2020年3月6日

女川いのちの石碑 18基目の石碑が完成

今朝は、東日本大震災の教訓を後世に伝えようと活動を続けているプロジェクト「女川いのちの石碑」の最新レポ―トです。

宮城県女川町「女川いのちの石碑」。震災当時、女川第一中学校の1年生が町内にある21の全ての浜に、津波到達地点より高い場所に石碑をたてて、避難の大切さを伝えようという取り組み。先日18基目の石碑が完成し、その披露式が行われました。
プロジェクトメンバーの阿部由季さんと、女川中時代の担任教師・阿部一彦先生に話を聞きました。

◆「1000年後の命を守るため」
(阿部由季さん)宮城県女川町大石原浜に18基の石碑が立ちました。最後の21基目の石碑が女川小中一貫校に11月22日に立つ予定です。まず1000万円集まったということがすごすぎて、周りの方々が支援していただいたおかげ。この石碑が3月11日のことを思い出すきっかけにもなると思うし、地域の方々はもちろん、小中学生も目にすると思うので、まだ生まれていなかった子もいると思うので、これを見て「あ、地震が来たら逃げなきゃいけないんだ!」と思う人もいると思います。「1000年後の命を守る」というのは遠い話だけど、わたしたちも自分の子どもや孫に語り継いでいって、同じ思いをしないでほしいと思っているので、これが少しでも役にたてたらいいなと思います。

◆「21基立てて、そこからがスタート」
(阿部一彦先生)子どもたちが先日言っていたことは。「21基立てて終わりと思っている人もいるが、わたしたちにとっては違う。21基を立てて、そこからがスタートなんです」と。本当にそうおもっているんだろうなあということをひしひしと感じる9年目。この子たちはたぶん死ぬまで活動を続けるんだろうな、おじいちゃん、おばあちゃんの姿を見て、次の子どもたちも活動を続けるんだと思う。


「1000年後の命を守る」というのが、子どもたちの旗印です。これまで建立した石碑のうち15基がすでに「自然災害伝承碑」として国土地理院のウェブ地図に掲載されています。

またこの石碑を案内する「語り部」の活動もしています。毎月第3日曜日、10時に女川駅前集合とのことです。

女川いのちの石碑 サイト

2020年3月5日

大熊町・木村紀夫さんの「いま」?

引き続き、福島県大熊町、木村紀夫さんの「いま」をお伝えします。

東日本大震災による津波で行方不明となった次女・汐凪(ゆうな)ちゃんの遺骨の一部が発見されてから、この春で3年と3か月。いまも木村さんは「汐凪のすべてを見つけたい」と捜索を続けています。

実は木村さん、長女・舞雪(まゆ)ちゃんが東京に進学し独り立ちしたことで、避難生活をしていた長野県から、大熊に通いやすい福島県いわき市に転居。汐凪ちゃんの捜索を続けながら、一緒に過ごした土地を見守ろうと考えています。

◆ソーラーパネル1枚で生活
かわりの住まいは、いわき市の末続というところです。おそらく俺が生きている間にこっち(大熊)に戻ってくることは考えられない。いまの状況ではね。なので末続をベースにしてここにずっと通うと思っているので、中古の住宅、一軒家を買いました。ただ、8年ぐらい誰も住んでいなかったので電気はそのまま購入せず。電気はないです。ソーラーパネル1枚。必要のないものをどんどん省いていけば別に何の問題もないですよね。生きていく上では。今の自然エネルギー自体、この辺もそうだけれどもソーラーパネルがいっぱい並べられていて、山をわざわざ崩してそこに並べているところが結構あって、それが本当に良いのか? パネルが将来、30年後ぐらいに全部ゴミになったときにそれを処分できるのか、再利用できるのかというと、それはまだできない状況だという人もいる中で、なんかそれも原発の最後と一緒みたいな感じがして。それは違うなって。最初に考えなきゃならないのは、いまそれは本当に必要なんですかというところから考えなきゃならないなと思い始めて、今の末続があります。それはある意味、汐凪が準備してくれたものだと思うし、お膳立てしてもらっているような気がするね。これから何をやっていこうかなというような中で、やらなきゃいけないことをいろいろ(汐凪に)用意してもらっているような気がする。余計なことしやがって(笑)と思う反面、やらなきゃなとも思うし。それがある意味、いま生きている意味になっているんだよね。



木村さんはさらに、「震災後はみんな節電してたけど、結局もとに戻ってしまった。この土地は原発事故と津波、両方を受け、犠牲者が出た象徴的な場所。ここを復興公園にできれば、そういうことを改めて考える場所になるのではないかと考えている」ということも話しています。そしてそれが、自分に与えられた役割だと考えています。震災の年45歳だった木村さんは、もうすぐ54歳の春を迎えます。

«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 9 | 10 | 11 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN