2018年2月2日

2月2日 ふたば未来学園(5)

今週は、福島県立「ふたば未来学園」からのレポートです。

2015年4月、福島県双葉郡広野町に開校した「ふたば未来学園」。一期生、およそ150人が、この3月卒業を迎えます。一期生の一人、遠藤健次さんは、福島県双葉郡川内村の出身。「ふたば未来学園」の海外研修で、ドイツの省エネ社会を目の当たりにし、再生可能エネルギーの研究を「自分の目指す道」だと決めました。研究しているのは、断熱材や高性能な窓を利用した「パッシブハウス」や植物から電気を生み出す「植物発電」。「再生可能エネルギーで故郷を元気にしたい。」という強い想いが遠藤さんの原動力です。

◆再エネで「福島=クリーン」なイメージに変えたい
震災があって、もともといい村なのに、こんなに人がいなくなって、こんなに静かな村になっちゃったのが悔しくって、もとの活気のある街に戻したいという気持ちがあって、こういう再生可能エネルギーに関する活動をしています。川内村は戻りつつあるが、富岡町や双葉町、大熊町など原発に近い町はまだぜんぜん放射線の被害で、人が戻れていない。まだ放射線が残っていると、危ないとか危険だと言うまわりからのイメージで、放射線を心配しなくてもいい時期になっても人が戻ってこないという、一番嫌なケースがあるので、そういう問題がないように再生可能エネルギーを推進して、「福島=原発、放射線」というイメージから、「福島=再生可能エネルギー」というクリーンなイメージに変えることで放射線を心配しなくてもいい時期に、人が戻ってくるようになったらいいなと思っています。再生可能エネルギーや省エネが100%の地域は世界的にみても珍しいので、福島が世界から見て再生可能エネルギー、省エネルギーのお手本の地域になる。そうすると、県外海外から教育の場として人が集まってくるので、そこで人口の減少を解決できるんじゃないかと思っています。


遠藤さんは、3月にふたば未来学園を卒業し、4月から福島大学の「共生システム理工学類」という学部でさらに、エネルギー関連の勉強を続けます。

◆将来は再エネの企業で世界に広めたい
自分は福島大学に進学して、エネルギー関係について学びたいし、福島の復興にも携わっていきたい。もっと視野を広げて課題も見つけたいので、福島大学のカリキュラムにある文理融合でエネルギーを学べるので、そこで視野を広げて課題を発見してエネルギーについて学んで、大学を卒業したら再生可能エネルギーの企業に就職したい。グローバル化も進んでいるので、大学では英語も学んで、英語のコミュニケーションも生かして世界でも活躍して、再生可能エネルギーをどんどん広めていきたいと思っています。


一期生、およそ150人の卒業式は3月1日。「ふたば未来学園」で行われる最初の卒業式です。

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そして、今週は福島の現状、また「ふたば未来学園」の取り組みについて、あなたからの感想もお待ちしています。『LOVE & HOPE』のブログ、メッセージフォームからお送りください。抽選で5名の方に、3000円分の図書カードをプレゼントします。
 

2018年2月1日

2月1日 ふたば未来学園(4)

今週は、福島県立「ふたば未来学園」からのレポートです。
「ふたば未来学園」は、避難と休校を余儀なくされた福島県双葉郡の5つの高校の受け皿として2015年に開校しました。学校が目指したのは、知識の詰め込みではなく、「世界の人と力を併せて、困難な問題に立ち向かう力」を育てること。

まもなく卒業を迎える、「ふたば未来学園」一期生の遠藤健次さんは、高校3年間で将来の目標を見つけました。

◆パッシブハウスや新たしい再生可能エネルギーで福島を再生したい
ふたば未来学園高等学校3年の遠藤健次です。川内村出身です。
最初高校に入るときには、復興に携わりたいとは思っていたけど、どう携わったらいいのかわからず。だから、この3年間は自分のこれからの目標や将来の夢を決められた、大事な三年間になったと思います。自分は震災の後原発事故にあって、小学校5年から6年の1年間避難生活を経験して、その経験や高校の研修を通して、福島県の課題を自分なりに2つみつけました。それは原発事故による産業の創出と、放射性物質の飛散による風評被害が主な問題だと感じて。その問題を解決するためにはどうしたらいいかと考えていたときに、一年生の後半にドイツ研修があったんですね。そのドイツ研修でドイツのエネルギー環境について学んで、ドイツにある「パッシブハウス」という省エネの家があるんですが、その省エネの家を日本にも取り入れていければ、再生可能エネルギーがもっと普及して、福島県を再エネ100%にすることによって、風評被害の問題や、再エネという新産業を創出することができるので、2つの課題をなくすことができるのではないかと感じているので、現在はふたば未来学園の特徴でもある「未来創造探求」の授業で、パッシブハウスと植物発電の再エネを研究、調査をしています。パッシブハウスの特徴は3重窓。自分も実験をしたが、窓の枚数を重ねるごとに外の温度をシャットダウンできるが、日本の場合夏になると湿気が多くて温度も高くなってしまうので、そういう点を考慮した日本にあうパッシブハウスをつくらなきゃいけないので、そこをいま考えていますが、思いつかなくていま苦戦しています。
自分は新しい再生可能エネルギーもつくりたいなとも思っていて。植物発電は微生物で発電するもので、植物を利用して、微生物が植物から出る栄養素を分解して電子が放出されるということが調べてわかったので、その電子を使って発電する仕組みの研究を進めています。植物発電だと植物を生かしたまま発電できるので、これからのエネルギーに一番適しているのではないかと思っています。


パッシブハウスや植物エネルギーなどの再生可能エネルギーで福島を再生したいという遠藤さん。さまざまな実験の結果をニューヨークの国連本部でプレゼンしたとのこと。卒業後は、福島大学の「共生システム理工学類」という学部でさらにエネルギー関連の勉強にまい進するそう。

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パーソナリティ 鈴村健一

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