2019年12月31日
「巨大台風の教訓を活かすために」片田敏孝さん-7-
「巨大台風の教訓を活かすために」。東京大学特任教授、片田敏孝先生のインタビューをお届けしています。
台風だけでなく、地震や津波、火山の噴火など自然災害は思いもよらない被害をもたらします。災害が起きたときに、わたしたちはどのように避難するべきか。今日は「避難三原則」のお話です。
◆避難三原則
わたしは岩手県釜石市を中心に津波避難の指導を行ってきました。そして東日本大震災以降全国で同じような指導を行っています。その中で「避難の三原則」ということをお伝えしているんです。
1) 想定に捕らわれるな
もう少し直接的に言うと、ハザードマップを信じるな。ハザードマップは災害のシナリオが書かれていますが、そこに書かれていうのはたった一つのシナリオ。自然災害は毎回手を替え品を替えやってくるので、ハザードマップ通りのことが起こるわけではない。だからより安全な行動を積極的にとっていかなければいけない。
2) 最善を尽くせ
自分にできる最善の行動をとること。最善というのはこれ以上の行動をとれないほどの行動をとること。その上での結果は仕方がない。問題なのは、あなたにとって最善の行動をとったかどうか。
3) 率先避難者たれ
まわりの人たちが逃げていないのに、自分だけ逃げるというのはなかなかできないもの。もしあなたが一番最初に行動をとるならば、まわりの人たちもあなたの行動につられて自分も行動をとるだろうから、自分一人逃げることは決して卑怯だなどと思わないでほしい。「率先避難」はまわりの人を救うことにもつながる。
これらは津波避難の三原則として釜石などでも伝えてきたことでしたが、あらゆる災害に共通だと思います。自分に向かい合うこと、積極的な主体性を発揮すること。これが避難三原則に示したことです。
片田先生は今回のインタビューで、仏教の考え方「主客未分(しゅきゃくみぶん)」 という言葉を教えてくださいました。行政と自分を「助ける側」「助けられる側」に分けるのではなく、わたしたち一人一人が「積極的な避難行動」をとることが大事、ということです。
台風だけでなく、地震や津波、火山の噴火など自然災害は思いもよらない被害をもたらします。災害が起きたときに、わたしたちはどのように避難するべきか。今日は「避難三原則」のお話です。
◆避難三原則
わたしは岩手県釜石市を中心に津波避難の指導を行ってきました。そして東日本大震災以降全国で同じような指導を行っています。その中で「避難の三原則」ということをお伝えしているんです。
1) 想定に捕らわれるな
もう少し直接的に言うと、ハザードマップを信じるな。ハザードマップは災害のシナリオが書かれていますが、そこに書かれていうのはたった一つのシナリオ。自然災害は毎回手を替え品を替えやってくるので、ハザードマップ通りのことが起こるわけではない。だからより安全な行動を積極的にとっていかなければいけない。
2) 最善を尽くせ
自分にできる最善の行動をとること。最善というのはこれ以上の行動をとれないほどの行動をとること。その上での結果は仕方がない。問題なのは、あなたにとって最善の行動をとったかどうか。
3) 率先避難者たれ
まわりの人たちが逃げていないのに、自分だけ逃げるというのはなかなかできないもの。もしあなたが一番最初に行動をとるならば、まわりの人たちもあなたの行動につられて自分も行動をとるだろうから、自分一人逃げることは決して卑怯だなどと思わないでほしい。「率先避難」はまわりの人を救うことにもつながる。
これらは津波避難の三原則として釜石などでも伝えてきたことでしたが、あらゆる災害に共通だと思います。自分に向かい合うこと、積極的な主体性を発揮すること。これが避難三原則に示したことです。
片田先生は今回のインタビューで、仏教の考え方「主客未分(しゅきゃくみぶん)」 という言葉を教えてくださいました。行政と自分を「助ける側」「助けられる側」に分けるのではなく、わたしたち一人一人が「積極的な避難行動」をとることが大事、ということです。