2018年1月10日

1月10日 平成30年浪江町 成人式 二十歳のことば(3)

今週は、福島県浪江町の成人式のレポートをお届けしています。

1月7日に浪江町地域スポーツセンターで行われた浪江町の「成人式」。取材の窓口になってくれた浪江町役場の木村郁也さんは、自らが二十歳の新成人でした。
成人式のあと、浪江地区と大堀地区の新成人には「タイムカプセル」の引き渡しが行われました。当時、小学6年生。震災が起こる一年前に、木村さんがタイムカプセルに入れていたのは「二十歳の自分」にあてた手紙でした。

◆「あなたの夢はなんですか?」二十歳の自分へ
えーこれ、なに!?これ、恥ずかしめっちゃ!ええっと。
「20歳の自分への手紙。いまあなたはなにをしていますか。僕は剣道が大好きです。マラソンもやっています。指導してくださる先生方がいるから、試合でも優勝したりしています。あなたはどうですか。剣道かマラソンは続けていますか。剣道は警察官になるために始めました。あなたの夢は、もしくはなっているのはなんですか。ぜひこの手紙を読んで、お母さんにお世話になったことなどを思い出してください。」

母「思い出してください、お母さんに世話になったこと(笑)」
息子「あれえ〜」
母「なんか“ありがとう”を聞いてないかな?」
息子「ありがとうございます!」
母「マラソンを続けてほしかったかな。」
息子「マラソンと剣道、どっちもやってないね。あ、これはお母さんからの手紙だ」

母「ふみやへ。小さいころからよく動き回る子でしたね。9か月で歩いてびっくりさせられました。妹が生まれてからは、小さいながらよく面倒を見てくれて、本当によいお兄ちゃんでした。お母さんはいつも安心してふみやに妹のことをお願いできました。今のまま優しいふみやでいてください。これからもなにごとも一生懸命なふみやでいてください。ふみやはお母さんの自慢の息子です。
追伸。ふみやのお嫁さんになる人は幸せだなと思います。お母さんが結婚したいくらいです。お母さんより。」

母 普通に浪江で育っていくんだなと思っていたので、まさか震災が起こるなんて。浪江にいたらできなかったこともあるので、悪いことばかりじゃなかったかなと思う。子どもは強いですね。町を残すために頑張ってもらうしかないですね。



『LOVE&HOPE』 明日も福島県浪江町の成人式の様子をお届けします。

2018年1月9日

1月9日 平成30年浪江町 成人式 二十歳のことば(2)

今週は、福島県浪江町の成人式のレポートです。

震災以来、全町民避難が続いていた浪江町では昨年4月、一部の地域で避難指示が解除されました。そこで今年は、震災以降7年ぶりにふるさと浪江町で「成人式」が行われました。今回、成人式の取材の窓口となってくれたのは、浪江町役場・教育委員会・生涯学習課の木村郁也さんです。なんか若いな〜、フレッシュだな〜、と思って聞いてみたら、なんと木村さん自身が、二十歳の新成人でした!

◆福島駅伝を役場の立場からサポートしていきたい
出身は浪江町の権現堂地区で、いま浪江町役場の教育委員会に勤務しています。震災当時は中学校1年生で、ちょうど卒業式が終わった日で、浪江中学校の友達は県外に、遠いところでは大阪や愛知に避難する方もいて、部活が一緒で仲が良かった友達も震災以来会っていない人もいるので、今回浪江で成人式ができるということで特別な思いでみんなに会えるじゃないかと思っています。
避難して3年目に、初めて浪江の町内に立ち入りをしたとき、浪江の一大イベントで「十日市」というお祭りがあって、十日市をやってた通りを車で通ったときにすごく閑散として廃れてしまっていたのがすごくショックだったのがあって。あとは市町村対抗の福島駅伝にずっと参加していましたが、いま務めている役場の教育委員会生涯学習課のみなさんがサポートしてくださったお陰で、震災後も参加し続けることができたんです。避難などで選手集めなども大変だったと思う中ずっと声をかけてくれて、震災後も途絶えることなく出ることができたので、福島駅伝はこれからもずっと関わっていきたいなと思ったので、浪江町の役場が就職先として自分には合っていると思いました。


お話に出てきた「福島駅伝」は、福島県内の市町村対抗の駅伝大会。木村さんは中学高校と陸上部でこの福島駅伝にランナーとして参加してきました。いまは「チーム浪江町」をサポートする形で関わっているそうです。

そして成人式の後、浪江地区と大堀地区の新成人には、タイムカプセルの引き渡しも行われました。

◆8年前に埋めたタイムカプセル
小学校6年のときに埋めたタイムカプセルを引き渡しがあります。なにを入れたんだろう。たぶん手紙かなんかを入れたんじゃないか。二十歳になった自分への手紙。(逆に小6の自分に手紙を書くとしたら?)まあ、震災があるということも当然わかっていなかったので。震災があったけど、いろいろ支えをいただいて、なんとか生活を送れているよと。あとは親への感謝。当時は反抗ばっかりだったので、そこは感謝しないと伝えたいです。これからは成人式を境に親孝行もできたらなあと考えています。


昨年4月、一部の地域で避難指示が解除されて、現在500人ほどの町民が町で生活を始めています。けれども、およそ180人いる元同級生のうち、浪江町で暮らすのは、木村さんただ一人。今後も同級生などが集まって、浪江の話をする機会をつくっていけたらと話してくれました。

明日はお話にあった、木村さんが小6のときに埋めたタイムカプセルの中身が明らかに!?
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パーソナリティ 鈴村健一

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