2020年2月25日

震災9年、ISHONOMAKI2.0のまちづくり?

今朝も、宮城県石巻市で進む、まちづくりの「いま」お伝えします。石巻市は、古くから「水運の町」として栄えたところとして知られています。
江戸時代は北上川を利用して、遠く江戸までコメの輸送を担う物流の拠点として。その後も、金華山沖の豊かな漁場による水産の町として発展。港湾都市として、たいへん栄えていたのだそうです。

そして、それを象徴する建物が、いまも石巻中心市街地で保存されています。石巻の町づくり団体・ISHINOMAKI2.0の松村豪太さんに案内していただきました。

◆古い建物も石巻の魅力
(聞き手:HAND IN HANDパーソナリティ 高橋万里恵)
ーーーお邪魔します。本当にいつも観慶丸は趣がある建物だと思うんですが、タイルが貼ってあってちょっと古い洋風チックな建物ですよね。
松村:そうですね。昭和5年、築90年という歴史があります。ここは石巻最初の百貨店だったというストーリーを持っているんですが、すごく面白い建築物で、外から見ると洋風なんですが、実は非常に和の技術を取り入れた木造3階建ての建築なんですね。おそらくすごいお金持ちの方がきっとここを作ったのでしょう。ここのタイルもタイルの専門家がわざわざ見に来るほど貴重なタイルがたくさんの種類貼られているんです。上の方にはキリンの絵を模したタイルが貼ってあったりとか。タイルを探すだけで非常にワクワク時間を費やせる場所ですね。

ーーーやっぱり石巻の町が港町だからこそ、モダンな文化が入ってきたんですか。
松村:そうですね。石巻は旧北上川を起点とした港町として栄えた町ですので、本当はこういうモダンな、西洋の気風を感じさせられるような建物がたくさんあったんですが、空襲で消失したり、あとは何よりも東日本大震災で被災したまま解体されちゃった場所が多いというのもあります。ただ実は目を凝らすと街には小さな、でも実は味のある蔵なんかも点在して残っていたりするんですよ。僕ら石巻2.0はそういったものを大事にしたいと思いますね。



旧観慶丸(かんけいまる)商店。石巻市の指定文化財です。なんと「デパート兼住宅」だったそうです。2011年の津波で1階部分が浸水してしまいましたが、当時のおもむきを残したまま補修をして、現在は1階が交流スペース。ライブなど様々なイベントもできる空間になっています。

2階はこの建物の歴史を語る資料などが展示。古きよきものをアイデアで活用するのも、石巻のまちづくりです。

★旧観慶丸商店

明日も宮城県石巻の町づくり、お伝えします。

2020年2月24日

震災9年、ISHONOMAKI2.0のまちづくり?

今朝は、宮城県石巻市で進む、まちづくりの「いま」お伝えします。

お話を伺ったのは、ISHINOMAKI2.0というまちづくり団体の代表・松村豪太さん。ISHINOMAKI2.0は石巻市の駅周辺・中心市街地で、東日本大震災の直後、地元の若い世代やボランティアが立ち上げた団体。その名の通り、町を新しく、バージョンアップすることを目指しています。

最初に案内していただいたのは町を横切る旧北上川の川沿い。ずっと護岸工事が続いていたのですが、ようやく一部が解放、この町の未来を象徴する、素晴らしいロケーションに生まれ変わっていました。

◆水辺と町場を分断しない町づくり
(聞き手:復興支援番組「HAND IN HAND」パーソナリティ高橋万里恵)
ーーーーいま連れてきてもらった場所は川の堤防の上で、目の前に旧北上川。その向こう側が中州で石ノ森章太郎漫画館が見えています。リバーサイドみたいな雰囲気です。テラスみたいですごくきれいな場所になっているんですね。
松村:旧北上川という日本で5番目か6番目に長い大きな川なんですけれども、震災前は堤防はなかったんです。これだけの規模の川では珍しいことです。もちろん堤防や防潮堤というのはいろんな意見があります。今までは、水辺、海や川との距離感が今までは近くてよかったのに、そこに壁を作って良いのかという意見も当然あります。それで石巻は命を大事にするということもあり、ここに初めて川沿いに堤防を作ったんですが、水辺と町場の人のなりわいを分断するだけではなくて、そこを人が気持ちよくお散歩したり、あとはこういう水辺空間では通常難しいんですが、商業活動・・・市を出したりキッチンカーを並べられるようにということができるように、地元の人が集まって協議会を作って、広くてとても気持ち良い空間ができました。

ーーーー朝の時間帯ですがお散歩している方もいらっしゃいますし、ここはマラソンしたりする方も気持ち良い場所ですもんね。
松村:いらっしゃいますよ。ワンちゃんを連れて歩いたり、家族で歩いていたり、カップルで歩いていたり、この川の空間は、正面に日和山と太平洋が臨めて良いところです。



この旧北上川のリバーサイドには、網地島ラインの船着き場もあり、石巻周辺の島(猫の島として有名な田代島、網地島、鮎川)をめぐる周遊を楽しむこともできます。


船着き場はもともと河口付近にあったのですが、地元の方のアイデアで「川を船が行き来する風景」を実現させたのだそうです。暮らす人々の声、想いを反映したのが、この素晴らしい風景を生み出しました。

明日も宮城県石巻の町づくり、お伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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