2018年1月8日

1月8日 平成30年浪江町 成人式 二十歳のことば(1)

今週は、福島県浪江町からのレポートです。

<成人の日誓いのことば>
誓いのことば。あれから7年が経とうとしている今、わたしたちはようやく浪江町へ帰ってくることができました。生まれ育った浪江の町で盛大な式を挙行していただけますことを大変幸せに思います。みなさんは20年間に、どのような人生を歩んできましたか?決して楽しいだけの2O年間ではなかったのではないでしょうか・・・

今日は「成人の日」ですが、福島県浪江町では昨日「成人式」が行われ、県の内外から100人を超える新成人が集まりました。浪江町は、原発事故の影響で町内全域に避難指示が出されていましたが、昨年4月、一部の地域で避難指示が解除されました。そこで今年は、震災以降初めて町内の会場で成人式が行われることになりました。

式典で「誓いのことば」を読み上げたのは、浪江町大堀地区出身の山本幸輝さん。震災当時は中学1年生でした。いまは埼玉に暮らし、東京の大学に通っていますが、ふるさと浪江には強い想いがあります。

◆アイデンティティが壊れるのが怖い
震災前から浪江には南相馬と相馬市一緒にやる「相馬野馬追」という祭りがある。父と祖父が関わっていたので、そこでのコミュニティが強くて、浪江にどうしても未練があるというか。このままなくなってほしくないという思いがありました。
いまは東京の大学に通っていますが、この浪江でどんなことができるのかなと思ったときに、「都市を考える」ということをできたらいいなと思って、そういうことを勉強したくて。なんか浪江で楽しい生活を送れるような町にしたいなと。今日来た友人120人のうち何人かと一緒に。浪江を作っていけるような友達が一人でもいればうれしい。浪江にすごく可能性を感じるというか。できあがっている都市を考えるより、「とにかくやりたい!」という気持ちというか若さを持ち続けたい。

明るいと言われるが、考えることはネガティブなことも多い。最悪のことを考える。なんで浪江でやりたいのかという話で、「可能性があるから」という話もしたが、一番は「アイデンティティが壊れるのが怖い」ということもあって。浪江という町がもしかしてなくなったときに、じゃあ俺どこ出身なんだろうみたいな。浪江がなくなったら、自分のアイデンティティがなくなっちゃうんじゃないかというような怖さもある。浪江がこのままだとやだな、浪江をもう一回どうにかしたいなと言う気持ちは、そこから来たりしている。ある意味ネガティブから来ているところもある。どちらかというと自分の性格としては、そっちがメインかなという気持ち。


山本さんが生まれ育った浪江町大堀地区は「大堀相馬焼」という焼き物で知られる地域。震災前町内には3つの中学があったが、避難のため、友人も各地に移り住んだ。成人式で7年ぶりに顔を合わせる同級生もいると話してくれた。

現在東洋大学国際地域学部に通う大学2年生。都市の在り方について学んでいる。将来の具体的な進路はまだ決まっていないが、浪江の復興や活性化の役に立ちたい、とも語ってくれた。

『LOVE&HOPE』 明日も福島県浪江町の新成人の声をお届けします。

2018年1月5日

1月5日 宮城県名取市閖上「ゆりあげ港朝市」

今週は東北各地のお正月風景、お伝えしております。きょうは宮城県名取市閖上から。

名取市の沿岸部・閖上という地域は、日曜・祝日に開く、朝市が昔から有名な場所です。


およそ40年前に始まった、この「ゆりあげ港朝市」は、お隣、仙台などからもお客さんがやってくるほど、賑わいを見せています。地元の方にとっては、昔っからずっと続いている日曜の朝の風景です。そしてこの週末、こちらでは今年最初の朝市、新春朝市を迎えます。ということで、この朝市の名物ボス。ゆりあげ港朝市 協同組合 理事長の櫻井広行さんに伺いました。


2011年の東日本大震災では壊滅的な被害を受けた朝市は、櫻井さんと朝市のメンバーたちの復興を推し進める努力によって、たった2年という早さで同じ居場所に復活。櫻井さんによれば、「震災前より、お客さんの数は1.5倍に増えている」そうで、その集客力をいまもずっとキープしています。これは、朝市の
営業時間を午前13時まで延長したことだけでなく、お買い物以外の楽しみ・・・例えばお昼ご飯を食べたり、遊びに来たり、家族で楽しめる仕掛けを試行錯誤したことが繁盛だと言います。また、2年という早さで営業を再開したことが、地元の復興機運を高めたことも言われています。

そして今度の7日(日)、8日(月・祝)が今年最初の朝市! 7日(日)は、祈願祭や太鼓演奏もあり、先着2000人にお汁粉を無料で配布、みかん50箱分のみかんまき、紅白餅によるくじびき、そして毎週やっている恒例の炉端焼きももちろんあります。この炉端焼きは、敷地内の炭火焼スペースで、お店で買った魚介類などをその場で焼いて食べられるサービス。ホタテや殻付きの牡蠣、イカ、エビなどなど、海鮮バーベキューが楽しめちゃいます。

そして震災からまるもうすぐ丸7年。町の再生、住民の生活再建について櫻井さんは「公営住宅もできて準備は終わったので、あとは住民が自分の力で移動するか。5000人弱いたが帰還するのは2000人。ゆりあげに新しく暮らしてくれる若い人たちを迎えて新しい町づくりをしないと。昔のままでは寂れていってしまう。仙台空港と仙台の間というとても条件の良い場所。その魅力に気づいていない人が多かったが、しっかり活用していきたい。」と話しました。

ゆりあげ港朝市の新春朝市は、1月7日(日)あさ6時ー13時、8日(月)同時間となっています。
詳しくは、ゆりあげ港朝市HP をご覧ください。
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パーソナリティ 鈴村健一

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