2019年2月27日

創業100周年を迎える気仙沼市「すがとよ酒店」の菅原文子さん?

今週は、4月に創業100周年を迎える宮城県気仙沼市の酒屋さん「すがとよ酒店」を営む、菅原文子さんのお話し。



菅原さんは、東日本大震災による津波で、自宅兼お店が流され、お父さん、お母さん、そして三代目店主だったご主人を亡くされました。それでも震災の1か月半後に、息子さんたちと一緒にプレハブでお店を再開。当時、行方不明のままだったご主人に宛てた手紙は、「恋文大賞」を受賞し、その後、ご主人の亡骸も見つかって、再会を果たすことが出来ました。そして2016年12月、地元の鹿折地区にお店を再建しました。

創業100周年を目前に控え、今の思いを尋ねてみました。


◆「悲しみを背負って暖簾を守る」

「我々ははてここでどのように商いを展開していって、100年という続いた商いをこの先どのようにやってけるのかなと。若い人はいなくなるし取引のその飲食店さんも一生懸命頑張ってやってるんだけれども8年という月日はあまりにもやっぱり長くて、そこの親方さんたちも歳をとられて、“もう頑張れない”っていうお店もあるし、いろんなことを考えるときに、我々はまだまだ215名近い行方不明の方がいらっしゃるので、その方が他の事も忘れちゃいけないし、去年の7年9ヶ月の時に、お骨が発見されて、ご主人の元に帰ったんですよ。その時にみんな改めて、忘れてたわけではないけれども、“あ、私たちにはまだそういう深い悲しみを抱えた人たちがいっぱいいる”って事を改めてみんな思ったわけです。だから町が新しくなるんだ、復興ももう終盤だって言ってるけど、まだまだそういう悲しみが深く隠れた部分にあるので、そういう事をみんな背負って、この先も頑張っていかねばならないんだけれども、またここから手探り状態でもね、この暖簾を守ってやっていけたらなと思うんですけどね。まあいつまで元気で働けるかわからないけどでも、でも元気でずっとここでお客さんをお迎えしたいですね本当に。それが私の一番の夢です。」




「すがとよ酒店」は日曜が定休日です。しかしなぜかお店はいつも開いていて、菅原さんや息子さんたちがお客さんを迎えています。理由は簡単で、“もしお客さんが来て閉まってたら悪いから”。それはお店の暖簾を守るという強い覚悟が胸の内にあるからにほかなりません。

そんな「すがとよ酒店」には、宮城の銘酒がずらり並びます。来月の100周年に向けては、オリジナルのお酒も仕込み中なんだとか!『LOVE & HOPE』、明日はそんな「すがとよ酒店」おすすめの銘酒の話をお届けします。

「すがとよ酒店」

2019年2月26日

創業100周年を迎える気仙沼市「すがとよ酒店」の菅原文子さん?

今週は、4月に創業100周年を迎える宮城県気仙沼市の酒屋さん「すがとよ酒店」を営む、菅原文子さんのお話し。



菅原さんは、東日本大震災による津波で、自宅兼お店が流され、お父さん、お母さん、そして三代目店主だったご主人を亡くされました。それでも震災の1か月半後に、息子さんたちと一緒にプレハブでお店を再開。当時、行方不明のままだったご主人に宛てた手紙は、「恋文大賞」を受賞し、その後、ご主人の亡骸も見つかって、再会を果たすことが出来ました。そして2016年12月、地元の鹿折地区にお店を再建しました。



まもなく8年が経ついま、亡き人への思いについても、変化が出てきたといいます。


◆「ともに生きている」

「ともにね、家族はいつも一緒というか、節節のものが出ると、“あ、ばあちゃんこうだったよな〜じいちゃんこうだったよな〜”、で、“お父さんなんかこんな時きっとこんなこういうんだよ”とか、そういうことは日常の中にあるので、だからともにね、一緒なんだな〜とは思います。もう前のようにさめざめと泣くこともないし、仏壇の前で涙流すことも正直なくなりました。で、ある時に、“月命日とか本命日にお墓参りするんですか?”と質問されて、“いやそれどころじゃないです”と・・・(笑)。お墓参りしてる隙に店にいなくなるとお客さん来た時困るから、いや・・・いいよアキトくん、孫なんですけどいまお手伝いに来て・・・だから毎日お仏壇を拝んでるので、それは自然の私の気持ちで、家の仏壇に朝行ってくるよって必ずお茶とか水とかご飯あげてね、お参りして“行ってきます”って。で、“ただいま”ってお仏壇の前に座るようになったんですよ。だからご主人が、なによりお店、商いを大事にしてたし、お店の前にお地蔵さんをお祀りしたので、そのお地蔵さんの前で、主人が眠ってた場所でも・・・一年三ヶ月眠ってた場所でもあるので、ここで来月も、“その時”を過ごすんです。だから今年もそういう風にしたいと思うし、この地でその時を過ごすというかね、それを一番大事にしてる。共に生きてる。うんもう本当に共に生きてるというような思いですね。」





時間が経って悲しみが癒え、今は逆に“ともに生きている”と感じる・・・という菅原さん。そんな彼女を、ご主人も近くでそっと見守っているのかもしれません。その文子さんを息子さんたちが支え、お孫さんまで手伝いをしている(!)そういった“支え”があるからこそ、来月の100周年を無事に迎えられるのではないでしょうか。

『LOVE & HOPE』、明日も「すがとよ酒店」菅原文子さんのお話し、お届けします。

「すがとよ酒店」
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パーソナリティ 鈴村健一

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