2018年3月16日

3月16日 富岡の子供たち ふるさとを訪ねる(4)

今日も、福島県双葉郡富岡町からのレポートです。

今週は、原発事故の影響で、富岡町から三春町に避難している小学校5年生の男子3人組が、自分たちのふるさと、富岡を訪ねる様子をお聴きいただきました。それぞれ3〜4歳で震災を経験し、富岡を離れた、原田蒼史君、横田空君、根本広夢君。富岡の風や空気に触れ、富岡の人に出会い、富岡の味を楽しんだ3人に改めて、「富岡町はどんなところか」、聞いてみました。

◆富岡町は「想い出の場所。ふるさと。」
あ)思い出の場所かな。4年くらいしか住めなかったけど、富岡町にいて記憶にもないけど、海を見たり、散歩したり、中央商店街で買い物したりとかしていたので、大人になったらでもいいので、富岡町がもっと復興して、さっき話した思い出のように一人で歩いてみたりとか、中央商店街がもし復興していれば買い物とかしてみたいです。

ひ)まず出てくるのは故郷ということ。僕も行ったとき人通りが少なかったのでいろいろな建物やお店が増えたらいいなと思います。人々も戻ってきてほしいと思いました。

そ)僕も新聞では新しくなった建物ばかりで、それ本当かな?と思っちゃったんで、行ってみたら崩れた建物が多かったのでできれば崩れているところがなくなってほしいですね。悪い思い出が蘇らないように早く撤去してほしいと思うんですけど、10年後ぐらいにはたぶんみんな忘れると思うけど、この災害とか地震を忘れないでほしいと思います。富岡町は住んでいたところなので故郷かなって思います。



横田空くんのお母さんがインタビューに答えてくれました。
   
◆空は富岡に帰ったことで、夢が変わった
空は地震以来去年初めて富岡に入った。実際学校を見に行ったあとに、「うちの近く通った?」と聴いたら「通ってない」というので、「じゃあ一遍家を見てみる?」ということになって、震災後初めて家族で富岡に入った。家の様子とかを見て、まだ取り壊しとかはしてなくて、中はもぬけの殻で、「まだ家が残っていたね、よかったね」なんて話した。「ここで僕自転車で遊んだんだよね」とか。当日のことは覚えているみたいで「ママが外に出ろっていったから外に出た」とか。ちょうどわたしも家にいて一緒だった、当日は。(空君が富岡をとても大切に思っていると聞いてどう?)そんなふうに考えていることを知らなかった。たまに(空が)夢で町役場の職員になりたいと言っているのを聞いて、もともと夢は違ったような気がするけど、いつから変わったんだろうと考えたり。やっぱり(震災のことを)見たりいろんな人から聞いたりして、そう思うようになったのかなと。すごくびっくりして。うれしい。



『LOVE&HOPE』来週は、福島県の浪江町で漁師を目指す26歳、鈴木綾乃さんの挑戦です。

2018年3月15日

3月15日 富岡の子供たち ふるさとを訪ねる(3)

今日も、福島県双葉郡富岡町からのレポートです。

原発事故の影響で福島県富岡町から三春町に避難している小学校5年生の男子、3人。原田アオシ君、横田ソラ君、根本ヒロム君が、自分たちのふるさとを訪ねました。

子供たちが中でも印象に残っているのが、通うはずだった、富岡第一小学校です。3人が現在通っている避難先の三春校は、工場の敷地を間借りした仮校舎。一方、富岡にある第一小学校は、グラウンドやプール、さらに理科室などの特別教室を備えた3階建ての校舎です。

◆通うはずだった校舎で見たものは
先生:こっちは南校舎っていいます。校舎が2つあります、北校舎と南校舎。
蒼史:地震が起きたときにここに座っていた生徒たちはどんなふうになりましたか?
先生:さようならして、みんながちょっと教室を出始めたときに地震がきました。でみんなもどってきて、机の下に頭入れろっていって、だいたい3〜4分くらい地震がずっと続いて。その間は一言も誰もしゃべらなかった。きゃーもなかった。泣く子は泣いてたけど。で、大津波警報が出たので外に出て、全学年で高台に避難しました。
蒼史:初めてここ(富岡にある自分が通うべきだった小学校)に入ったけど、「何年」はわかるけど「何組」とか初めてなので。わーひろい!
先生:ここが家庭科室、ここが理科室・・

◆大室先生&校長の感想
大室:震災後初めてですかね。やっぱりこの草とかががっかり。子どもがいないというのも寂しい、学校なのに。
校長:ここで子供たちと一緒に勉強したかったですね。前は500人くらいいました。子どもたちから「僕たちが通うはずだった学校を見たい」、という声があったから、今日ここに来ました。この子たちにそういう思いが残っているんだなと思って、うれしかった。(〜学校の鍵を閉める音)


今はこの校舎は閉鎖中ですが、机や黒板は震災当時のままです。

富岡町ではこの春、町内で小学校と中学校が再開します。震災前は、小中学校あわせて、合計1500人程の児童生徒が通学していましたが、4月に再開する町内の小中学校に進学するのは、あわせて16人。アオシ君、ソラ君、ヒロム君は、引き続き仮設の三春校で6年生に進級するそうです。
ふるさと富岡を訪ねて、3人はなにを感じたのでしょうか。明日、お伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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