2019年5月29日

フォトジャーナリスト 渋谷敦志さん(1)


今日は報道写真家、渋谷敦志さんのインタビューです。
渋谷さんは、アフリカやアジアを中心に、紛争や災害の現場を26年間にわたって取材し続けてきました。

2011年3月、渋谷さんはアフリカでの取材を切り上げて急きょ帰国。東北に向かいます。そこで渋谷さんが目にしたものとは。

◆当時、南相馬市萱浜には人が誰もいなかった
東日本大震災が起きた時、僕はアフリカのウガンダにいたので、すぐに帰ってきて東北に取材に行きました。震災翌月の4月、仙台から車で福島に入って、原発にできる限り近づこうと思った。福島県南相馬に萱浜という標識があって、「浜」という字を見て、「海はどうなっているんだろう」と思い左折して、海岸を見に行ったんです。そこは津波で壊滅状態だったんです。それを見たときにはっとした。それ以前に陸前高田とか気仙沼の取材をしていたのですが、地震と津波という状況は同じなのに、違うのは人が誰もいない。ガレキの写真を撮っているときに、レンズに人影が写ったんですね。近づいて声をかけたら、上野敬幸さんでした。上野さんは自分の両親と子ども2人が津波で流されて。その後で原発事故があり、住民はみんな避難してしまって。でも自分たちの家族は行方不明のまま。警察も自衛隊もボランティアも誰もこないので、自分たちで探すしかなかった。その浜でお会いしたのがきっかけで、上野さんのお付き合いが始まって、もう8年が過ぎましたけど、今もつながりが続いているんですね。


渋谷さんが福島県南相馬の萱浜で出会った上野敬幸さんはご両親と小さいお子さん二人を津波で亡くして、お父さんと当時3歳だった息子さんは、いまだに行方がわからないままです。震災当時は上野さんにカメラを向けることもできなかったという渋谷さんが、どんなふうに上野さんと向き合い、関係を築いたのか・・続きは、明日の『LOVE & HOPE』でお届けします。

2019年5月28日

株式会社ワンテーブル・島田昌幸? 「LIFESTOCK」、宇宙へ・・・

宮城県名取市のベンチャー、株式会社ワンテーブル代表、島田昌幸さんのインタビュー、お届けします。

ここまで、ワンテーブルが開発した世界初・賞味期限5年のゼリータイプの防災食、「LIFESTOCK(ライフストック)」についてお伝えしてきました。

今後、ライフストックは、災害が起きたときに備え、自治体の備蓄倉庫やご家庭にストックされることになるわけですが、実はいま、災害とは別のシーンでの活躍も期待されています。それがなんと・・・・・・宇宙空間です!

◆防災食が宇宙食に
極限の状況ということでテーマを絞っていくと、水がなくて閉所で精神がかなりストレスフルということで、実は宇宙空間も結構似ているところがあるんですよね。宇宙は蛇口を捻っても水がないし、ロケットの中にかなり長期間滞在する。運動不足になったり、宇宙空間の環境は災害地域の状況に似ているところがあると。そこでパートナーシップを昨年8月にワンテーブルとJAXAが提携したと。「BOSAI SPACE FOOD PROJECT防災スペースフードプロジェクト」ということで。JAXAさんにも実は賞味期限の課題があるわけなんですね。実は火星を目指すためには行って帰ってくるまでに1年半がかかるわけです。賞味期限が1年半以上となると被災地の備蓄商品のラインナップが少ないように、宇宙食のラインナップも充実しているとは言い難い状況。そうすると産業としては宇宙用に作ると産業ロット、経済ロットは小さいわけですよね。我々が作っている工場の仕様はすでに5年ですからコストオンではなくて、我々の商品は既に宇宙仕様を越えているんです。そうするとわざわざ宇宙食を目指さなくても(いい)宇宙食の認証のレベルを超えていこうということで一緒に考えているんですよね。我々もいま宇宙認証を申請していますのでそれが通れば、このゼリーが被災地から宇宙へと言うことになっていく。それに挑戦しているところですね。


ということで今後、災害や避難所から生まれたアイデアが宇宙開発にフィードバックして、宇宙開発で培われた技術が、防災に活用されることになります。

★株式会社ワンテーブル
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パーソナリティ 鈴村健一

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