2018年3月14日

3月14日 富岡の子供たち ふるさとを訪ねる(2)

今日も、福島県双葉郡富岡町からのレポートです。

原発事故の影響で福島県富岡町から三春町に避難している小学校5年生の男子、3人。原田アオシ君、横田ソラ君、根本ヒロム君の3人が、自分たちのふるさと、富岡を訪ねています。富岡町では、昨年4月から町役場の機能が町に戻り、10月にはJR常磐線の富岡駅も運行を再開しました。商業施設「さくらモールとみおか」もオープンして、町に帰還した方たちの生活を支えています。

店内のフードコートに出店した「浜鶏(はまどーり)」は、鶏ガラを使ったラーメンが人気のお店。3人は、「浜鶏」の藤田大さんに話を聴きました。

◆富岡町民のお客さんは10人に1人
空:こんにちは!僕たちは富岡第一、第二小学校の5年生です。将来自分の言葉で富岡町の復興の様子を伝えることができる大人になりたいと思っています。20年、30年経って、子どもができたころには、富岡町はいまよりもずっと復興が進んで素晴らしい街になっていると思います。それは富岡町の復興を信じて多くの方たちが努力したり、工夫したりしてくださったからだということを伝えていきたい。そのためにいまの富岡町の様子を自分の目で見たり、自分の耳で聴いたりしたいと思った。今日はよろしくお願いします。
藤田:すでに泣きそう
大夢:お客さんで富岡町民の方はどのくらいいますか?
藤田:10人に1人ぐらい。だんだん増えてきている。富岡町はまだまだ復興の途中で解体工事が行われている。復興に向かって新しい仕事もできていているので、そういった仕事に携わる人たちが利用してくれている。
そら:10年後、20年後はどんなお店にしていきたいですか?
藤田:もっとラーメンを美味しくして、富岡の人はもちろん、外からも食べにきてくれるようなラーメンを提供したい。

3人:いただきま〜す!チャーシューがとろける。ああ、うめえ!AOS。甘くておいしい!

藤田:子どもって地域の未来だなあと思っていて、またこの街で子どもの声が聴けるようになるのはいつかなあと思っていて。だから今日はとってもうれしい機会だったし、富岡の子どもたちも、こういう思いを持っている子たちがいるんだなあというのを改めて知ることができた。わたしもますます頑張らないと、彼らに引き継ぐまでのバトンを。街は必ず復興していくので、信じて頑張っていきたい。


「浜鶏」は、藤田さんの祖母と父が、昭和24年に創業した精肉店「鳥藤」が土台。震災後は、仕出し弁当やコンビニ経営など、できることはなんでもやったという藤田さん。全町民避難の間も、「いつか富岡で商売を再開する」という強い思いがあったそう。

アオシ君、ソラ君、ヒロム君の3人。
明日は、自分たちが通うはずだった富岡の小学校を訪ねます。

2018年3月13日

3月13日 富岡の子供たち ふるさとを訪ねる(1)

今日から4日間は、福島の小学5年生達による、「ふるさと」のレポートです。

福島県双葉郡富岡町。震災後、全町民避難が続いていましたが、昨年4月から一部の地域を除いて町民の町への帰還が始まりました。ただ、町で生活を始めたのは、もと町民の3%にも満たないのが現状です。

また震災前、町には二つの小学校に、あわせて800人以上の児童が通っていましたが、震災後は県内の三春町にある仮校舎で授業を行ってきました。現在、仮校舎の児童は、6学年併せて11人です。

今回、そんな富岡第一・第二小学校三春校に通う、小学5年生の男子、3人が授業の一環として、自分たちのふるさと、富岡町を訪ねることになりました。この3人です!

◆仲良し3人組!
こんにちは!僕たちは富岡第一第二小学校の5年生です。僕は原田蒼史です。最近のマイブームはプロレスごっこです。僕は横田空です。好きな食べ物で二番目に好きな食べ物はカレーライスです。僕は根本大夢です。最近のマイブームはアークサバイバルエボルブドのゲームです!


3人はそれぞれ3−4歳のときに震災を経験。家族とともに三春町に避難して生活しています。「自分たちのふるさとを自分たちの目で見て、町の人に話を聴きたい!」そんな3人の想いが、大人たちを動かしました。

◆今の富岡町を自分の目で確かめたい
富岡第一小学校5年担任の大室けいじろうと申します。最初1学期は富岡町について覚えていることをみんなで書き出したが、震災当時はまだみんな4歳ぐらいでほとんど記憶がなくて。富岡町のことをどうやったら調べられるかなということで、新聞記事、町の広報誌などを集めて、そうすると富岡町に電車が通るようになったとか、ホテル、スーパーができたとか、1年の間だけでこんなに変わってきている、じゃあ僕らが大人になったときにはもっと賑やかになっているはずだけど、いま僕たちが子どもときにしか見れない富岡町があるはずだということで、僕たちの目で実際に見たり聞いたりしておこうかと考えていたところですね。


3人がまず向かったのは、昨年10月に運行を再開した、JR常磐線の富岡駅です。

◆「海が見える〜!海だ!」
蒼史:いま富岡駅に来ています。 わあ〜!海見えた!海だ!海だすごい!
校長:あそこに岩が見えるのわかるかい?あれがローソク岩だったんです。あれが津波で折れちゃったんです。この海が荒れ狂ったんだな〜3.11の時には。この風を味わってほしかった、浜風。三春町では味わえない風です。
蒼史:なんか潮の匂いが。
校長:さすが、それを感じてほしかった。落ち着きますね。校長先生の大好きな匂いです。
蒼史:鳥の鳴き声もする・・


3人はさらに、富岡町で街でお店を再開した人、そして自分たちが通うはずだった小学校を訪ねます。その様子、明日以降、お届けします。
 
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パーソナリティ 鈴村健一

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