2018年4月3日

4月3日 陸前高田「高田暮舎」

今日も、岩手県・陸前高田市からのレポートです。

昨日ご紹介した陸前高田の「桜ライン、311」代表理事の岡本翔馬さんは、ほかにも地域復興のさまざまな取り組みにチャレンジしています。その一つが、「高田暮舎」。陸前高田に移住や定住を考える方に情報を提供。移住定住後のサポートも行っています。

◆地域の人との円滑なコミュニケーションづくり
陸前高田市の移住定住総合支援事業を請け負っている法人格。陸前高田市に引っ越してきたいという方に情報提供を行ったり、高田の場合は街の中心が流されてしまったので、そもそも家がないので、空き家バンクや住む場所の情報提供が活動の中心。わたしたちが特徴としたいと思っているのは、過不足のない情報をちゃんと正しく伝えること。陸前高田は東日本大震災で大きなダメ―ジを受けているので、必ずしも利便性がいいわけでもない。地域の人たちに受け入れられて、自分の居場所だと思えるかどうかというのがすごく重要なことだと考えている。地域の人たちと移住者さんが、円滑なコミュニケーションをとれるようになるような事業を展開しています。


岡本さん自身、陸前高田市出身。大学卒業後、東京で仕事をしていましたが震災をきっかけに故郷に戻り、地域の復興に取り組んでいます。

◆自分らしく生きる
僕が今回震災をきっかけにUターンして陸前高田でいろいろやらせてもらうなかで、外の人たちとなにかやる、やりやすい環境があるというのが、いまの陸前高田の特徴の一つだなと思っています。震災をきっかけに、個人の方や団体の方、企業や行政など、いろんな人たちが行政に関わって、いまのこの街があるので、地域だけでなく外の人たちと一緒にどう復興に向かっていくか、その先の街づくりを見据えていくかということが、ある種ベンチャーがしやすい空気が陸前高田の特徴だと思います。実際に移住してくるかたで僕の周りにすごく多いのは、「自分らしく生きる」ということに意識や関心が強い人が多いなと。そういう意味では、必ずしも陸前高田が都市部のように発展していくのがいいのではなくて、いい意味での地域らしさ、人のつながりで生かされているんだなと思う瞬間が多くて、それは地域のつながりも強いので、その中から自分らしさ、自分の居場所だと思えるような街づくりができるんじゃないかなと思っています。


「ポジティブな過疎地を創る」これが、高田暮舎のミッションだそうです。
誰もが「自分の居場所」を探している。陸前高田に興味を持った人の、「自分らしく生きたい」という気持ちを応援するのが「高田暮舎」です。

詳しくは「高田暮舎」のfacebookで確認を。

明日も岡本翔馬さんのお話です。

2018年4月2日

4月2日 桜ライン311

今日は、「桜ライン311」の話題です。

東日本大震災による津波で甚大な被害が出た、岩手県・陸前高田市。津波は市街地にもおよび、人口のおよそ10分の1が犠牲になりました。「この教訓を次の世代に伝えたい。」そんな強い想いからスタートしたのが「桜ライン311」です。これまでも何度か、この「LOVE&HOPE」でご紹介してきましたが、今日はその最新情報。お話は、「桜ライン311」の岡本翔馬さんです。

◆植樹活動に20年かかる理由
2011年10月からスタート。陸前高田市内の津波到達地点に17000本の桜を植えて、どこまで津波が来たかを後世に残そうという取り組み。いま現状、市内でおよそ2800か所に1400本くらいの桜を植えました。震災から7年が経ち、大きな課題としては、わたしたちの植樹の事業は植えるだけでも20年ぐらいかかるだろうと認識していて、なんでそんなにかかるかというと、一つは復興関連の工事が終わらないと植えられない現場がたくさんあること。もう一つは地域の人が遺したいと思えるまでに時間がかかるということ。例えば津波の到達地点上にご自宅があって流されて、ご家族が流されていたとすると、東日本大震災は覚えていたい出来事かというと、残念ながらそうではない。(東日本大震災と大津波のことを)なかったことにはしたくないというのは地域の皆さんが皆思っていることだが、それに自分が自発的に参加できるよになるには、それぞれ時間が必要で、それが5年の方もいれば10年の方もいれば20年の方もいる。50年、100年と街に受け継がれていく事業をどういうふうに繋げていくかというのは、これからやっていかなきゃいけないところだと思っています。


陸前高田市の津波の到達地点は、ラインにすると全長170キロ。そこに10メートル間隔で桜の木を植樹すると、全部で1万7000本になるという計算です。「桜ライン311」では、毎年春と秋に、桜の木を植える「植樹会」を行っています。

◆未来にどう伝承していくか
先日3月10日にも植樹会を行って。北は北海道、南は愛媛からもお越しいただいきました。街が復興に向かう中で外の人が関わりやすいプロジェクトがどんどん減っているのも事実。こうして継続的に町の未来に関われる「桜ライン311」のような事業はすごく価値があるものなんだよ、と先日おっしゃっていただいた。来るきっかけを与える、という意味で。まさにわたしたち桜ライン311は未来にどう伝承していくかがテーマ。そうなったときに、伝承する人は必ずしも地域の人だけではなく、日本全国の皆さんに参加いただけたらと思っているんです。最初に来た人が親しい人を連れてきたりして、徐々に活動の輪が広がっていくことは、すごくうれしいことだと思っています。


一言で「桜を植える」といっても、そのプロセスは結構大変です。苗木の入手や土地の取得交渉、桜の木の手入れなど、多くの人の手で支えられています。
2011年に植えた桜は、すでに5メートルくらいの高さに成長し、今年は例年より3週間ほど早く、3月のうちに開花。今週早くも身頃を迎えるということです。

活動の様子、支援の方法など詳しくは「桜ライン311」のサイトをご覧ください。

明日は岡本さんに、陸前高田への移住をサポートする「高田暮舎」の活動について伺います。
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パーソナリティ 鈴村健一

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