2019年3月12日

震災から8年、相馬市を訪ねて ?

今週は、福島県相馬市からのレポートをお届けしています。

2011年、震災の年から中西哲生が欠かさず訪ねている相馬市。今回は相馬市企画政策部長の宇佐見清さんに、市内の復興を象徴する場所をあらためてご案内して頂いています。

今日は「エル・システマジャパン」と「相馬子どもオーケストラ」について。

子供たちを犯罪や非行から守るのを目的にベネズエラで始まった音楽教育プログラム「エル・システマ」は、震災後の2012年に「エル・システマジャパン」を立ち上げ、相馬市、岩手県大槌町、長野県駒ケ根市、そして東京の4都市で活動を続けています。いま相馬市では約150名の子供たちが参加しているということですが、その練習の様子を見ながら、お話を伺いました。


「宇)エル・システマジャパン、子供たちが音楽を通してたくましく成長、それから子供たちを中心に地域が活性化していく、そんなことを目標に出来た団体なんです。で今日はですね、小さい子供たちのレッスンがいま行われています。このあと、3月23日24日、「子ども音楽祭」が開催されます。これに向けての練習ということです。第5回目の「子ども音楽祭」、今年はオックスフォード大学の管弦楽団も出演して頂ける。期待しています、私も。
哲)じっさいもう5回目ということで、ここまでも数々、世界的な素晴らしい楽団とコラボレーションしたり・・・
宇)あのベルリンフィルともジョイントしたことがある・・・ベルリンフィルですよ。サッカーだったらレアル??そういうところと相馬の子供たちが一緒に音楽を奏でる・・・もともと相馬市内に管弦楽をやってる小学校があったんです。それから合唱なんかも結構盛んだったんですね。それが土壌にはなっていたと思います。相馬の子供たちにとっては、一つは音楽って共通言語。それからトップの皆さんの演奏とか、指導を受けられる。これは今までになかった環境ですね。」




被災地の子供たちを音楽で励まそう!というエル・システマジャパン。もともと音楽が盛んだった相馬市にはこれがいい形で結びついているのでしょう。5回目の「エル・システマ子ども音楽祭」は、3月23日・24日、相馬市民会館で行われます。

「第5回エル・システマ子ども音楽祭in相馬」


“相馬子どもオーケストラ”の演奏のほか、オックスフォード大学の管弦楽団も参加するということ。お近くの方は足を運んでみてください。

『LOVE & HOPE』、明日も引き続き、相馬市の復興を象徴する場所のレポートをお届けします。

2019年3月11日

震災から8年、相馬市を訪ねて ?

今週は、福島県相馬市からのレポートをお届けします。



2011年、震災の年から中西哲生が欠かさず訪ねている相馬市。その当時の、瓦礫や崩れた家々、松川浦に浮かぶ家や車といった津波の爪痕は、今も彼の記憶にはっきりと残っているといいます。




毎年、夏の風物詩である「相馬野馬追」の時には相馬を訪ね、野馬追を観覧し、光陽サッカー場でサッカー教室を開くのが恒例となり、町の復興も同時に見続けてきたわけですが、一年一年、見違えるようにきれいになっていき、むしろ震災前よりも良い町が出来上がっているんじゃないか?と思うほど。

今回は2011年からずっとお世話になっている、相馬市企画政策部長の宇佐見清さんに、市内の復興を象徴する場所を、あらためて案内して頂きました。



原釜の「相馬市伝承鎮魂祈念館」で待ち合わせ、そこから見える工場群、去年再開した原釜海水浴場、景観を壊さない程度の堤の向こうに見える真新しい住宅について話を聞き、祈念館では2011年の相馬の被害の様子を見学。

そして次に向かったのは、平成25年に出来た相馬市の防災備蓄倉庫、その名も、「相馬兵糧蔵」です。

「宇)そこに見えるのが水。2ℓのペットボトルで18000本。それから毛布も7000枚。この程度を備蓄しています。震災の時にいろんなご支援を我々頂きました。そういうご支援をまず忘れないように。それから何かあった時には速やかにお返しをしましょうと。とくに防災協定を結んでいる自治体、いま14ございます。それからご支援を頂いた自治体はもっともっとあります。一つにはこの備蓄の目的は市民のため。それからもう一つはいま申し上げた自治体に何かあった時に速やかに可能な範囲でご支援をすると。そのような目的で作ってあります。
哲)じっさいすでに起こった災害に対して、ここからすでに送ってらっしゃるんですよね?
宇)もうすでにたとえば熊本地震、総社市、倉敷市、胆振東部もありました。
哲)そして災害の時に命を落とされた消防団員の方々の碑もありましたけど、ここに遺していくことで教訓にということもあるんでしょうか?
宇)災害が起きた時にまずいちばんに地元にいらっしゃる方、消防団の役割っていうのはものすごく大きい。で、そういう方々がじっさいに10名の方が亡くなりました。英雄化する必要はないと思いますけど、やはりその精神は尊い。これは語り継いでいかなければいけない。そんなことで碑も建てたところです。」





殉職した10名の消防団員の顕彰碑、それは相馬市民や、各地の消防団などの寄付で建てられたのだそうです。

ここには有事に備えての備蓄のほか、太陽光発電パネルや非常用発電機、ヘリポートなどを備え、防災教育研修施設としての役割も担っているのだそうです。

相馬中村藩時代を思わせる「相馬兵糧蔵」という名前は、じつは市民の公募で決まったのだとか。カタチもまさに蔵そのものです。

『LOVE & HOPE』、明日も引き続き、相馬市の復興を象徴する場所のレポートをお届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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