2020年2月7日

「小高工房」廣畑裕子さん?

今朝は昨日に引き続き、福島県南相馬市小高区の「小高工房」代表、廣畑裕子さんのインタビューです。



2016年7月に避難指示が解除された小高区で、住民たちが集うコミュニティサロンとして工房はオープン。今は小高で収穫されたトウガラシを使って、さまざまな加工品の開発、販売もしています。

廣畑さんは震災後、隣町の仮設住宅から小高へ通うようになりますが、賑やかだった町が、当時は、ほとんど会う人もいない、訪れた人が立ち寄る場所もない、という状況。そんななか、“気軽に立ち寄れる場所を”ということで、ここを立ち上げました。そうしているうちに、ここに集う人たちも増え始めて、いよいよ町の新名物として、トウガラシの加工品が誕生します。

◆「トウガラシならイノシシも食べないから」

「平成28年の7月12日が避難指示解除ですよね。ただ家に帰ってきたはいいけれど何したらいいかわからないっていう人もいるし、隣はどこに行ったんだっていう風に、“何月何日みんなで手を繋いで帰ろう”っていうことじゃないので。で、今度秋ぐらいになると、今度は“とりあえず植えてみたさつまいもをイノシシに食べられた”とか、あとは“作ったはいいけどうちの子供達とか誰にもあげられない”とか、そういうなんか不安の話ばっかりだったね28年の秋くらいは。でもそっから、イノシシにトウモロコシもやられたキュウリもやられた何もやられたっていうけど、唐辛子はやられたって誰もいなかったね。だから試しっていうかね、唐辛子をとりあえず植えてみっかって。3人で15本の唐辛子をとりあえず植えてみた。そして秋の復興祭みたいなところで10グラムずつ入れた「一味唐辛子」を200本作って売りに出しただけれども、復興祭の一日目で小高の人がみんな来て買ってくれて全部完売することができたんですね。「いやなんだこんなことできんのかあ」みたいな話もあった。まだ放射能が心配だっていってたけども、とりあえずその15本で作ったものは放射能は測っても出なかったんですね。そして次の年、唐辛子を作ってくれる人の募集をしたんです。そしたら64軒の方が“やってみっか”っていう話。だから崩れ去ったコミュニティの中から、やっと繋がり・・・辛い繋がりができちゃって、そういうことが起きてきたんですね。だからこんど私がやらなきゃならないのは全部売り切ること。だからいろんな人の手を借りて商品開発してもらったり販路開拓してもらったりしながら、次々やることができました。」


当時はイノシシが我が物顔で町に下りて来ていて畑の野菜が荒らされる一方。でもトウガラシはイノシシも食べなかった。そんな理由から栽培を始めて、いまやいろんな加工商品が出るまでになりました。





住民たちが作ったトウガラシを工房で買い取って、作った商品たち。なかでも人気なのは、ラー油ではなく、菜種油を使った「辛油」。すっきりとしていていろんな料理に合うということです。

「小高工房」のオフィシャルサイトで購入できるほか、南相馬の道の駅でも買うことが出来ます。

小高の新名物、「小高工房」のトウガラシシリーズ、ぜひ味わってみてください。



2020年2月6日

「小高工房」廣畑裕子さん?

今朝は、福島県南相馬市小高区の「小高工房」代表、廣畑裕子さんのインタビューです。



2016年7月に避難指示が解除された小高区で、住民たちが集うコミュニティサロンとしてオープン。今は小高で収穫されたトウガラシを使って、さまざまな加工品の開発、販売もしています。

まずは工房の立ち上げの経緯について聞いてみました。

◆「誰かに会いたかった」
「小高工房は平成29年3月1日、開業届を出して始まるんですけども、平成27年の春くらいから、街なかに来て「双葉屋」さんの女将さんと「浮舟の里」の久米さん、いつも合う3人と会っていろんな話をしてたけども、3人くらいしか会わなかったつったらいいのかな。小高の街に仮設から通ってるけど、誰かないないかなと思っても、いなかったんだね。そして女将さんと久米さん・・・駅前で花植えてる人と変なところで鯉のぼりあげてる人と集まって話をするってことをずっと過ごしてきたんだけれども、平成27年の時に、駅前の、今はダイナーボンズになってるところのおじさんが“ここで誰かやんねーかな”みたいな話になって、“誰か使ってくれるんだったらタダで貸す”みたいな。で、じゃあ貸してもらえるんだったらみたいなことで、1ヶ月間かけて津波のところ洗ってペンキ塗って、そして27年10月1日に一応「開所」っていうかたちになるんだけれども、ほとんど人、来ませんでした。“なんでやったの?”ってその時言われましたけども、たぶん自分が誰にも会わないっていうこの違和感というか寂しさというか、そういうところで誰かに会いたかったんだと思いますよ。誰の為でもなくて私がたぶん誰かに会いたかったんだなってすごく思います。うん。」




平成27年から廣畑さんは、隣町の仮設住宅から小高へ通うようになりますが、ほとんど会う人もいない、訪れた人が立ち寄る場所もない町に、“気軽に立ち寄れる場所を”ということで「小高工房」を作りました。

お話にあった「双葉屋旅館」の女将、小林さんは、“誰もいない駅前にプランターを置いて花を植えてた人”。今は小高駅前にある旅館も営業を再開しています。“変なところに鯉のぼりを上げてた人”の久米さんは、小高産のシルクによるアクセサリーなどを手掛けるNPO「浮船の里」の代表。3人は姉妹のように仲がよく、そしてそれぞれに、避難指示の解除前から、小高の再生に尽力されています。

開所したころは“誰も来なかった”「小高工房」。その後徐々に集う人が増え始め、そのうち、ここから、トウガラシを使ったオリジナル商品が生まれます。明日はそんな「小高工房」の商品についてもお伝えします。

小高工房
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パーソナリティ 鈴村健一

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