2019年1月24日

宮城県亘理町 FMあおぞら4

今週は、宮城県亘理町のコミュニティFM「FMあおぞら」の取り組みをご紹介しています。

「FMあおぞら」は、東日本大震災の後、臨時災害FMとしてスタート、昨年11月、コミュニティFMとして再出発しました。スタッフ9名はすべて亘理町の町民。平日9時間、土日は7時間、すべて生放送で番組を届けています。

生放送にこだわるのは、臨時災害FMの経験から。代表の吉田圭さんです。

◆いざという時、不安な気持ちに寄り添いたい
わたしたちの放送の立脚点の一つは、コミュニティを暖かくするお手伝いをしたい、そしてもう一つは「いざ」というとき味方になりたい、ということ。そういう点では、なにか災害があったときには、わたしたちが一番頼りにされる存在になりたいと思っています。その「頼りにされる」というのが、「報道する」ということではなく、「いざというときに、そこにあのラジオがあるからつけてみよう」と思ってほしいんです。そしてもう一つ。真夜中に不安になったときに、わたしたちは緊急のときには夜中も放送する体制を整えたので、「大丈夫ですか、さっき揺れましたね、怖かったですね」と言い続けたい。臨時災害放送局として活動しているときに、やはり余震が何回もあったんです。その時ずっと夜中放送していたのですが、翌日電話をしてくれたリスナーがいて。「昨日夜中にラジオつけたんだ。そしたら、ラジオからいつも昼間に聴いているのと同じ声がしてきて、それでようやく眠れた。」と。そうか、防災とか災害時の対応はもちろんきちんとしなければいけないけれど、わたしたちコミュニティにできる一番大きい仕事は、不安な気持ち、揺れ動く気持ちにちょっとだけ手を添えてあげることなんだ、と思ったんです。だから緊急放送も遠隔でもできるように今回体制を整えましたがやはり緊急時の心構えとして忘れてはいけないのは、ただ客観的な情報だけを流し続けるだけじゃないと、いま自分に戒めています。


災害など、「いざ」というときにラジオを聴いてもらうためには、普段から身近な存在であることが大切。あくまで「町民に寄り添うラジオ」を目指しているそうです。

「FMあおぞら」の周波数は79.2。亘理町では通常のラジオで受信できます。
またスマホアプリ「FM++(エフエム・プラプラ)」をダウンロードすると全国どこからでも「FMあおぞら」の放送を聴くことができます。
宮城県亘理町のラジオ局 FMあおぞらの公式ホームページ
FMあおぞら公式アプリ

2019年1月23日

宮城県亘理町 FMあおぞら3

今週は、宮城県亘理町のコミュニティFM「FMあおぞら」の取り組みです。

東日本大震災の後、臨時災害FMとしてスタートし、昨年コミュニティFMとして再出発しました。スタッフ9名は、年代も性別もさまざまですがすべて亘理町の町民。自分の視点で、身の回りの出来事や感じたことをマイクの前で語ります。

代表の吉田圭さんも、一日2〜3時間パーソナリティを務めています。

◆風化や防災を呼び掛けるのではない
いまFMあおぞらは、平日は(朝9時から夕方6時までの)9時間、土日は(朝9時から午後4時までの)7時間をオール生放送で放送しています。うちはスタッフを募集するときに、条件は一つだけだったんです。それは、「とにかく亘理町が好きで、亘理町のことが大好きだからそのことを伝えたい!」ということ。これを条件にスタッフ募集をかけたら、元いちご農家や、マイクを見たこともないという方も応募してくれて、現在9人で放送をお届けしています。

いま亘理町にいる人のかなりのひとは、災害を忘れているわけではない。ただ、災害からまもなく8年。ずっと一歩一歩、もしかすると半歩ずつ進んできたひともいます。そこで「風化しないようにしましょう!」「防災の意識を高めましょう!」というのは、亘理町のコミュニティ放送のわたしたちが改めて言うのはちょっと違うのではないかと思っているんです。みんなたぶん同じように前に進もうとしているし、だけどその中で「忘れてはいけない」という気持ちもあり、「忘れたい」という気持ちもあり。そこで揺れ動きながらこの町の人はみんな暮らしている。わたしたちは同じように「迷うよね、悲しいよね、進めないときもあるよね、でも進もうね」というふうに、隣にいる人に声をかけるような気持ちで伝えたり、またそれを聴いたひとがメールでもしかすると、「わたしもそう思った」とメッセージを寄せてくれるかもしれない。いまはとにかく、いろいろと進めないこともある、それを表立っていうのではなくて、「今日もいいお天気でしたね、その中で、あのとき寒かったことをちょっと思い出しました」と言ったときに、ちょっと伝わればいいかなといまは考えています。


「震災はもう忘れたい」という気持ちと、「忘れてはいけない」という気持ち。その間で揺れる町民にとことん寄り添う姿勢が、町の人の心の支えになっているようです。亘理町の町民9人で、生放送にこだわり、毎日放送を続けています。

「FMあおぞら」は亘理町では「周波数、FM79.2」で聴けるほか、スマホアプリ「FM++(エフエム・プラプラ)」で全国から聴取可能です。
宮城県亘理町のラジオ局 FMあおぞらの公式ホームページ
FMあおぞら公式アプリ
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パーソナリティ 鈴村健一

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