2019年1月10日

新成人の声2 コバルト―レ女川 千葉洸星くん

きのうから、東北の「新成人たちの声」をお届けしています。
今朝は、宮城県女川町出身、コバルト―レ女川のFW、背番号9番 千葉洸星くんです。


◆「サッカーで恩返しがしたい」
コバルト―レ女川の千葉洸星20歳です。小学校6年の時に震災があって、女川町は壊滅的な状態だったので最初の頃はサッカーもできず。そんな中でも日本や世界の方からの支援のおかげでサッカーできるようになって、恩返ししたい!というか、そういう人たちに絶対に返していきたいなと思うようになって、更に頑張るようになりました。


洸星くんは被災した中でもサッカー選手になる夢を追い続け、高校卒業後、地元のクラブチーム「コバルト―レ女川」に入団。

そして洸星くんはじめ、当時小学6年生だった女川の子供たちを中心に、1000年後の命を守るために「いのちの石碑」プロジェクトがスタート。現在も活動を続けています。

◆「1000年後の命を守るため、この活動はなくなることはない」
女川町の21の浜に石碑を建てる、という活動をしてきて、石碑を建てる場所は津波の到達地点で、いざとなった時にこの石碑より上に逃げて、という想いも込めて石碑を建てました。最後の1基は2020年にできる女川小中一貫校に建てます。高校卒業してみんなそれぞれ違う道に進んで、女川を離れて大学へ進学する道を選んだりアメリカに留学したり、バラバラにはなってしまったんですけど離れていても「この活動はなくなることはない」と思っていますし、僕たちが経験したあの日の津波や地震を、1000年後の命のために僕たちができることを精一杯頑張っていきたいと思います。そしてサッカーの方も、女川町にクラブチームがあることをすごく魅力に感じますし、FWをしているのでこれからももっともっとゴールを量産していってチームに貢献できるよう頑張っていきたいと思います。


女川の「いのちの石碑」、以前番組でもご紹介しましたが、彼らが中学3年生の時に1基目ができ、これまでに17基が完成!成人になった今でも活動は続き、最後の21基目は、2020年に開校する女川小・中一貫校に建てられるとのことです。

そこで役目が終わりかと思いきや、「1000年後の命を守るため、この活動が終わることはない」と話している彼ら。今後も「いのちの教科書」の改訂版、いのちの石碑のマップ作りなど続いていくそうです。

『LOVE & HOPE』、明日も新成人の「声」をお届けします。

2019年1月9日

新成人の声1 岩手県大槌町出身・岩間大くん

今日から金曜までは、東北の新成人たちの「声」をお届けしていきます。

今日一人目は、2016年春のセンバツ高校野球、21世紀枠で甲子園に出場した、釜石高校のエース・岩間大くんです。彼は、震災で大きな被害を受けた大槌町の出身。津波に流されたお母さんは今もなお行方不明のままです。

甲子園では、“どこかできっとお母さんが見ている”と腕をふりつづけ、みごと1回戦で小豆島高校に勝利。勝ち投手となって感動を呼びました。


(その当時の岩間大くん)

そんな彼は、いま中央大学の2年生。肘を痛めていたこともあって野球はそれきり、離れてしまったそうですが、今どうしているのか?震災からの月日を振り返りながら、ハタチを迎えての思いを語って頂きました。


◆いまも母は“頑張る原動力”

「まず長さだったり時が経つ速さで見ると、本当にいま思い出すと8年はあっという間だったなって感じがします。自分の成長だったりどのように変わったかって考えると、やはりこの8年間で「感謝」っていう心を覚えたり、周りへの気配りだったり、心が大きく成長できたのかなって思います。8年間ずっと変わらないのは、母がそばにいてくれるっていう気持ちは変わらないですし、中学高校と変化してきてるのが、中学高校も母が見てくれてるから頑張らなきゃって気持ちはあったんですけど、大学生になって自分で選択をして自分で何を頑張るかって決めなきゃいけない環境になったので、サボろうと思ったら何事もサボれるんですけど、そんな時に“母が見てくれてるちゃんと頑張らなきゃっ”って思うことで、やっぱり大学生活も自分のやりたいことに向かって頑張っているので、母はやっぱり自分の拠り所ですし、頑張る原動力だと思ってます。いま大学2年生から始まったゼミでマーケティングの分野を学び始めたので、卒業後は大手の企業に就職しようと考えてるんですけど、30歳後半からはそのマーケティングで学んだ分野を生かして独り立ちしたいと思って必死に取り組んでいます。今の段階では就職の時点で釜石大槌に帰るっていう選択肢は可能性としては低いんですけど、独り立ちして自分にも余裕ができて家庭を持ったら、やっぱり環境的にも釜石大槌がいいかなと思うんです。家族のためにも。やっぱり人がいいし、子供ができたらすごく穏やかでいい子に育ってくれそうなので。そしたら釜石大槌に帰って、今度は自分を育ててくれた、応援してくれた地元のために働きたいなと思っています。」




震災以降、東北各地へ取材で訪れる中、大くんのような若い世代とも交流を続けていますが、その多くが、支えてくれた周りの方への感謝や“いつか恩返しを”という言葉を口にします。ぶれることなく真っ直ぐに生きているその姿がどれほど眩いことか。きっと地元の皆さんも宝物のように彼らを見つめていることでしょう。大くんのお母さんにもぜひ聴いて頂きたい彼のハタチの言葉でした。

ちなみに大くん、野球については、仲間との草野球程度は楽しんでいるとのことです。野球に打ち込む大くんをお母さんは誰より応援していたと以前話していましたから、ぜひそれも続けて欲しいものです。

『LOVE & HOPE』、明日も新成人の「声」をお届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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