2018年1月29日

1月29日 ふたば未来学園(1)

今週は福島県双葉郡広野町にある高校「ふたば未来学園」からのレポートです。

福島県双葉郡には、以前5つの高校がありましたが、震災と原発事故の影響で避難を余儀なくされ、それぞれ新入生の受け入れを中止。昨年3月、在校生の卒業とともに、5つの高校はすべて休校しました。そんな双葉郡全体の高校生の受け皿として2015年に開校したのが「福島県立ふたば未来学園」です。地域との関わりを重視し、海外研修を取り入れるなど、生徒の自主性を重んじたユニークなプログラムが注目を集めています。
     
開校から3年。一期生がいままさに進学や就職に向けて頑張っているところです。副校長の南郷市兵さんに話を聴きました。


◆教科書に書いてない、課題に一歩踏み出す力を
ふたば未来学園が開校した経緯としては、地域にあった高校が震災で避難して休校になる中で、この地域にどういう高校が必要なのかという根源的な問いを地元の人たちみんなで議論したことが発端でした。わたしたちが育てなければいけない力の一番大切なところは、教科書に書いてある知識も重要だが、この復興の未来をどう作っていくのか、大人も正直誰も正解がまだこの福島見いだせていないところがありますが、解が見えなくても一歩踏み出す力、また世界中の人の力を借りていかなければいけませんから、世界と共同して、たとえ言葉や文化が違っても一緒になにかを進めていく。将来的に子どもたちが必ずここに残って復興を続けるということではなくて、世界中に飛び出していって活躍してほしいと思ってやっています。
わたしたちのカリキュラムの中核は、課題解決力やコミュニケーション力など「こうやってやるんだよ」と教えることができないので、とにかく実践するということに重点を置いて、一期生の生徒たちは、週4時間ぐらい地域に飛び出してさまざまな復興のプロジェクトにそれぞれ取り組んできました。

生徒たちの大きな成長変化、驚かされたことは、それぞれ地域で取り組んできたプロジェクトの中で「コミュニティ再生をやる」と言っていた生徒が、ある日農家から耕作放棄した畑を借りて、一人で雑草を抜いて、一人で畑を耕し始めたんです。結局彼がやりたかったのは、復興事業でこの町に来ている人たちと、地元の人とがあまりコミュニケーションの場がなかったので、そういう人たちを「食」「食べ物」でつなぐイベントができないか、ということでした。普通大人だったら、イベントの企画をして、役場や農協に話したりと考えるだろうけど。そこを畑の草抜きから始めるとは!でも結局彼がそうしたアクションを起こしたことで、一人じゃなく10人、20人を巻き込んで、みんなしょうがないから手伝ったんだと思うが、しかも「農作物をつくるのにいっさい作り方をインターネットで調べない」というルールを自分たちで決めたんです。そうしたら農家にやり方を聞かなきゃいけない。でもそうすることで、農家のみなさんに可愛がられて、農家を巻き込んでファーマーズマーケットを開催しました。口数が少なくてめそめそ泣いてばっかりいる、頼りがいのない子だったんですけどねえ(笑)。


一期生の3年生はおよそ150人。そのうち75%が進学を目指し、25%は就職。また2019年4月からは、中高一貫の学校として、新たな一歩を踏み出す予定しています。『LOVE&HOPE』 明日も「ふたば未来学園」からのレポートです。


2018年1月25日

1月25日 宮戸つばめ食堂(4)

今朝も宮城県東松島市の食堂、「宮戸つばめ食堂」についてお届けします。

日本三景「松島」の一部でもある「奥松島」の宮戸島にオープンした、地域で唯一の食堂「宮戸つばめ食堂」。隣町の東松島市小野で、ベーカリーカフェ「ル・ニ・リロンデール」を営む横山淑恵さんが、週末の金、土、日だけ開いているお店です。

今朝は気になるのは「宮戸つばめ食堂」のメニューについて。

◆ダントツ人気「豚バラキムチ牡蠣鍋うどん」
やっぱりここに来た方に奥松島の食材を楽しんでもらえるメニューを意識しているので、今は3種類で、「つばめ定食」と「豚バラキムチ牡蠣鍋うどん」と「バターチキンカレー」で、市内の食材を使ったメニューをいろいろ提供しています。今いちばんダントツ人気なのが「豚バラキムチ牡蠣鍋うどん」で、牡蠣は宮戸の室浜産のすごく大粒の牡蠣を3つ入れていて豚バラは市内のお肉屋さんのを使ったり、定食の味噌汁も地元のお味噌を使ったりとか。やっぱり外から来た人ってその土地の美味しいものを食べたいじゃないですか。そういったものをここで出したいと思いますね。もともと料理人じゃないんで、料理に自信がない分、食材の力を借りてるというか(笑)。やはり美味しい食材をいかに美味しく使うかってたぶん育ててる人とか作ってる人に聞くと、“こうやると美味しいんだよ”とかあるので、そういった話はいろいろ聞きに行ったり、あと美味しい食材を使って料理してるんだから、美味しいものと美味しいものを組み合わせたら美味しいものが出来るに違いないっていう食材の力を借りてますね。あともともとカフェをやってるので、定食じゃなくてもカフェメニューというのもありまして、カップルとかで来られるときに男性は定食メニューで、お連れの女性はカフェメニューとドリンクとかもあるので両方楽しめるようにしてます。


そんな「宮戸つばめ食堂」がある復興再生多目的施設「あおみな」は、目の前が奥松島の海で「嵯峨渓遊覧」の船乗り場もあり、そして奥松島の絶景が一望できる大高森の登山口の向かいという絶好の場所にあります。さらに夏にはサプライズ企画も考え中なんだそう・・・

◆無人島に夏だけオープンする浜カフェ
いちばんいい季節は夏だと思うんですけど、夏はシーカヤックで無人島まで・・・松の生えた島がいっぱいあるので、ちょっと10分くらいで無人島に降り立って、ぼーっとして、また次の無人島に行ったりとか、なんていいんだ〜ってすごい思って。その浜で“浜カフェ”をやりたくて、シーカヤックで行きつく無人島があるんですけど、そこ、島の人に“道路で裏から入れるよ”って聞いたので、シーカヤックで無人島に着いた人が、移動式のカフェがあって、そこでちょっとひと休みしたり、お食事をしてまた行くっていう、近くに「松島自然の家」っていう施設があるので、そういった方々とコラボしてそういう行事とかイベントとかもして、地元の人ももちろん観光客の人にも喜んでもらって、また来ようってたくさんの人がいつも来てくれて活性化する場所になりたいなあと。なので飲食店だけではなくてそういったイベントとかもやっていきたいなと思ってます。


宮戸島唯一の食堂、「宮戸つばめ食堂」は、毎週末、金、土、日にオープン。場所は宮戸島の復興再生多目的施設「あおみな」の中です。

横山さんのもう一つのお店、隣町・小野の手作りパンのお店「ル・ニ・リロンデール」は、月曜から日曜までお休みなしで営業中です。
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パーソナリティ 鈴村健一

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