2018年1月12日

1月12日 平成30年浪江町 成人式 鈴木酒造

今週は、7年ぶりに地元で開かれた、福島県浪江町の成人式の様子をお届けしています。

浪江町の成人式の会場に、鈴木酒造店、鈴木大介さんの姿がありました。鈴木さんは、浪江町・請戸地区出身。震災と原発事故の影響で、いまは山形県長井市で酒造りを続けています。

鈴木酒造店では震災前から新成人に、祝い酒を振る舞ってきました。鈴木さんは式の当日早朝、山形県で日本酒を車に積み込んでふるさと浪江に。紅白のラベルを施した日本酒2本が新成人に振舞われました。

◆親御さんと飲んで震災前の日常を思い出してほしい
「おめでとうございます」「ありがとうごまーす。おいしくいただきまーす。」
「震災前からやっていたが、震災後はちょっとでも親御さんたちとこのお酒を飲んでもらえれば、震災前の日常を思い出してもらえるんじゃないかなという気持ちで。浪江の空気感を持って、それぞれの場所に戻ってもらえればと。ちょうどいまの新成人が震災のとき中学校1年生だったのかな。近所の子もいたので、懐かしくて。元気にしている姿を見て励みになるなと。強いなあと。自分たちは浪江の人たちに力をもらっているので、恩返しのような気持ちですね。


式の後鈴木さんが向かったのは、浪江町の請戸地区です。海のすぐ近くにあった自宅と酒蔵は、津波で全て流されました。周囲は「災害危険区域」に指定されて、いまは住宅などを建てることはできません。自宅と蔵の跡地には、草が生えた平らな土地が広がっています。

◆天気を読むのも酒造りの仕事のうち
あれがちょうど阿武隈の山並み。山の見え方とか雲とか風向きで、だいたい次の日の天気がわかる。ここは漁師町で、子どものころから漁師さんたちが当たり前に話していることを聞いて育ったから、自然と身体に入っています。酒造りは天気を読むのも仕事のうち。
ここ浪江町請戸にいた生活が人生のほとんどだったから、山形県長井市は今日は雪だったけど、こちらに来て晴れているので、空気の乾燥度合いとか、そういったのを見て、ここは自分の感覚のランドマークだなというところはあります。いまはなんにもないですけどね。ここは標高が低いので、お米をふかすという作業にはすごくいい環境で。(自転車ですれ違った地元の方に)あ、こんにちは!今の方は漁師さんです。あの漁師さんも港まで家が近かったけど、復興住宅に移って自転車で4キロぐらいかけて船まで通っているんです。ちょうど港に並ぶ漁船の竹の赤い旗が見えますが、1月2日の船の出初式にもうちの酒をお持ちしたり。船を清める作業にもうちの酒を使ってくれていたので。出初式はすごくにぎにぎしくて、人口の少ない地区だが、その日だけは朝4時くらいから人が歩いていているような感じで。縁起物なので、その出初の船に乗るとすごくいいということで。必ず天気がいい。ここ請戸が晴れていると、山形は雪。これは絶対。山形で雪の日に福島の天気をみるとやっぱり晴れてるな、と。


今シーズンは、山形県長井の蔵で、浪江の米と水を使った酒造りにもチャレンジしているそうです。前を向いて、一歩ずつ。

2018年1月11日

1月11日 平成30年浪江町 成人式 二十歳のことば(4)

今週は、福島県浪江町の成人式のレポートです。

震災と原発事故の影響で避難先で開かれてきた福島県浪江町の成人式が、先日7年ぶりに地元で開かれました。参加者は町の新生人のおよそ6割にあたる、114人。晴れ着に身を包み、それぞれさまざまな思いを抱いて、式に臨みました。

◆請戸に戻って自分にできることで返していきたい
畑中美咲です、菅沼遥香です。浪江町請戸地区出身です。
菅沼「いま大学生で保育士を目指しています。」
畠中「わたしも大学に行っていて、管理栄養士を目指して頑張っています。家が海から近いので、全部流されて、家はもうないです。」
菅沼「私たちの小学校の同級生が二人、被害にあって。6年間クラスが一緒だったので、二人とも仲良くて、悲しかったです。」
畑中「もともと高校にいって就職するんだと思っていたんですけど、震災があったから、地元に戻って自分にできることで返していきたいです。」
菅沼「わたしは保育士になりたいので、小さい子供に伝えていくというか、自立できるような子どもたちに育てていきたいなと思います。」


海沿いの請戸地区は、津波で350戸ほどあった集落のほとんどが被害を受けました。また、原発事故の影響で全世帯が避難を余儀なくされた地域です。
畑中さんは、請戸で300年以上続く伝統芸能「田植え踊り」の踊り手さんでもあり、2月に地元の神社で奉納される「安波祭」にも参加したい、とも話してくれました。

◆親が喜ぶことが私の幸せ
浪江町高瀬地区の増田温佳です。いま家族は郡山でわたしは上京しました。好きなことばっかりやって生きてたんですけど、将来のこととかなにも考えてなくて。デザインの勉強をずっとしていて、資格があるわけではないし、そろそろあきらめなきゃと。二十歳になってやっと、いまやっていることが将来につながらないとわかって、これから専門学校に行くと決めました。来年から歯科衛生士の資格をとるために学校に行って、将来は家族が浪江から離れられないといってずっと福島県にいるので、わたしも戻れたらいいかなと思ってます。家族にとりあえず感謝して恩返ししたい。親が喜ぶことは、わたしが幸せになることだから、自分のことを考えて生きていきたいです。


『LOVE&HOPE』 明日は福島県浪江町の成人式で「祝い酒」を振舞っていた地元の酒蔵のレポートです。
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パーソナリティ 鈴村健一

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