2018年5月16日

5月16日 熊本県益城町 岡本商店(3)

今朝も昨日に引き続き、熊本地震で被害の大きかった、益城町からのレポートです。

益城町で明治の頃から商店を営んでいた、岡本商店。ご主人の矢野好治さんが作る「益城プリン」が人気のお店です。2年前の熊本地震でお店は全壊、今は町内の仮設団地で、仮設店舗で営業しながらお店の再建を目指しています。

一方、もとあった店舗の場所は益城町の中心部を走る、県道沿いでした。震災後、県は2車線だった県道を「4車線にする」と決め、店舗のあった場所には建築制限がかかり、岡本商店は立ち退きを求められています。それでも岡本商店の矢野さんは、「一日も早く、元の場所で再建したい」と願っています。そこには、これまで商店を支えていた先代、義理の母への想いがありました。

◆母さんを益城町に戻してあげたい
今後については全く先が見えない状態です。地震直後〜1年後ぐらいまでは、よしまた頑張ってお店再建してまたやり直さんといかんね、という気持ちの方が100%だったんですけど、これが長期化して2年目になると、さぁ頑張るぞという気持ちよりも不安の方が占める割合が大きくなってくる。2年でこれですから3年後にはどうなるかと思ったら、自分たちのモチベーションもそこまで続くのかなという不安はありますね。今この仮説の店舗の期限が3年ということで来年の秋には一旦答えを出さないといけない。その時もしまだ県との話し合いが続いていて次行く場所が決まってなければひょっとしたらこのお店もリースの期限が切れるのでお店も一旦たたまなければならないかなと。ただ一旦お店をたたんで次再開となると、自分たちの気持ちの面も一旦途切れてしまうと次再建したい、という気持ちが出るのかも不安だし。だから一日でも早くお店再開したいというのが今の気持ちですね。
(お母さんの自宅でもあったので、自宅再建の目途が立たないということですよね)そうですね、今母さんも見なし仮設に住んでいるんですけど、そっちも期限が決まっているので、自宅再建もできない、自分たちの土地なのにそこに建物が建てられない、複雑です…。とにかく母さんを益城町に戻してやりたい。場所を代えてでもそこに岡本商店の土地を買ってそこにお店と家を建てて母さんが安心して生活できる空間に戻してやりたい。そういった意味ではまた益城町で、という想いは強いです。
今までいろんな方たちに地震後助けられてきたし仮設のお店ですけど皆さん応援してくださるんで「益城プリン買いに来ました!頑張ってください!」って言われるとやっぱりそれはエネルギーになりますね。



阿蘇のジャージー牛乳使用、岡本商店の「益城プリン」はなめらかで甘さ控え目、牛乳の旨みがダイレクトに味わえます。カラメルを混ぜると2度楽しめます!ノーマルの他、黒ゴマ、コーヒー、お茶味の「茶っぷりん」もお試しあれ!
場所は「益城テクノ団地笑店街」。詳しくは岡本商店のfacebookをご覧ください。

2018年5月15日

5月15日 熊本県益城町 岡本商店(2)

今朝は熊本地震でとくに被害の大きかった地域、益城町からのレポートです。
この益城町で明治の頃から商店を営んでいたのが、自家製の「益城プリン」で有名な「岡本商店」。地震で店舗は全壊となり、今は町内の仮設団地で仮営業しながらお店の再建を目指しています。

一方、もともと店舗のあった場所は益城町の中心部を走る、県道沿いでした。震災後、県は2車線だったこの県道を「4車線」に広げて、災害時に緊急車両が通りやすくする計画を発表。住民の多くがそれを知ったのは、拡張工事が決まった後だったと言います。岡本商店の矢野好治さんもその一人でした。4車線化が決まったことで、店舗のあった場所に建築制限がかかり、立ち退きを求められています。

「一日も早く、元の場所で再建したい」と話す、岡本商店の矢野さんに話を聞きました。

◆一日も早く元の場所で再建したいが、叶わない
元の場所に再建しようと思って業者を探したりどういったお店にするかとかいろいろ動いていたときに4車線化の話しがでて、そこは建築制限がかかるから建物が建てられませんって決まっちゃったんで僕たちもあれよあれよという間に全てが決まってしまって今では建物が建てられないでいます。
益城町の県道沿いを歩けばわかるんですけど、もう家を建てて元の生活に戻っている方もいれば、まだ解体できずに震災当時のままの家があったり、うちみたいに更地になってそこから先へ進めない人もいて復興の仕方もそれぞれバラバラ。
この仮設店舗の期限が3年で店舗のリースが切れるということでその後は全く未定。当然新しい場所を探して店舗再建したいんですけど県との話し合いがなかなか進まない。保証の問題もあってうちは「元あった場所で現状その土地に建物はないし営業もしていないので保障はありません」と聞きました。やっぱり4車線を作るんでそこを立ち退いてくださいというのであればその部分は保証してもらいたいけど、建物がない/営業していない、って言われても、それは地震で建物がなくなったわけで、営業してないのは建築制限がかかってしまったからで、僕たちの意思で営業してないわけじゃないんですよね。それなのになんの保証もないというのは、店舗再建が難しい状況なんですよ今…。最初は代わりの土地を見つけますと言っていたので僕たちも安心していたんですけど、今のままではちょっと待ってください話が違うのでは?という感じになって、あの場所を売るのは今の状況では納得できないのでサインはできない現状でいます。できればお店で商売をしているので一日の売り上げが生活費になるので一日も早く再建して元の生活に戻りたいんですけどそれも今は叶わない。だからもう少し寄り添った交渉をしてほしいなと思います。


益城町の中心を走る県道の4車線化。矢野さんは、この4車線化に反対しているわけではなく、もともと自宅兼店舗があった場所は、今は更地になっていて建築制限がかかる中で、「建物がない/営業していないから、補償はなし」というのはおかしい、と話す矢野さん。ただでさえ被災して大変な生活をしている中で、
再建に向け前に進めない状況を作っている県側の復興計画。「寄り添った交渉をしてほしい」という矢野さんの想いに今後どう応えていくのでしょうか。

明日も岡本商店 矢野さんのインタビューお伝えします。

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パーソナリティ 鈴村健一

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