2017年12月29日

12月29日 九州北部豪雨から半年、福岡県朝倉市の今

今朝は、今年7月に起きた九州北部豪雨の被災地、福岡県朝倉市からのレポートです。
記録的豪雨で大きな被害を受けた地域の一つ、朝倉市。土砂崩れなどによって1000軒近い家屋が被災。半年近くが経った今も、多くの住民が仮設住宅や公営住宅での生活を余儀なくされています。

速水さんは番組で以前取材した朝倉市杷木、石詰地区の小嶋嘉則を訪ねました。

(健)どうですか、直後の頃から半年くらい。いま見てきた中でも重機が入って工事されてる部分はありますけど、変わりました?
(小)そのままですね。作業道が出来ただけですね。あとはもうこれから先どうなるものか・・・
(健)いま居る場所にあった家は流されたわけですが、その後どうされた?
(小)ヘリで救助されて、嫁さんの里が甘木だったのでそこに一回みんなお世話になって、息子たちは奥さんの里におって、私は姉のとこに行って従兄のとこに行って、今度は一緒にみんなで住もうということで、みなし住宅のアパートに。
(健)ここに戻って来るということは考えますか?
(小)私は考えますけど孫たちは嫌って言うしですね、怖いってね・・・、私たちは昔から住んで、先祖さんもあるし墓所もあるし。
(健)ちなみにお仕事は・・・被害は?
(小)観光バスやってます。あそこは2〜30センチは水が上がりましたけど片付けたらそれで。
(健)仕事は支障はなかった・・・、でも住む場所は新しく考えざるを得ないですよね?
(小)どのくらい時間がかかるかわからないですからね。戻りたいけど戻れない、集落が16軒あったうち10軒流れて、まともなのは4軒くらいじゃないですか。うちの娘のところももう住める状態になりましたけど、帰っても隣近所がいない。それをみんな危惧してますね。帰っても集落として成り立たん・・・
(健)でも小嶋さん、発電機買ってましたよね?そこのお家は?
(小)もともと私の家ですけど娘たち夫婦に住まわしていたんで。
(健)そこで発電機を使って生活を?
(小)住むように一応は。希望もあったですから。
(健)いま“みなし住宅”に住んでますけど、この先、家族皆さんどこに住んでいくことになるんですか?
(小)会社の車庫と一緒に移動しようかなと。朝倉市の杷木、旧杷木町ですけど、そこにビルの2階が居住出来るというので、そこをリニューアルしてそこに住もうかなと。私はこっちに・・・娘のところに帰ってきて、娘たちはもう戻って来る気はないと思うんです。そしたらまたどうにかして、一人でもおると皆そしたら帰ろうか〜みたいな、そんな気持ちもあるけんですね。


棚田や畑が広がり、乙石川という小川が流れる、山あいののどかな集落。夏には蛍が飛び、都市部から別宅を構える人もいたほど魅力のある場所だったそう。先の見えないもどかしさの中でも、石詰への思いが伝わってきます。

★ ★ ★ ★ ★

そして今回お話しを伺った小嶋さんの地元の松末小学校、じつは来年春に144年の歴史に幕を閉じます。
これはもともと決まっていたことでもあるんですが、今回の豪雨で被災した影響で、いま生徒たちは違う学校に設けられた仮設校舎に通っています。それでも来年春、最後の卒業式と閉校式は、なんとか松末の校舎で行いたいと、いま校舎の復旧作業が多くのボランティアの協力で進められています。その松末小学校の卒業式・閉校式かかわる方への取材の模様は、大晦日に放送されるJFN年末年始特別番組、『ヒューマンコンシャススペシャル「コドモノチカラ」』の中でお届けします。

出演は、坂本美雨さんと速水健朗さん。朝倉のレポートのほか、ボクシング世界チャンピオン・村田諒太選手のインタビューや、福島県富岡町から届く除夜の鐘、平原綾香さんのニューイヤーライブなどもあります。放送は大晦日の夜11時から元日1時まで。

また現在、「やっちゃった2017、こうしよう2018」というテーマでメッセージも募集中。ぜひ今年の失敗談と新年の抱負を、番組特設サイトからお寄せください。抽選で10名さまに3000円分のクオカードをプレゼントします。

JFN年末年始特別番組、『ヒューマンコンシャススペシャル「コドモノチカラ」』

2017年12月28日

12月28日 仙台初売り

今日は年明け2日、3日に行なわれる宮城県仙台市の伝統行事「仙台初売り」についてお届けします。
お正月といえば全国各地のデパートや商店街で「初売り」が行われますが、「初売り」といえばなんといっても仙台の「初売り」!通常、販売するモノに豪華すぎる景品や特典をつけることは「景品表示法」で禁じられているんですが、この「仙台初売り」だけは国から「特例」としてそれが認められているという、特別なものなんです。仙台商工会議所の、後藤淳さんに伺いました。

◆江戸時代からの歴史
仙台初売りですごいのはまず歴史の部分。江戸時代の書物にもすでに初売りが行われていたと残っていますので、そういう歴史に裏打ちされた行事であること。仙台商品が日ごろのご愛顧、感謝の気持ちを込めて、驚くほどの豪華景品を付けて販売したというのが大きな目玉だと思います。ほかの地域で景品が買った金額の1割までと決められていた時代に、仙台だけは歴史的な商慣行ということで2割までいいですよ、ということがあったほど有名な行事です。もともと古くは旧仙台藩のエリアで行われていた行事ですので、仙台のみならず県内、岩手の県南部、福島の方々も楽しみにしている行事だと思います。正月は初売りに行かなきゃはじまらないというような、そんなところがあると思います。


朝まだ暗いうちからスタートするお店もあって、人気店には長蛇の列が出来るほど。仙台だけでなく東北各地から価格以上のものが詰まった福袋や、茶箱と呼ばれる「福箱」を求めて、たくさんの人が集まります。
そしてこの仙台初売り、東北沿岸部の被災地の企業にとっても、大切な行事だといいます。

◆復興の後押し
被災地で水産加工品などの製品を作ってる方々もようやく工場を再建されて、品物をお客さんに出せるようになって、ひとつはそうして皆さんに早く自分の所の商品を届けたいという方にとっても大きな行事だと思います。震災以降とくに言われるのが、沿岸部の方々から、“もっと仙台市が頑張ってくれよ”という。仙台市が頑張ってくれればその周りの市町村もおのずと盛り上がってくるんだ、だから仙台市さん、もっと頑張ってくれよっていう応援のメッセージを頂くんで、我々商工会議所の職員もそういった気持ちで日々東北全体を仙台が引っ張っていくんだっていう気持ちでやってます。


間近に迫った「仙台初売り」。今回の目玉についても聴いてみました。

◆地域の伝統文化としての仙台初売り
じつは我々もお店の目玉商品は当日にならないと分からない。ここ最近の傾向でいうと、よく言われるモノ消費からコト消費ということで、いろいろ“経験できる”福袋が増えているんじゃないかと。それも女性向けの体験できるような福袋が多くなってきていると思います。それ以外にも街のいろんなところで郷土芸能をやっています。地元の太鼓や獅子舞、南京玉すだれをやってたり、街全体がお祭りをやっているような雰囲気で、こういう初売りは日本全国どこにも無いようなカタチだと思うので、そういう意味でも地域の伝統文化としての仙台初売りというのを、皆さんに体験頂くと面白いんじゃいかなと思います。


今朝は、年明け2日3日に行われる宮城県仙台市の伝統行事、「仙台初売り」について仙台商工会議所の後藤淳さんに伺いました。

仙台初売り、詳しくはコチラから
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パーソナリティ 鈴村健一

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