2011年8月17日

8/17 白石康次郎さんを迎えて(3)


海洋冒険家・白石康次郎さんから被災地の子供たちへ 

『チャレンジすることの意味は?』と聞かれれば
「僕は挑戦しにいくのではなく、幸せを求めにいくんです。」


          ◆ ◆ ◆

世界一周単独ヨットの旅、「一人で孤独じゃないですか?」とよく聞かれるが
一人だからこそ孤独じゃない。僕の船には、夢がある。希望がある。
何百キロ先にはライバルが走ってて、港には友人や家族が待っている。
で、船には何があるかというと、“何も無い”が在るんです。
都会に無いものが、いっぱいある。
だから「孤独」は心で感じるもので、環境は全く関係ない。


「僕らは挑戦しにいくのではなく、幸せを求めにいくんです。」
 
だから世界一周というのは、冒険しようとか、辛いことにチャレンジしてやろう
とかは全くない。僕の好奇心=「海の向こうになにがあるんだろう。世界一周
したいな」というその「幸せ」を達成するために、あらゆることに耐えて、あら
ゆるチャレンジをして、いろんな技術を学んでいくんです。

ぼくは今44歳だけど、幸せの達成率はまだ6割くらいかな。
あと10年ぐらいは頑張って、あと2レースぐらい世界一周したです。


◆白石康次郎◆
1994年に、史上最年少26歳で、ヨット単独無寄港世界一周を達成。
2007年、日本人初参戦の単独世界一周ヨットレース「5OCEANS」クラス I
2位でゴール。
その後もさまざまなレースにチャレンジするとともに、
執筆や講演活動、ワークショップなどを通して、海の魅力を伝えている。


  

2011年8月16日

8/16 白石康次郎さんを迎えて(2)


きのうに続き、当時26歳で達成した、ヨット単独無寄港世界一周について
伺いました。


最初の航海は、自分で船を作った。
グアム島付近まで順調に行ったが梶(水中ハンドル)が壊れて、引き返し、
直してもう一度出発した。ところが今度はマストのトップが壊れてしまった。
実はその船は、自分のお金というより伊豆にある造船所に居候して
みんなの募金でヨットを作っていた。
だから1回目は謝れるが、2回目は流石に戻れない。
そこでなんとかこのまま航海する方法はないか・・・と考えていた。

そんな時、僕の師匠が生前、「判断に迷った時は座禅をしなさい」
と言っていたことを思いだし、船の上で、デッキに座り、姿勢を整えて、
ただ息を吸っていた。
何も考えちゃいけない。とにかく海を見て、ただただ息を吸っていた。

あるとき、『おれ、何しに来てたんだろう』『世界一周しに来てたんだ』
『じゃ世界一周するためには今、何をすべきだろう』
答えは簡単だった。
『帰って直せばいいんだ』とハタと気付いた。

世界一周したい…というフィルターで海を見ると、違った景色が見える。
本当のあるがままの海を見るためには、自分を捨てなきゃいけない。
あるがままの正確な姿をみれば、正しい判断ができる。
これは海や山へ行ったときにはとても大切なこと。

あるがままの自然の中に人間が存在している ということを捉えないと
うまく自然とコミュニケーションとれない、と学ぶことができた。

今、大きな災害の中にいるが、どんなに辛い嵐でもおさまらなかった嵐は
なかった。どんなに厳しい無風帯でも抜け出せなかった無風帯はない
ということも航海は教えてくれた。

だからこの災害で我々日本は、新たなステージに入っている。
それをみんなでがんばっていきたい。


◆白石康次郎◆
1994年に、史上最年少26歳で、ヨット単独無寄港世界一周を達成。
2007年、日本人初参戦の単独世界一周ヨットレース「5OCEANS」クラス I
2位でゴール。
その後もさまざまなレースにチャレンジするとともに、
執筆や講演活動、ワークショップなどを通して、海の魅力を伝えている。

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番組では引き続き、
「震災後の心や体の不安」に関するメッセージをお待ちしています。
また、住まいや仕事、教育やお金に関する質問もお寄せください。

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パーソナリティ 鈴村健一

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