2017年10月25日

10月25日 福島県飯舘村 手打ちうどん「ゑびす庵」1

今朝は、この春に避難指示が解除になった福島県飯舘村に再開した、ある“うどん屋さん”のお話しです。

東日本大震災では震度6弱の揺れに見舞われたものの被害はわずかだった飯舘村。ところが東京電力福島第一原発の爆発事故の影響で、村全域が計画的避難区域に指定され、全村避難が続いていました。そして今年3月、帰還困難区域を除く村の大部分が避難指示解除となりました。ただし放射線量への不安からまだ帰る人も少なく、人通りもまばらなまま。そんな飯舘村で、いち早くお店を再開させたのが手打ちうどんのお店「ゑびす庵」です。店主の高橋義治さんにお話しを伺いました。

◆避難の遅れと、お店の再開
63年になるかな、うどん屋始めて。私が小学校の2年くらい。昭和28年か29年ごろ。場所は向かい側で、震災の5年前店を新しく作って商売をやってたんです。別に飯舘村では地震では何にもなかったんですけど、原発の放射能が飯舘に大量に風に流されてきてるってことで、水もダメだ、外に出てもダメだ、換気扇回してもダメだ、そういう感じでいたからみんな家の中に避難していました。で避難しなさいよって言ったのが3月18日。飯舘村では栃木県の鹿沼にバスを用意して200人くらい避難したかな。で俺らも3番目の息子が横浜にいるもんだから“心配だから横浜に来い横浜に来い”というから一時は横浜の方に避難したんですけど、なんか都会はあんまり馴染めないということで帰ってきたんです。帰ってきて4月10日頃村の説明会があって、これは大変なことになってしまったけど、しょうがないから店を開けて隣近所の人でも遊びに来たらお茶でも飲んでっていうことで、4月の11日か12日かに店を開いて。それで村の人たちは5月いっぱいには避難し始めたから・・・俺らは年だからそんなに避難ということは考えなかったけど「全村避難」っていうのが出たからね。それで俺らも福島市の方に避難したのが7月1日かな。それで福島の荒井ってところで空き店舗があったから7月16日に店を再開しました。


震災の翌日には福島第一原発の水素爆発により深刻な状況にあった飯舘村。全村避難の判断の遅れをあらためて考えさせられるお話しでした。いまも飯舘村には放射線量が高い場所があって、商業施設や資料施設も不足、さまざまな要因から帰村している人の数は1割に満たない状況が続いています。

再開したお店がこれからどうなっていくのか?明日も「ゑびす庵」、高橋さんのお話し、お届けします。

2017年10月24日

10月24日 南三陸町 日本料理店『志のや』2

今朝も引き続き、宮城県南三陸町の日本料理店「志のや」さんの話題です。
津波で全壊した「志のや」は2012年、仮設の「さんさん商店街」で営業を再開。そして今年7月、念願だった“元あった場所”で本設「志のや」をオープンさせました。

店主の高橋修さん。以前のインタビューでも 仮設商店街が多くのボランティアや観光客で賑わう姿を喜ぶ一方で、常に?危機感″も口にされていました。高橋さんの目はいつも、その先を見つめていたのです。

6年の歳月をかけて手に入れた本設店舗。そして見えてきた課題。改めて高橋修さんに伺いました。

◆インフラ整備が進んだ後が勝負
本設になって箱ものができるんですけど問題は山積み。人口減少や高齢化、後継者の問題だったり。心配なのはインフラ整備が進むにつれて建設関係の方がどんどんいなくなる。そうした時に地元のお客さんが入りやすくて使い勝手のいい店にならないと、観光客や一時的な人の流れで店が継続できるというのは甘いと思っている。地元のお客さんが法事や会食、娘が結婚するんだって時に使ってくれるのが嬉しいし。そういうのを考えると頭痛くなるのは事実。ただ今まで支援に来ていただいていた方だったり繋がりもった方、それきっかけに移住した方、ボランティアきっかけにこちらに仕事を定着した方もいっぱいいる。それは人の繋がりで得た財産だと思う。そんな方達にこの時期はこれがウメエんだよというのを伝えていって、それをつないでいってもらう。それで一旦は他の町に行った人が戻ってきてもらうとか、これからもそれをやるのが自分たちの年代の役目かなと思っています。(でも食はそういうきっかけになりますよね。今の志のやの一押しメニューは?)戻りガツオの秋旨丼、カツオの皮のところに白い幕のような脂がのるんですよ。これを食べるとマグロの大トロよりうまいんじゃないというくらい味わい深い。これは南三陸の宝。朝から晩までカツオ食べても飽きない。包丁で入れた瞬間脂が包丁につくんですよ、それがすごい旨い!(そんなカツオ食べたことない)あとは鱈。マダラとスケソウダラとある。マダラをお刺身や白子を天ぷらにしたり。常に酒を飲みながら考えるんで酒のつまみからおかずが浮かんでくるみたいな笑。あとは11月になるとエゾアワビが上がってきます。(いつも高橋さんと話すと四季を海の魚で味わえる特別な場所だなと感じます!)小さな町なんですけど魚の旬がコロコロ変わる、これが上がってくるとそろそろ寒くなるなとか雪降るんじゃないかという季節感を感じるわけです。


この時季は戻りガツオの秋うま丼に、いくら丼、そしてもうじき、タラ、アワビが旬を迎えます!
アクセスは三陸道の志津川インターから1キロ。詳しくは『季節料理 志のや』Facebookをご覧ください。
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パーソナリティ 鈴村健一

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