2019年5月23日

株式会社ワンテーブル・島田昌幸? 防災食の開発へ

今週は、宮城県名取市のベンチャー、株式会社ワンテーブル代表、島田昌幸さんのインタビュー、お届けしています。

ワンテーブルは去年、「ゼリータイプの防災食」の開発に世界で初めて成功。水が不足する避難所で、バランスの取れた栄養補給ができる防災食として注目を集めています。

この防災食の開発に乗り出したきっかけ。それが、島田さんご自身が支援活動をする中で目の当たりにした避難所の「食べ物」をめぐる問題でした。

◆水がない状況の「防災食」
実際に避難所を回っていると、もちろん赤ちゃん老人もいますが、その先には見えないところにストレッチャーに乗っている重度の障害を持った子どもたちもいる。こういった方たちを含めて地域社会なんだなと改めて思ったんですね。もちろん皆さんが救援物資を届けてくれる中に、乾パンであったりクッキーやビスケットが多くが備蓄されているんです。これは今も変わらないんです。赤ちゃんに乾パンを食べろといっても、歯が無いから食べられません。水がない中で我々もあれを食べろと言われても、水がないと結構大変なんですよね。噛む力が弱い老人であるとか、胃ろう(胃からお食事をとられている)の方たち、そもそもこういった方たちに対してどういうサポートがあるか。ストレッチャーで生活をされている方たちは避難所にすらいけないんですよね。やっぱりそういうこと、なかなか人の手が届かないところにちゃんと向き合おうと。誰かがやってくれるところはお願いをして、もうちょっとストイックなところずっと介護施設を回ったり福祉施設を回ったりと言うのを重点的にやっていた。そういった課題がある印象を受けました。ふと、やっぱりこれって阪神淡路大震災も同じことが起きたんじゃないかなと思い始めていたんですよね。戦前戦後から備蓄されているものって、いろんなテクノロジーが発達しているんだけど何も変わっていないなとふと思って、きっと60年後も100年後も変わらないんだろうなと思ったんですよね。じゃあこれをやろうと2011年5月に考え始めたんですよね。


避難所には、一般的な食事を上手くとれない人も当然います。そうした人たちのケアも災害に備える上で、大きな課題です。また、自治体・市区町村などが備蓄する防災食はいまもやはり「乾パン」などが多いといいます。これも課題です。

こうした状況を目の当たりにしたワンテーブル島田代表は、問題解決へ向けて商品開発に乗り出します。この続きはあした。

★ワンテーブル

2019年5月22日

株式会社ワンテーブル・島田昌幸? 避難所での支援活動

今週は、宮城県名取市のベンチャー、株式会社ワンテーブル代表、島田昌幸さんのインタビュー、お届けしています。


名取市にお住まいがあり、東日本大震災当日は仙台にいた島田さん。震災当日は、ご家族とともに、名取市内の避難所へ避難しました。

実は当時、島田さんは、産地直送の農作物を扱う「マルシェ」の運営をしていて、震災翌日にはそのネットワークを使った支援活動をスタートさせたと言います。

◆支援物資200トンの半分は・・・
愛島台という名取の山あいのところなんですけれども、見ず知らずの我々なんかも快く受け入れてくれて、お米を炊いて、電気が止まっているので薪などを使って食べさせていただいた。その時に、支援されるのって無力だなと思って、支援する側にならなければいけないと思った。まずは流通の脆弱性をすごく目の当たりにしたんですね。コンビニだとか大手商業施設はモノが届かない。あの当時は、我々のサプライチェーンというか流通の中で最も強かったのが農業だったんですよね。山形と仙台はもともと「仙山交流」という交流があるくらいで、その中でマルシェの山形の農家の方たちが、当時はガソリンも買えない状況で、片道切符で雪下野菜を掘って、手を真っ赤にして販売をしてくれた。まず仙台市民の方たちに、マルシェを通じて野菜の供給をしたり。僕たちは4万食炊き出しをして、200トンの救援物資を運んでいたんですよね。もちろんそれは全国から皆さんが届けてくれたものですが、その200トンの救援物資は、実は約半分ぐらいは廃棄していたんです。それこそ洋服だったり布団が「ありすぎちゃう問題」。我々としてはお風呂もなかなか入れませんでしたから、衛生環境が悪かったので、どんどん服を着替えてください、捨てて、お風呂もなかなか入れない中で衣類もどんどん着せ替えみたいなことを推奨していたりとかしましたね、当時は。


東日本大震災で問題になった、支援物資が「届きすぎる」「需要と供給のズレ」などの問題。実際には、今のお話のようなことが起きていました。物資の半分は捨てられてしまっていた一方、お風呂に入れない状況では、「多すぎる洋服」は役に立っていたようです。

あしたもワンテーブル島田代表のお話です。

★株式会社ワンテーブル
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パーソナリティ 鈴村健一

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