2017年10月11日

10月11日 復興への願いを込めた日本酒2

引き続き、東北と熊本。被災地をつなぐ、「日本酒」について、お伝えします。

福島県会津坂下町の老舗酒蔵、曙酒造は今年7月に東北3県と熊本、4つの県の復興を願う、新しい日本酒を完成させました。
名前は、絆を結ぶと書いて「絆結(きゆ)」。岩手・宮城・福島・熊本。それぞれの土地のお米で仕込んだ日本酒ということで・・・どんなお酒に仕上がったのでしょうか。「曙酒造」の鈴木孝教さんに伺いました。

◆各地の米と想いが集結
日本酒を作るには、麹米と掛米があるんですけども、麹米には地元・会津坂下町の五百万石を使用しました。日本酒の味を大きく左右する掛米は、各県共通で食米のひとめぼれを集めてお酒を作ることになりました。なかなか食米を使って日本酒にするというのはかなり少ない経験だと思うんですけれども、どうしても産地別に扱うと調整というか、微妙なところが難しくて、4県の味わいとなってくると、最初の玄米を精米するときにブレンドしてしまうというのが、1つアイデアとしてあって、それだったら皆さんの思いを集結した、結んだお酒ができるんじゃないかなというところですかね。麹米も50%精米、ひとめぼれも50%精米。純米大吟の五百万石ですけれども、すごく味はおいしいです。うちの息子が杜氏をやって仕上げたんですけれども、ほんのり甘くて深みもある、香りもあってすっきりしたお酒だと思います。食中酒とか、大吟醸だったら香りを楽しんでワイングラスで飲むというのがあるんですが、両方いけるタイプのお酒になったかと思います。周りの皆さんからすごくお褒めの言葉をいただいています。数が本当に少なくて、総数は5,000本です。かなり人気があって、イベントですとか予約の分で大体4,000本くらいは販売してしまった。何店かの酒販店にお願いしているので、そちらの酒販店であれば買えるかなという感じですね。酒販売店を検索したり電話してみれば手に入るかと思います。



ということで、欲しい方はちょっと頑張って、いろいろ調べてみて頂きたいと思います。そうなると気になるのが、また来年も「絆結」を仕込むのか・・・です。どうなんでしょうか?

◆これからも繋げていきたい
今度の11月に、うちの蔵座敷で、皆さんと今年の反省会をやることになっているんです。城南信用金庫さんでも、繋げなくちゃいけないと、「来年以降もぜひやって作っていただいて、イベントも参加していただきたい」というお話をいただきました。すごくありがたいことですね。もしかすると可能かな、みたいな感じですかね。


明日も、この続きです。

2017年10月10日

10月10日 復興への願いを込めた日本酒1

東北と熊本。被災地をつなぐ、「日本酒」について、お伝えします。

いま東北では復興の象徴としての日本酒の製造が、注目を集めています。そんな中から今回、お話を伺ったのは、福島県会津坂下町の酒蔵、「曙酒造」の鈴木孝教さん。
この土地で明治から続く老舗蔵元・曙酒造は今年8月、東北と熊本という2つの大きな地震の被災地をつなぐ日本酒を製造しました。名前は「絆結(きゆ)」、絆を結ぶと書きます。

◆小さな支援の継続が繋がって
漢字を見ていただければ分かるんですが、「絆を結ぶ」。東日本大震災で被害の大きかった岩手県・宮城県・福島県、そして熊本県。その被災四県のお米を使ったお酒を作ったらどうだろうというのが発端です。今年の8月に、東京国際フォーラムで城南信用金庫が中心となって、全国の信金さんに声をかけて「よい仕事おこしフェア」が行われたんです。その目玉としてお声がけをいただいて、うちがどういったお酒を作れば良いかということを皆さんと相談して進めました。曙酒造としては皆さんに選んでいただいた過程は、東日本大震災の時にうちも蔵の壁が剥がれて、冷蔵庫に入っている瓶が千何百本割れてかなり揺れがひどくて被害があったんですけれども、その中でケースには名前が書いてあったんですが中身の瓶に名前を書いてないお酒があって、このお酒は何だとわかんなくなった状態のお酒がたくさんあった。それを最初は一本一本利き酒して元の場所に戻そうなんてうちの会社の強者もいたんですけれども、ちょっとそれは無理だろうという話になってじゃぁそれは大吟醸から純米までブレンドをして、復興支援的なことができないかと。うちもかなり被害があったんですけれども、沿岸部の皆さんのことを考えると、まだ屋根が残ってるだけいい。そんなところからスタートして、『ハート天明』というお酒を作ったんです。

東日本大震災で両親を亡くした子どもさん達を支援するあしなが育英会に、一升瓶5000本・1本600円ずつ寄付したり、福島県の一番北のほうに新地町というのがあるんですが、20何年前から、これもたまたま「ひとめぼれ」だったんですが、「いっぱいしみず」というおいしい水があって、その水を持ってきて特産品づくりとして、鹿狼山(かろうざん)というお酒を作ったんです。恩返しができるのは今じゃないかということで、雀の涙ほどだったんですけれども一升瓶から100円(を寄付)とか。そういうのを3年間やってきて、いろんな形の評価をいただいて。曙さんだったら相談してみる価値があると相談をいただきました。


東北三県、そして熊本。それぞれのお米をブレンドして作った日本酒。
実は、こういう産地の違うお米を ブレンドしてお酒を造るのは大変難しいらしい!吸水率が違うなど苦労することも多いといいます。それでも試行錯誤されて作った結果・・・かなり評価の高い味を創り出したということです。

明日も、この続きをお伝えします。以上「LOVE & HOPE」でした。
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パーソナリティ 鈴村健一

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