2017年11月3日

11月3日 ふくしまキッズフェスタ2017(3)

福島県「いわき海浜自然の家」で開催された「ふくしまキッズフェスタ2017 in いわき」でのステージイベント、元・サッカー日本女子代表の丸山桂里奈さん、「Jヴィレッジ」の専務・小野俊介さんをゲストに迎えたトークショーの模様をお届けします。

福島県楢葉町と広野町にまたがる広大なナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」。男女のサッカー日本代表の練習の場でもあって、名だたる名選手がここで練習を積み世界との戦いに旅立って行きました。しかし震災後に施設は閉鎖。長く、原発事故収束のための中継基地として使われていました。そんなサッカーの聖地が来年夏に再開することが決まり、2020年東京オリンピックのサッカー日本代表チームがここで練習を行うことにもなっています。

その「Jヴィレッジ」がホームのチーム、「マリーゼ」でプロとしてのスタートを切った丸山さん。当時「マリーゼ」のGMを務めていた小野さんにとってこの「Jヴィレッジ再開」のニュースは、なにより嬉しいものだったといいます。

◆Jヴィレッジ再開へ向けて
丸)代表はJヴィレッジ。私ほとんど代表合宿はJヴィレッジだったので、やっぱりJヴィレッジからみんなが世界に出ていくっていうのが良いのかなって思いますよね。
小)そうですね、今の男女の代表選手、みんなJヴィレッジに対してすごく親しみを持って頂いている。本当はあそこで走らされて辛くて辛くてって多いと思いますけど・・・(笑)ただそういった方もみんな応援してくださってますので、これからJヴィレッジに足を運んで頂いてまたあのにぎわいを取り戻すお手伝いをして頂きたいなと思っています。
中)そしてマリーゼ。復活の可能性は・・・
小)残念ながらいま、相双地区のサッカーチームというのはゼロです。男女合わせて。その状況の中でいつの日にかこの浜通りで、男女問わず日本のトップを目指せるような、そういったクラブを何とか立ち上げてもう一度元気な浜通りを取り戻したいです。
中)その時は丸山さん戻ってこないといけないんじゃないですか?小野さんそういう可能性は?
小)そうですね、桂里奈の場合は出来ればプレーヤーでずっとやって欲しかったんですけど、おそらく指導者になるということはちょっと色合いが違うな・・・(笑)
中)いやいやでも世界のトップで、W杯にもオリンピックにも出て、W杯でゴールも決めて優勝してるメンバーなので、かけがえのない経験、これは誰も持ってない・・・
小)そうですね、この浜通りで育った選手、じつはJFAアカデミーなんかも出来まして、ここからも東京オリンピックには何人かの選手が出ることになる、そういった意味では先陣を切ったいちばんの実績を残した選手でもあるので、指導者ではなくて、アンバサダー・・・
中)アンバサダーには向いてますよね、グラビアに出るくらいですから(笑)
丸)よろしくお願いします、その時には。
小)クラブ全体をうまく引っ張っていくので、その時、桂里奈にも手伝ってもらって。中西さん、桂里奈、ぜひJヴィレッジ、そして浜通りにサッカー文化を作ること、我々一生懸命やっていきますので是非お手伝い頂ければなと思います。

丸)私はやっぱり福島で5年間、プレーも生活もしていて、私、東京で生まれて東京で育ったので、田舎っていうか故郷が無いじゃないですか。だから本当に第二の故郷っていう感じで思ってますし、福島でサッカーを通じて盛り上げていけたらなって思いますし、Jヴィレッジでイベントとか、サッカー教室とかそういうお手伝いが出来たらと思ってますので、これからも引き続きよろしくお願いします。
小)Jヴィレッジ、来年の夏、再開します。その時には、緑の芝生がほとんど戻った状態で営業することが出来ますので、ぜひ一度、Jヴィレッジの緑の芝生を踏みしめて頂きたい。また以前、西というシェフがいまして、西も腕をふるって待ってますので・・・
中)じゃあ日本代表帯同のシェフの!
小)そうですね、ぜひレストランの方では美味しい食事を召し上がって頂きたいと思います。またJヴィレッジをよろしくお願いします。


元・サッカー日本女子代表の丸山桂里奈さん、そして「Jヴィレッジ」の専務・小野俊介さんのコメントでした。

Jヴィレッジは来年夏に一部再開、2019年には全面再開の予定。サッカーだけでなくスポーツ全般のトレーニング施設が整備され、宿泊棟やフィットネスクラブなどもある。そして日本代表専属シェフ・西芳照さんが腕をふるうレストランも再開します。


2017年11月2日

11月2日 ふくしまキッズフェスタ2017(2)


今日も引き続き、福島県いわき市「いわき海浜自然の家」で開催された「ふくしまキッズフェスタ2017 in いわき」でのステージイベント、元・サッカー日本女子代表の丸山桂里奈さん、来年ナショナルトレーニングセンターとして再開する「Jヴィレッジ」の専務、小野俊介さんを迎えたトークショーの模様をお届けします。

昨日はおもに、今だ帰還困難区域の大熊町に家があって、しかもJヴィレッジがホームだったチーム「マリーゼ」出身の丸山桂里奈さんが抱く福島への思いの部分をお届けした。

一方、「Jヴィレッジ」の小野俊介さん。来年夏に「Jヴィレッジ」が6年ぶりに再開するということでいま多忙な毎日を過ごしていらっしゃいますが、丸山さんも所属した「マリーゼ」の元GMでもありました。つまり丸山さんとは選手とGMという関係。今日はそんな小野さんと福島のかかわりの部分から、お届けします。

◆いよいよ来年夏に一部、2019年には全面的に再開!
小)私が福島とご縁が出来たのは2005年にマリーゼというチームが出来てから。それから震災があって、国から日本サッカー協会、それから「Jヴィレッジ」にも“施設を基地として使わせて頂きたい”という要望があって、それから多くの自衛隊の方とか消防の方とか、それから多くの作業員の方に作業にあたって頂く前線基地として機能してきましたので、ある意味あれだけの大きなスペースがあってよかったというのがあります。あそこにもしあれが無かったら、Jヴィレッジが無かったら、収束の時間はもっともっとかかったのではないかと思います。
中)ただその風景を見るとやはり・・・
丸)いやもうどうにもならない感情が湧いてきますよね・・・
小)そうですね、今ちょうど目の前に緑の芝生があって、芝生って本当に人の気持ちを豊かにする、ホッとさせてくれるものがある。これが砂利になったりアスファルトになったり土のグラウンドだとなかなか“座ろう”っていう気持ちにはならないし、見てる方の気持ちも開かれないと思うんです。そういった意味では、あれを見た時、あの色合いというのは忘れることが出来ません。
中)ただ、廃炉まで40年と言われる中、いよいよ来年夏に一部、2019年には全面的に再開と・・・
小)おかげさまで来年の夏に一部営業を再開することが決まってますし、それに向けていま、ホテル棟ですとか、建屋の回復工事はいま進んでいます。グラウンドの方は、以前12.5面ほどあったんですが、今度新しく作るのに際して11.5面、1面経るんですけど、そのうちの5面は天然芝の芝張りがもう終わりました。緑一面広がって、だんだん、“これ復興できるんだな”っていう、そんな力をもらっているような状況ですね。
中)やっぱり丸山さん、我々いつも芝生の上でプレイしてますけど、芝生の上を流れてきている風の匂いって本当にいい香りしますよね。
丸)いいですよね。だからJヴィレッジが新しく出来て、そこにみんな帰ってくる・・・じゃないけど、そういうのが早く来て欲しいですよね。
中)若い方が町に戻って来る、そういうきっかけになって欲しいという思いは?
小)そうですね、やはり今、明るい話題ってなかなかないじゃないですか。そんな中でJヴィレッジが昔のように復活して、日本の代表チームだとか、或いは全日本少年サッカー大会だとか、明るい声であそこでサッカーやってると、そういう復活を果たした時にはたぶんまだ戻ってらっしゃらない町の方もですね、“おっ、楢葉、広野、元気になったね、そろそろ戻るか”っていう形にもなって頂けるんじゃないか、そういう、Jヴィレッジが旗頭になって、皆さんに戻って頂く契機、を作っていきたいと思っています。


『LOVE & HOPE』、明日もこのトークショーの模様、お届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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