2017年12月25日

12月25日 ソフトバンク 内川聖一選手の野球教室(1)

今朝は、プロ野球・福岡ソフトバンクホークスのキャプテン、内川聖一選手の野球教室のレポートです。



今年は日本シリーズの、あの起死回生の同点ホームランも記憶に新しい内川選手。実は毎年、シーズン終了後に福島県を訪問して、子どもたちのための野球教室を開いています。この野球教室は毎年地域を変えて行われ、今年の会場は福島県南相馬市にある「みちのく鹿島球場」。地元の小・中学から18チーム、およそ230人を集めて行われました。

元々、MVPで獲得した賞金を被災地のために使いたいと始めた取り組み。今年で4回を数えます。

◆福島に来ることが自分のモチベーションに
活動を始めたきっかけは、震災のあと初めて福島で行われたオールスターでMVPを獲って、どういう風に(賞金を)使うか考えたときに、子どもたちに還元してあげたいというのがスタートだったんですけれども、毎年どちらかというと逆に子どもたちからパワーをもらえるような気がして(笑) 本当に嬉しいなと思います。この時期に福島に来ることが僕の中でもひとつのモチベーションになっていて、子どもたちに良い報告をしたいと頑張れています。子どもたちが野球をやりながら、苦しくなったときに僕らが来たことを少しでも思い出してくれると嬉しいなと思いますね。僕も大分県で育ちましたので、生でプロ野球選手に会える機会は少なかったですし、プロ野球選手を見て、「いつか自分もああいう風になりたい」と思いながらずっとやってきました。自分がプロ野球選手としてやっていく中で、今度はそれを今の子どもたちにも感じてもらわないといけない立場になったと思ったからこそ、こういう活動をしたいと思いました。活動は4回目になりましたが続けることで子どもたちが野球を始めたという話も聞きました。被災して休部していたチームが復活したという話を聞いてすごく嬉しくなりましたし、本当に周りの方がたくさん動いてくれてこういう活動ができるんだなと。子どもたちにも話しましたけれども、感謝の心を持ってやりましょうというのを自分も感じさせてもらえる部分があります。自分ももう一度初心に戻って、新たな気持ちで来年に迎えるような気がして、自分自身が動いて活動することの意味を、毎回感じさせてもらえます。最初は野球教室だけという話だったのが、実際に被災された地域を見させてもらったり、復興する過程を見せていただくことで、分からない部分も自分で見れましたし、去年より復興が進んだ部分もあったり、まだ大変なところがあるのも見せてもらいましたし、野球選手として直接的に何ができるかというと微々たるものですが、気持ちだけでも寄り添う気持ちは、持っていたいと思います。寄り添う気持ちを持っているからこそ回数を続けたいという気持ちにもなっていると思います。自分が現役をやっている限りは、数多く足を運んでいろんな子供と直接顔を合わせるといいなと思います。


この野球教室は、14年に伊達市、15年にいわき市、16年が楢葉町(ならはまち)で開催。今回の南相馬市も含めて、800人を超える子どもたちと、触れ合っています。また、内川選手と一緒に、同じくソフトバンクの上林誠知選手も参加。仙台育英高校出身の上林選手も、やはり東北に特別な思いを持っているようです。

明日も、内川選手の野球教室についてお伝えします。

2017年12月24日

12月22日 気仙沼「すがとよ酒店」新店舗開業1周年!

今朝は、先日12月17日に新店舗開業1周年を迎えた宮城県気仙沼市の酒屋さん、「すがとよ酒店」を営む菅原文子さんのお話しです。

これまで何度となくご紹介している「すがとよ酒店」は、2019年に創業100周年を迎える老舗の酒屋さんです。お店を営む菅原文子さんは、東日本大震災による津波で自宅兼お店が流され、両親、そして三代目店主だったご主人を亡くしています。それでも、地元の皆さんの“早く再開してほしい”という声に押されて、震災の1か月半後に息子さんたちと一緒にプレハブでお店を再開。

当時、行方不明のままだったご主人に宛てた手紙は「恋文大賞」を受賞。その後、ご主人の亡骸も見つかり、再会を果たすことが出来ました。

そして去年12月、地元の鹿折で5年9か月ぶりにお店を再建。1周年を迎えた先日17日にお店を訪ねて、お話しを伺いました。

◆一気に賑わいは無理。諦めずにコツコツと
オープンして1年なんですけど本当にあっという間でした。仮設で商いをしてて、“いつかきっと地元に戻るんだ”ということをいちばんの目標にして息子たちと頑張ってきたんですけど、本当に地元に戻って、見慣れた風景の中で、ときには顔なじみのお客様をお迎えしたり、また“素敵なお店が建ったんで寄ってみました”というフリーのお客様をお迎えして、本当に嬉しく毎日商いをしてきたんですけど、でもなかなか被災地で365日商いをしていくというのは本当に大変で、近く公営住宅も8棟建ちまして、現在240世帯の方がお暮しなんですけど、残念ながら本当に人気(ひとけ)が無くて、皆さんほとんど出てこない。公営住宅は気仙沼市内に何カ所もあるんですけれども、ほとんど皆さん同じ意見です。こんな大きな建物建って、たくさんの人が住んでるから、“さぞかし”ってみんな思ってたんですけどどこも同じ、まったく人気が無いですね。なかなか鉄の扉を開けて下の方に下がってきて散歩するとかそういう姿は無いです。高層の建物に慣れないから、ということと、隣近所との交流がまだ出来て無いので、隣に誰がいるのか分からない。あとは年齢的に高齢者の方が多いので、なかなか行動を起こすことが出来ない。それでもなんとか賑わいを取り戻したいということで頑張ってきたんですけど、地域コミュニティを築くのは本当に難しいことだなと痛感しております。でも我が家の商いはいい時ばかりないけれどもそれでも“すがとよさん帰ってきてよかった〜”って言ってくださるお客さんも来てくれるので、とにかくまずコツコツと積み上げていかなければならないなと思って・・・この2〜3日でも地鎮祭が2軒くらいあったりして、間違いなく戻ってきてくれる人はいるんだけれども、そんなに一気に賑わいは無理だと思うので、諦めずにみんなでこの町を、また新たな町を創ろうねってことでお互いに励まし合いながら、戻ってきた人同志がね・・・また地域の自治会とかそういうのもまだなので本当にこれから。元気がなくなる時もあるんですけど、とにかくここで頑張るんだ!ということで、希望をもって頑張りたいなと思ってます。


飲食店や、住宅も少しずつ建ってきた鹿折地区。ただ、まだ誰がどこに住んでいるのか、どこに行けばいいのかなどが定まらず、人が行き交うコミュニティーの醸成には時間がかかる、とのことです。

「すがとよ酒店」は日曜が定休日なんですが、いつ誰が訪ねてきてもいいように、年中無休。開けているそうです。

ちなみに気仙沼市、今月に、港のエリアには防潮堤を建てないことを決め、住宅を含め、市内の整備はあと3年はかかるだろうと言われています。
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パーソナリティ 鈴村健一

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