業した大船渡市の新しい中心市街地「キャッセン大船渡」の中に「スリーピークスワイナリー」の工場も完成する予定です。

◆戻って4年でついに工場が
キャッセンは大船渡の津波で流されたもともとの中心市街地だったところを再開発して出来たところなんですけど、5街区くらい完成しているんですが、残りの半分くらいのところは今ちょうど、「かもめの玉子」のさいとう製菓とか防災センターとかいろいろ決まってきている中で、2街区・・・7街区と8街区が決まってなかったんですね。そのうちの8街区、いちばん海側で公園が近いところを、大船渡から新しい産業を生み出せるような地区にしていきたいという思いで、そこを借りて建てることにしました。戻ってきて4年で、工場というところまでようやく来たんですけれども、まだまだ。けっきょく工場が無かったので、自分で一からワインを作ったっていうのもないので、ようやくスタートラインに立てたかなっていうところが正直な気持ちで、ようやく次のチャレンジを出来る場所、ステージに来たかなというふうには思います。


これまでシードルはお隣り陸前高田で100年以上つづく名産品の「米崎リンゴ」を畑を借りて育て、ブドウは奥さんの実家がある甲州のブドウを使って委託生産のような形で“醸造を学びながら”ワインを作っていたんです。年末か年明けには工場が完成し、ようやく「スリーピークスワイナリー」オリジナルのワインとシードルが出来上がるわけですが、あらためて、いま描いている「スリーピークスワイナリー」のラインナップについて聞いてみました。


◆三陸の海の幸に合うワインを!
まずメインはいまのところ原料がたくさんあるシードルがメインとなりまして、それに付随したりんごのジュース、そしてワインは今ここで育てているシャルドネソービニヨンブラウンがありますので、これを単一で出すのか、混ぜて出すか、出来てからにしようかなと思ってるんですけど、そういった白ワイン品種でいままで勝沼の妻の親せきからブドウを買ってきて作っていた甲州だったりマスカットベリーAがあるんですけど、それも継続して作っていければなとは思っています。大船渡といえば魚介類、そういった新鮮な魚だったり、貝類だったり、カキやホタテといった本当に美味しいものがあるので、そういった料理と一緒に味わってもらえるようなワイン、かならずこの三陸の海の幸の隣にはウチのワインがあるという感じの、すっきりした飲みやすいワインを作っていければいいなと思ってます。


畑に牡蠣の殻を撒くなど、これまで品質を磨いてきた「スリーピークスワイナリー」のワインとシードルですが、とくに陸前高田の「米崎リンゴ」を使ったシードルは三陸の海産物にも合うような、ドライですっきりした味わい、そして香りが特徴ということ。

明日はなんと・・・そのシードルのプレゼントも有ります💛
お楽しみに!

2017年10月4日

10月4日 岩手県大船渡市「Three Peaks Winery」(1)

今朝は岩手県大船渡市に「Three Peaks Winery」をたちあげた及川武宏さんのお話しです。

東日本大震災の前、ふるさとの大船渡を離れ、東京で仕事をしていた及川さんは震災後、大船渡や東北沿岸部に“ワインツーリズムを根づかせよう”と思い立ち、
2013年に「スリーピークスワイナリー」を立ち上げ帰郷。ブドウ畑を作るところから始めますが、ブドウはしっかり実をつけるまでは何年もかかります。そこでお隣の陸前高田市で育てた「米崎リンゴ」を使ったシードルや、奥さんの実家がある甲州のブドウを使ったワインを委託製造のような形で作って販売していました。そして今年いよいよ工場の建設もはじまり、まもなく念願の“純・大船渡産ワイン”が誕生します。

ワインづくりに関する知識も経験もないまま、帰郷してワイナリーを立ち上げた及川さんにお話しを伺いました。

◆ゆくゆくは子供の異文化交流と合わせたワインづくりをしていきたい
私ここ大船渡の出身でして、もともとこの地域をなんとかしたいっていう思いでワイナリーを作りたいっていう思いは、もう10年以上前から思ってたんですけど、震災で大きな被害が出たことによって、なにか新しい流れを持ち込みたいなっていうことで、2013年に立ち上げて、2014年に戻ってきて、ようやく今年、工場を建設できるようになったという感じです。もともとこの地域が衰退していくのを小さい頃から見ていて、誰かが何とかしないといけないっていう思いはありながらも、どういうことをやったらいいのか僕も分からなくて、たまたま12年くらい前に訪れたニュージーランドで、ワイナリーが観光の目玉になって世界中からいろんな人たちを集めて、新しい産業として発展していってるのを見た経験があって。日本では当時ワインブームというのはまだなかったので、いずれ外国人観光客が増えることによってワインとか食文化が見直されてくるんだろうなという思いがあって、それでワインを作りたいなというのが気持ちが出てきました。岩手県内には東北の中では比較的多いと思うんですけど幾つかワイナリーがありましたので、出来ない土壌ではないというのはなんとなく分かっていて、ワインを作るだけでなく、そういった観光や、ゆくゆくは子供の異文化交流と合わせた教育にも繋がっていけるかなと思って、3年半前に戻って、それから県内のワイナリーさんで醸造だったり栽培を教えて貰ってました。大船渡ではワインづくりはもちろんですが、ブドウの栽培も行なってるのはたぶん僕一人だと思います。じつは3〜40年前に大船渡でも、食用のブドウを栽培した経験があったらしいんですけど、失敗したと言われておりまして、なので農業関係者の話を聞いても、まあ難しいだろうと、うまくいくことはほとんどないんじゃないかという話もじつはいただいたんですけど、まあワイン用ブドウということもありますし、それなりの技術も進んでますし、一度やってみようかなっていう思いで、こういった農園を作ったんですけど、やっぱり、ここの土地だけではなく幾つかの土地に植えましたが、場所によっては山背の影響ですとか、そういった気候の影響で育ちが悪かったところですとか、撤退を余儀なくされた場所もやっぱりありまして、そういった部分で難しさっていうのはありますけれども、まあ農作物は一筋縄ではいかないというのもあるので、そこを何とか耐えながらようやくここまで来たかなという感じです。


「スリーピークスワイナリー」立ち上げから4年。現在の主力商品は、三陸の海産物にも合うドライなシードル。リンゴジュースやリンゴそのものも販売しています。それと奥さんの実家がある甲州のブドウを使って、別の醸造所に委託して作っている紅・白のワイン。まもなくこのラインナップに、純・大船渡産のオリジナルワインが加わります。
「スリーピークスワイナリー」詳しくはコチラへ。
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パーソナリティ 鈴村健一

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